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現状全肯定派(山本氏・橋下氏・藤井氏)の検証

現状の地下空間を全面的に肯定する方々(以降「現状全肯定派」)の考え方について、当方としては不明な点が多いため山本氏以外も含め更に検証。まず改めて山本氏から。昨日記事の最後で以下記述を紹介した(追加再掲)。
<日々のテレビ番組の制作に追われている現場からすると、…「語れる専門家」を探したところ、お昼間や夕方などビジネスタイムのテレビ出演に耐えられるような「あまりパッとしない専門家」ぐらいしか出演に応じてもらえないことになります。
大規模構造物について現役で事実をきちんと語れる人は、事務所に所属して守秘義務があり日中は働いておられるからです。>

昨日も書いたように、森山・高野両氏(以下両氏)が豊洲問題でTV出演するようになったのは、「盛土無し」の指摘を早くから行い、その後コンクリート厚み指摘等も行って経緯を知っているからである。山本氏はこのような背景を当然ご存知だからこそ、「TVは昼間や夕方も出られる専門家がなかなか見つからず、たまたま使った」というような印象操作を行って両氏を貶めている。これは単に事実と異なるだけでなく、意図的な「嘘」のレベルである。

当方は思いの外、善人なのか(笑)、こういう堂々と嘘が付ける人のメンタリティは、どうにも理解できない面がある。そのため山本氏言説の意図が今ひとつ掴めていなかった。
しかし、今回山本氏だけでなく、橋下氏・藤井氏らも現状全肯定で押し通そうとしている傾向が見える。この方々の発言も検証してみた。
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・橋下氏…TVで、「書面を全部見る癖が有る」と豪語。中央市場HPだけでも膨大な資料があるから、ホラが入っているのはお約束だろう。しかし、番組で議事録を紹介していた第9回技術会議後の数回分ぐらいの議事録でも読んでいれば分かることを、真逆の認識をされていた。番組の主題にかかわることなのに、ごく一部しか読んでおられない可能性が高く、ホラを超えた「嘘」の範疇。
・藤井氏…TVで、「地下ピットの底が抜けている方が良いというのを何十人にも聞いたが皆そう言う」と発言。しかし、地下ピットの防水を知っている人も多いから、何十人にも聞いて皆が底抜けを肯定するはずもなく、これも単なる誇張を超えた「嘘」の領域。
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山本氏も含めて、このような発言の背景を考えてみると、もし全肯定派がつるんでいたらどうなるか。新国立競技場問題からの類推で、官邸あたりが豊洲問題も沈静化を狙って仕掛けているという見方も出来てくる。そうなると藤井氏は内閣参与で、新国立の際の和泉補佐官ともダブって見えてくる。ただし、豊洲移転は第一義的には東京都マターだし、小池氏という強力なリーダーシップがあるから、官邸や与党などが仕掛ける必要性は薄い感じがする。

では、そのような仕掛けが東京都側も含めて無いとしたら、なぜ表舞台に現状全肯定派が出現して、「嘘」が相当混じった無理筋の言説を振りまいているのか。思い当たったことがある。上記のように山本・橋下・藤井三氏(以下三氏)は、衆人環視のもとでも堂々と嘘が付けるようである。
真実を語るなら嘘をつく必要はない。嘘がつける人には、それでは面白くないのかも知れない。つまり、嘘がつける人は、その能力が発揮できる方に思考が流れて不思議ではない。

”本日の検証結果としての仮説…「嘘をつける人は、嘘が効果的な説を選ぶ」
 →現状全肯定説は、嘘も含んだ無理筋の論理で押し切ってみようとするには最適

また、それでも人それぞれの面は当然あって、橋下氏はホラッチョ、藤井氏はノーテンキのような印象を受けるが、山本氏の嘘は「ガチ」だろう。自ら虚偽を述べながら、他者を非難するのは滑稽の極み。まず己を律してからにして頂きたい。「アフィリエイター」として内容よりアクセス数ということなのかも知れないが、「嘘」は芸風で済ますわけにはいかない。

なお、一般の方々でも現状全肯定派はおられる。これは何故か。全体的なところまでは分からないが、当ブログでコメントやり取りさせて頂いた中には以下のような見解の方がおられた。
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・法令上、盛土は50cmで十分、盛土が無くてもコンクリート10cmで十分
・盛土は汚染土の封じ込め対策、ただし密閉性能はない
・盛土は都側が当初から4.5m行う予定だったもの。理由は津波対策の地盤嵩上げ
・汚染土はAP+2.0以上だけでなくそれ以下も除去。汚染土はない状態として専門家会議で提言され技術会議で工法が検討されて実際に実施された(もちろんゼロにしろという意味ではない)
・仮に残っていた場合でも地下水位をAP+1.8に封じ込め、排水処理して長期的に浄化する(地下水管理システム)
→ここから分かることは盛土は絶対的条件ではないということ。
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このご見解に関しては、特に<盛土は都側が当初から4.5m行う予定だったもの。理由は津波対策の地盤嵩上げ>という点に注目したい。
ネット上でも<盛土は嵩上げ用>ということを強調されている方がおられた。それを見た際に、都側と専門家会議が盛土に「一石二鳥」の効果を持たせていると感じた。「嵩上げ効果」と「汚染遮蔽効果」である。しかし、嵩上げの目的に気づくと、もう一つの「汚染遮蔽効果」の方をスルーしてしまっておられるのではないか。

