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課題提起:地下空間は「地階」では?…立派な階段もあり

情報収集のために、たまに某巨大掲示板も見るが、次のようなスレッドがある。当然全部が設計者ではないだろうが、他よりは一応専門的な印象は受ける。此の中に興味深いコメントが有った。
<地下に土間設けると、階段まであるんだから階とみなされて、  床面積も対象になるから、土間打たなかったんじゃないのかと思ってた。 >

実際以下のように大勢の人が通れる立派な階段がある。しかも「ピット階」と明記。
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これは「地階」相当ではないか。そして地下空間は配管スペースだけでなく、モニタリングも3ヶ月毎に行われて来ている。しかも人が立って歩ける高さも有る。照明や換気は無いが、イメージ的には「地階」としても、普通の人は余り違和感が無いのではないか。(基礎に階段で入っていける方が本来の基礎のイメージから程遠いだろう)
法律的には地階の要件は以下のようになっている。

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天井高さの1/3以上が地下に入っていれば地階の要件を満たす。豊洲の場合は高さ4.5mとして、その1/3=1.5m以上は地下に入っているから要件に合致。その上で前述のように階段も有るし、人も歩けて、配管スペース以外の機能もある。

これは実態として、「基礎部分(フーチング)を他に例がないほど上下方向に拡大し、スペースを作って複数目的に使っている」ことになる。これを「基礎と見るのか、地階と見るのか?」という課題があるだろう。普通に考えて比較したら、「地階」のイメージのほうが近いという人も多いのではないか。

ただし、「どちらでも良い」というようなことも有り得るかも知れない。また判定が適切でない場合に法的問題が出るのかどうか。当方では判断がつかないので専門家のかたで見解お有りでしたら是非コメントなどよろしくお願いします。

それでも普通に見ると「地階」とする方が個人的には妥当と思える。例えば「地上5階」としているところを「地上5階 地下1階」とした方が、実際の姿に近いのではないか。そして基本は、「実態を表す表現」が一番適切と思う。ただし、用途から考える場合もあると思うので専門家の検討を待ちたい。

また、2009年1月図面で「地下階と見なされないか」と注記があった件との関係はどうなのだろうか。見なされないよう上手くやった結果が現在の姿ということだろうか。普通そのような時は「危ない橋」を渡っていることも多い。ずっと感じていた違和感が、点検口などではなく「立派な階段で入れる基礎」という見方で明確に浮かび上がった。

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さて、第2回PT資料でも地下ピットに関する整理がなされている。ここから、このところ書いてきている重機の件を更に検証してみる。
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まず、③<土壌汚染対策用「工事用ピット」にも利用されると考えられる」>から見てみる。都側がこっそり後から追加して、地下空間の正当性を示そうとしたと思われる資料の該当部分を昨日記事でご紹介した。再掲し、「重機」について整理。
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 ・「重機」の言葉は全くない
 ・汚染地下水浄化は「地下水管理システム」で行われ、それは重機を使うものではない
 ・「重機」で地下水汚染浄化する方法の示唆は無い(「掘る」・「掘削」等記載なし)

重機や使用方法の記述が無く、しかも現状空間には低い位置の配管多数。つまり、「工事用ピット」の必要性も工事方法も記載なく、現状使用不可の箇所多数。更に使われた形跡もなく、使う話も出ていない。こういう状況だから、<「工事用ピット」に利用される>とは書けないので、<利用されると考えられる>とぼかされていると思う。

しかし、日建設計がその場にいるし、都側担当もPTに呼べる。これまでの経緯は複雑かも知れないが、今どうなっているかは設計担当が目の前にいるのだから聞けば分かる。それなのに、「考えられる」と曖昧にしたままとは信じられない怠慢。

また、都側の調査報告書で<(重機のイメージ図は)「地下を活用した場合の簡単なポンチ絵として書いた」との証言がある>として、経緯を曖昧にする伏線が入っている。PTまで未だに「考えられる」にしていると、都側の隠蔽体質への協力とも見えてしまう。小島座長は会議の進め方と事実認定を見直して頂く必要があるのではないか。

なお、PTの方は、わざわざ地下空間の位置付け整理を行いながら、「階段で入れる基礎」に違和感を持たないのだろうか。都側の説明や申請がどうなっているかだけでなく、「異例のやり方で出来ている基礎」という観点からも課題分析が必要ではないか。整理された中の「基礎ピット…建物基礎内部の空間」とその使用は、すんなり問題なく認められてしまう見方なのか。

以上