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M部長の反撃と再調査の必要性、及び追記で議事録紹介

宮良元部長が都側に「反論書」を提出したと産経が昨日朝に報じた。
<宮良氏は「部課長会にそのような機能も権限もない」とし、「盛り土をしないなど大きな工法の変更があれば、中央卸売市場長も含めた検討会を開くのが通常の手続きだが、そのような会はなかった」と指摘。報告書について「到底受け入れられない」とした。>

毎日も続いた。
<都が1日に公表した第2次検証報告書で「盛り土案を変更した責任がある」とされた元新市場整備部長の宮良(みやなが)真氏(63)=退職=が、都に再検証を求める文書を提出していたことが分かった。宮良氏が7日、毎日新聞などに明らかにした。文書は4日に提出したという。>

その後、他社も報道しているが、<宮良氏が7日、毎日新聞などに明らかにしたとのことで、同氏はマスコミ各社と接触を取っていることになる。毎日は見出しで「報告書再検証を」と打っているが、これも同氏意向の可能性が高くなる。ご本人が望むなら、昨日記事で書いた「PTによる再検証」が実現するかも知れない。

当ブログでは、第2次報告書の真意は「個人の特定」で、具体的には「宮良新市場整備部長(当時)」を指していると云う見解を述べてきた。そして以下も記した。
「小池氏又はその意を汲んだ側近などが、都側の自己検証にプレッシャーをかけて非常に画期的な報告書を出させたと思える。ただ、その意図を小池氏は会見等でも説明しなかった。それでも都庁内で報告書を見た人、特に幹部は「恐れ」を感じたのではないかと思う。ここまで特定されるのかと。

結果的に、このような反応になった可能性ありとして、現役幹部は恐れを感じて身を引き締めただろうが、実際に特定された元幹部(宮良氏)は、退職していることもあってか、直接反撃に出たという状況なのだろうか。

ただし、以前示した下図右側のように、宮良氏のところが情報のボトルネックになっていると、「下は知っているが上は知らない」という状況が考えられて、上層部の「知らなかった」という証言と合ってくる。そのため、やはり同氏個人の問題が大きいと考えた方が説明は付きやすいと思える。
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それでも、反論があったことを重視して、宮良氏が盛土について発言している資料を探してみると、以下の議事録があった。

(午後1時46分~午後六時二十二分…5時間弱)
②”第13回技術会議議事録”平成22年7月22日開催

まず、②の方は技術会議で盛土が議題になった回に宮良氏が出席していた。当然盛土について知りうる立場にあった。
更に重要と思われるのが、約1ヶ月後に開催された①の件。都議会の築地移転と豊洲整備に関する「特別委員会」での質疑で盛土汚染が議題だった。
都側出席者が豪華で、今回の処分対象者が8人中5人勢揃い。残りの3名は後任だから、実質当時のフルメンバー。宮良部長も答弁に立っていた。

このフルメンバーが上記議事録を見ると、5時間近くに渡って盛土汚染問題を中心に土壌汚染対策でゴリゴリ責め立てられていた。この時は東京ガスが実施した盛土だが、出席者は「盛土」という言葉に強烈な印象を持ったことは間違いない。
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そうなると、宮良氏も含めて出席者が、その後同年11月に起工する「基本設計」において、「建物下の盛土を全く無くす」という無謀な決断をするだろうか。しかも上層部にオーソライズしないのだから決めた人の責任になる。
岡田市場長は「専門家会議提言を守ることは憲法を守ることと同じと思っていた」と今回語っている。都議会の雰囲気などを感じて、そう思われたのだろう。他の幹部たちも憲法とまではいかなくても、公務員として自分の身を守る必要がある。自らの判断で盛土無しにするなど本来は毛頭考えないだろう。しかし、出席者は前述のようにフルメンバーだから、これらの特に技術系幹部の人達が決めていないなら、「そして誰もいなくなった」状態になってしまう。

それでも現実は盛土無しになった。よほど変わった発想の人物が権限を持っていて、独断で進めた可能性ぐらいしか浮かんで来ない。もしそうだとすると、長期間現場責任者だったことと、報告書での批判や部下証言などから、やはり宮良氏か、ということになる。

