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個人(M部長)の主導と組織の不作為

第2次報告書を見ていくと、どうやら「個人の主導」が大きかったのが豊洲問題の特徴かも知れないと思えてきた。
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「ミニユンボの絵入図面が日建設計に提示された時期と
作成経緯及び作成指示者宮良(みやなが)部長

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明らかに同部長が発端と分かる。更に同部長は在籍が長く、最終的決定に至ったとされる部課長会議も同部長主催で同部長の部屋で行われた。その際に、同部長は否定はしているようだが、上記の担当者証言からは同部長の強い指示があったことが伺える。しかし、同部長からは上層部に仕様変更の情報が的確に上がっていなかったために、市場長などで「知らなかった」と言っている人が多いと推察される。

つまり、同部長個人のキャラクターによるものが大きいように思えてきた。小池氏が先日説明したのは一般的要因の羅列(下図左)で、一般的だから今回もあったのは間違いないが、下図右のように同部長のところで情報が途切れていたのが盛土問題の特徴的要因だったのではないか。
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現場の方は組織長(同部長)の指示で動いているから、組織的には一体感や統制は保たれる。おかしいと思う職員がいたとしても、組織トップの指示には従うことになる。つまり、組織としては、同部長に対する監督が甘かった上層部も含めて、都庁全体で「組織の不作為」が存在したと考えられる。

しかし、同部長が上層部に変更報告を上げなかった理由は、報告書で見当たらないようだ。考えられるのは個人的キャラの影響。まだ不明確な点はあるが、「発案者は特定されていない」という一部事前報道とは異なり、報告書を読めば以下のように実態は明確。公務員の報告書にしては珍しいと思うが、身内(同部長)を名指しで繰り返し強く批判している。殆ど全項目において、定型句的に「特に市場整備担当部長については・・・職責を全うしていない」と記述。(実名も報告書最後の方の職務担当の時系列表にあり)

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内部調査として踏み込んだ内容と言える。しかし、同部長も処分対象者に入っているとはいえ、8人のうちの一人という扱いでインタビューの報道なども無い。これでは核心的実態が明らかにされないままで、結果的に実質隠蔽。同部長が、どういう人物なのか明確にすることは公益的事項になると思うので、文春や新潮等の(ほどほどの)活躍に期待。

なお、「モニタリング空間」についても報告書では検証されている。
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追記したように「合理的な解決策」という見方については、使いもしない「ミニユンボ用作業空間」を持ち込んだ点は不合理であり、全体を合理的とするのは見当違いの評価と思う。その上で今回の報告書を見ていくと、宮良部長という「発想が変わっていて思い込みが激しい?」人物の主導で、本来は「あくまでポンチ絵として試しに作成したレベル」(冒頭掲載証言)の話が、同部長が組織トップの間は残ってしまったと推察される。更に悲劇的だったのは、その後の人たちにも影響して「設計与条件と思った」という証言がある。結果的にポンチ絵レベルの「お試し検討事項」が設計上で最後まで残ってしまった。

実にふわっとした話であるが、報告書作成者は実態がほぼ分かったようで、前述のように各項目で同部長批判を繰り返した上に、更に結語でも責任者列挙の冒頭に持ってきて批判。ここまで特定している。
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これほどの大失態が個人のキャラに起因するとしたら信じられない話。しかし、逆に「信じられない理由だからこそ信じられない事態が起きた」のかも知れないと個人的には思えてきている。

また、突き詰めると個人のキャラになるのであれば、キャラは千差万別だから、根本的には「防ぐことが困難」という事態かも知れず、哲学的領域に入るのかも知れない。

以上
[追記]
10月16日記事”[都政42豊洲市場] 盛土無しのキーマン特定?”で取り上げた、「(技術会議委員)長谷川氏に地下空間やその利用の話をした担当部長」というのがM氏なら更に決定的になりそう。長谷川氏から今後証言有るか。

追記以上