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都側の「守秘義務解除遅れ」に関して

本日のフジTV「バイキング」(12分頃~)に、「飯島勲」補佐官が出演して次のように発言。 
<やっと3日かそこら前に日建設計呼んだわけです。こぞってガンガン責めたらしい。それに対して全部答弁した。それに対しては反論できなくなっちゃって全員が、日建設計の説明で。わかり易く説明した。>
→「やっと3日かそこら前に」と云うことで、都側の対応が遅いことをまず批判。当ブログも全く同感。しかし、ネット上では以前から「守秘義務」を言う声があった。

----引用&解説開始----
<森山の「日建設計でてきて説明してみろ!」という下品極まりない煽りに対して俺は「守秘義務がある以上、懸念事項に関しては施主である東京都には十分に説明する義務があるが、それ以上は何も言う必要はない」と言った。守秘というのはそういうこと。>(10月23日)
→東京都と日建設計守秘義務を混同させて、結果的に話を分かりにくくしておられる。日建設計は東京都に守秘義務を負っているが、東京都の守秘義務は例えば知事が指示すれば大抵のことは解除可能だろう。つまり、東京都が日建設計守秘義務解除した上で、都側と日建が同席すれば何の問題もない。これを求めるのが当然なのに、この方の主張は余りにもズレている。「東京都は解除可能」ということに触れない見解は他にも見かけた。

<当事者である日建設計が出てきてきちんと説明すれば、憶測で妙な話が出てくるとことをかなり消していけたはずです。もちろん、守秘義務があるので全部話せる訳ではないけれど、それにしてもずっと黙っているのはさすがにまずいだろうと。>(10月23日)
→この見解は、日建に出てくるよう促す点で①よりはまともと思うが、やはり都側による解除が容易なことについては触れていない。

<俗にいう公共プロジェクトというのはその性質や内容に限らず受注した民間企業に業務に対する「守秘義務」がかかります。今回のように、森山高至さんや高野一樹さんが工事に関する憶測やガセネタをメディアで流し、事実と違う内容が報じられても、東京都が問題を確認し対外広報してよいとなるまで、設計を担当した会社も施工を行ったゼネコン以下各社も、反論したくともできない、という状況に陥ります。>(9月17日ブログ
→検索した例の中で一番頓珍漢だったのが、また山本一郎氏だった。本来都側が「対外広報」を許可するか、都側との共同会見などによって、日建側の守秘義務解除を迅速に行うよう、都側に求めるのが筋だろう。しかし、「守秘義務が有るから設計会社もゼネコンも反論したくとも出来ない」という話にすり替えられている。同氏らしい。

結局①~③とも「都側の守秘義務解除が遅すぎる」という核心を指摘せず、結果的に設計会社の沈黙と都側責任の曖昧化に貢献している形。
----終了----

では、話の発端はと言うと、重要なポイントになったのは9月4日新報道2001。高野氏が豊洲建物に対する疑義を説明し、それを受けてフジTVが都側と設計会社に質問状を送った経緯が放送された。

----報道2001 9月4日抜粋----
高野氏:「私たちは技術者だから、一定のルールの下で仕事をしてるんだから、実際に設計された人にちゃんと反論してほしい。常識的な説明を受ければ『ああそうだよね』という話になる。そうしたら私も含めて皆さん安心できる」
フジTV:我々は設計会社と東京都に「地下を入れた6階建てとして構造計算すべきではないか」との声が出ている、との質問状を送った。
設計会社の答えは「契約上の守秘義務がありますので、申し訳ございませんが設計内容に関しては弊社が直接お答えできる立場にございません」.。
東京都は地震力の設定方法については、設計を委託した設計事務所の専門家の判断に基づいています」
都民が利用する施設の詳細な情報が開示されない。
----抜粋終了---