また変わった発想ということでは、10月16日記事”盛土無しのキーマン特定?”で紹介した長谷川氏の話がある。
<ただその後ですね、その担当の部長さんが、2回ばかり地下空間の話、駐車場にしたりするとか、資料もなくて延々としゃべってるんで、やんなっちゃいまして、一度多分口論したことがあって、・・・>
→この「担当の部長」が誰か。長谷川氏に聞けば分かる話だから、再調査になればすぐ判明する。なお、地下空間は提言無視になるから、そう易々と話さえも出来るものでは無いと思うが、その当時も宮良氏は責任者。

また、先日の新報道2001を見て自己コメントで書いた以下のような件もある。
新報道2001にて、市場長3名で盛土認識が違うことを紹介。時系列で、岡田氏・中西氏は盛土有り、一番後の塚本氏は盛土無しの認識。
番組では「M部長」を取り上げていない。しかし、報告書にある役職時系列を見れば分かるように、M部長退任と塚本氏就任は同時(2012年7月)。
M部長の後任者が市場長に正しい情報を上げ出したから、塚本氏は盛土無しを知ることができたのではないか」
→典型的な状況証拠だが、状況証拠も集まると信頼性が出てくる。

このように色々な面から総合して当ブログでは、やはり現時点でキーマンは「宮良氏」と見る。しかし、ご本人の公式否定という事実も大きい。結果的にPTによる再調査の必要性が高まって来る。小島氏がこれをスルーしたら鼎(かなえ)の軽重を問われることになると思うが、さてどうされるか。

なお、産経は第2次報告書公表の当日に以下のような詳細記事を出している。内容が的確な割に迅速すぎて、今までの例からすると、まずリーク記事で間違いないと思われる。それを前提に解読してみる。
①<当時、市場は同法改正の動きを注視。図面作成に携わった当時の担当者は調査に、上司から「土壌汚染が発生したら掘り返して浄化するスペースが必要」などと指示されたと証言した。>
②<2枚の図は約2年後の23年2月、市場から設計会社に示され、設計会社側は地下空洞の設置検討指示と受け止めた。3月の両者の打ち合わせでは市場側が「モニタリング空間の盛り土を中止することなどを考えている」と発言した。>
③<報告書によると、当時部長だった宮良真氏は、会議での自身の発言について「(モニタリング空間を)造らないのはダメだと言っただけ」と説明。ほかの出席者からは「『汚染が出たら掘削除去しに行く準備をしていこう』と力強い発言があった」などの証言があった。>
④<報告書は一連の流れの中で当時市場長だった岡田至氏、中西充副知事と、管理部長だった塩見清仁五輪・パラリンピック準備局長が担当者に報告を上げさせるよう指示するなどの立場にありながら、「必要な措置を講じず、職責を全うしなかった」などと断じた。>
⑤<発案者の特定には至っておらず、「決定者、事実を知り得る立場にあった者を特定することを重視しており、発案者を突き止める調査ではない」と説明した。>
→①~④は公表された報告書と資料の内容から来ている。特に①~③は宮良氏の実名まで出して、これまでの経過を大体分かっている人には、同氏主導を示そうとしていると想定される。これが報告書の真意とともにリーク者の意図になるだろう。

④も上級幹部の実名を挙げて「職責を全うしなかった」と厳しく断罪。しかし、①~③で主導が分かる宮良氏は、報告書では「特に」が付いて、より厳しく批判されているのに記事では批判の明記無し。

そして⑤はもっと不可解で、調査報告書は「結語」で以下のように記述。
<○本報告書においては、建物下に盛土をせず地下にモニタリング空間を設置したことに関する経緯と責任の所在を明らかにした
→結果的に、報告書には「発案者の特定には至っていない」という記述はなく、逆に8人の対象者を明示して、「経緯と責任の所在を明らかにした」と自賛。
これはどういうことか。推測すると、リーク者の意図ではないか。報告書では発案者(宮良氏)を特定しておいて、リークでは特定無しとする。発案者に対して、処分は他の人と差はつけられないし、マスコミにも詳細な実態は言わないが、「全部把握してるぞ」という警告ではないか。
ただし、警告だけでは余り意味が無いようにも思えるし、反撃も出ている。リーク者はこの事態は予測していたのだろうか。

ともあれ、現実的にも「反論書」をどう扱うかということになって、その内容次第でもあるが再調査実施の方が納得性が有るだろう。小島座長が動いていただけるか、推移を見ていきたい。

以上
[追記]
本文とは直接関係ないが、今までも適宜紹介してきた公開議事録で、他にも目についた箇所を当方メモとして抜粋(重複も有り)。基本は構造面で、後の方は全体的課題等も含む。参考用に時系列でご紹介。

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追記以上