設計会社(日建であろう)は都側に振って、都は設計会社側に委ねるという見事なたらい回し(笑)
フジTVがしっかりした仕事をしていたのに都側は怠慢。迅速に論議が出来ていれば、そう間を置かず結論が得られたのに、ここまで時間がかかってしまった。

つまり、都側の責任が非常に大きいし、その裏に隠れる設計会社も問題。上記①~③のような方々は、都側がやる気になれば、すぐにでも守秘義務可能という、簡単かつ重大な事実をちゃんと認識できておられない。

もちろん都側による解除容易を理解しておられる真っ当な見解もある。僭越ながら当方も9月24日記事で以下のように記し、都側で権限の大きいPTによる究明の重要性に言及した。
<問題点が分かっていたのは「都側技官」らだけでなく、「設計会社」も可能性充分あり。結局N建設計が守秘義務の影に隠れて全く説明しないのは、新国立競技場の場合と同様になっています。大手設計会社の役割と責任について、会見でN建設計の名前も出した小島氏率いるPTが、どこまで突っ込んだ究明を行ってくれるか。>

また、元東京都職員の中央大学佐々木教授も次のように述べられていることを10月12日記事で紹介し、当ブログも全く同感。
結局小池さんも説明させていないんですけども、何故こういう空間の出来た建物を作ったか。東京都は正式に説明する機会が今無いんですよね。技術の粋を集めて作ったことは間違いないので、こういう趣旨で空間を作って盛土をやりませんでした、と。技術そのものの話をさせないと。>

→小池氏の責任にも言及しておられる点も同感。盛土無し発覚記者会見後、守秘義務解除を迅速に指示し、都側と日建が代表取材を受けるられるような形にすべきだった。都庁内調査にこだわったのは、出て来た内容で分かるように大きな間違いだった。すくなくともリオから帰国後に受け取った第一報が酷かったようだから、その時点で公開調査に切り替えるべきだった。

逆にPTは変な形での公開になった。小島氏が第1回会合で挙げた検討事項に市井の設計家の指摘が並んでいたことに対する違和感は当時記事に書いた。小島氏が敢えてそうしたことは、或る程度指摘の内容を事前検証して日建側に問題点を認めさせるための公開審議かと思ったら逆だった。それなら普通に参考指摘と扱って、別途日建及び都側との検討会などを設定すれば良かった。余りにもチグハグで意図不明。PTの進行見直しも必要だろう。
小池氏はこれら根本的課題に対応していけるだろうか。黄信号が灯りかけて、赤も間近い状況かも知れない。つまり緑は消えかかって来ているか。

また、また他の再検討状況として、例えば環境影響評価のやり直しや基準値超え地点の2年間再検査などを取り上げただけでも、延期期間の長期化と決断時期の不明瞭さにつながる。
飯島氏も東氏もこのような複雑な状況を知らずに、表面だけ見て、どうこう言っている。こんな人たちが前者は国の中枢にいるし、後者は元知事だったのだから空恐ろしい。ただ飯島氏の豪腕はある部分認められるが、東氏は豊洲問題で橋下氏とともに「目立ちたがりの軽さ」という本質が見えた。(ただ、東氏の方がホラや嘘は少ないかも知れない)

そういえば蛇足的になるが、石原氏は4期目都知事選に出るつもりが無かったという話がある。しかし森元総理から、「世論調査で東国原氏有利なので阻止するために出て欲しい」と要請されて出馬したという記事がある。
松沢成文(元神奈川県知事)が出馬宣言し、元宮崎県知事でタレントの東国原英夫も手を挙げた。しかし、自民党世論調査した結果、松沢では勝てないことがわかった。>

→やはり松沢氏では勝てなくて、そのままでは東氏になるのを、石原氏で阻止したのは本当のようである。色々事情は有るせよ、今豊洲問題で叩かれている石原氏も「東国原都知事阻止」では功績があったことになる。さて皆さんは、「そのまんま知事」と「石原4選」と、どっちが良かったとお考えでしょう??? 相当難しい選択。

以上