あくまで一石二鳥と思う。盛土の遮蔽効果を都側も専門家会議も前提にしていた。しかし、それでも「嵩上げのみ」と認識してしまえば、盛土は建物外だけでも充分となる。建物下は盛土不要となって現状全肯定につながる。つまり、このご見解は上記三氏のような(虚偽も取り混ぜて)こねくり回した論理ではなく、盛土の目的及び揮発性汚染物質遮蔽効果の有無に関する認識の違いのように思う。

以上
[追記]
山本氏10月21日付ブログの内容は問題点が多すぎるので、検証追加掲載。長くなるので、ご興味有る方はご覧ください。
(1)<9月12日のテレビ朝日ワイドスクランブル』では、森山高至さんが「(豊洲新市場の地下には)4.5mの空間は必要ないと指摘し、工期短縮が目的だった可能性が高い」と言い始めますが、これまた豊洲新市場プロジェクトチームに入った大規模建築の大御所である佐藤尚巳さんがこの工法での地下空間を「作ったのは英知」と絶賛>
→佐藤氏発言は以下のように「恐らく3m或いはそれ以上」となっており、ベテランらしく伏線が入っている。
<2メートルじゃとても足りない。実際設計すると恐らく3メートルあるいはそれ以上になるのが適切な地下空間ピットの寸法です。>
→基本的には3mでも可能で、更に例えば3.5m程度まで考えたとしても、「4.5m必要」とは決して言っていない。やはり山本氏は佐藤氏発言をちゃんと確認してないのだろう。

(2)<また一般のマンションなどを手掛ける設計事務所の関係者らも「タワーマンションでは配管メンテナンスやその後の補修工事を容易にする目的でピットを作るのは当たり前。豊洲では高さ2m以上の基礎梁があり、ピット高さ4.5mといえ梁下は人が通れる程度の高さしかないため、配管の取り回しなど考えれば違和感はない」と発言しています。>
→本来は2009年1月の地下構造検討図B案のように、フーチング下部を地中梁で連結する設計が構造的に妥当と思われる。しかし現状空間は、基礎梁を空間上部に配置してあるために梁下を人が通れる構造になっている。その分佐藤氏見解のように「高下駄を履いたような」形状になっている。要は通常より不安定な構造。設計事務所の人にちゃんと現状を説明してから質問すれば、「例のない」・「高下駄を履いたような」・「特殊な」というような危険性を表す感想も出てくるのではないか。出てこなければ佐藤氏の見識が変ということになってしまうw

(3)<地下補修のために構造物の地盤の上から掘り進んでいって壁を壊すような設計にしないのは当たり前で、なぜこのような説明になってしまったのか大変気になるところです。・・・
協力していただいている有志の建設会社の方々は、日中は普通に勤務しておいでなので森山さんの出演番組でどのような解説がなされていたのかはご存じありませんでした。今回、検証のため各番組を確認してもらったのですが「なぜテレビでこんな程度の低い報道がされてしまうのか」と、みなさん驚愕しておられました。>
→有志の方々に地下の写真を見せて、低い位置の配管が多数有るところでミニ重機が移動・稼働できますか?と質問してみれば良い。「そんな程度の低いことを誰が考えたんだ?」、と驚くのではないか。 しかも上記では「地下補修」となっていて震災対応みたいだが、モニタリング空間での浄化という目的は一体どうなった。

(4)<地下に置いてあるミニショベルもなぜか最小サイズではないショベルのイラストを使用して「ミニショベルすら地下活動できない!」と不安を煽る理由が良く分かりません。>
→最小サイズで探すと以下が有って、確かに作業高さ1.85mで2m以下に収まる。しかし、配管は人の背丈より、もっと低いところもあり、ミニ重機使用や移動が考えられているか疑問。
イメージ 2

更にこんな用途が想定されているもの。
イメージ 1

<一家に一台スコップがわりに、小さなボディで大きな仕事。配管工事や別荘の庭園工事、ビニールハウス内や果樹園等、人の肩幅を基準に作られた車幅580mmだから、狭いところでもスイスイ工事が可能です。>
→スコップ代わり。別荘の庭園工事、ビニールハウス内や果樹園等。配管工事といっても、当然ながら豊洲のような大規模なものでは無い。
数メートル角の巨大フーチングが並ぶ、高さ4mか4.5mの広大な地下ピットの震災補修に最小サイズの重機で間に合うのか。また、2009年1月の地下構造検討図にも、「ミニユンボ作業空間 高さは3mは欲しい」と注記されている(モニタリング空間での浄化作業用)。最小サイズ想定では無いと思われるが、山本氏は多分見ておられないのだろう。

まだまだ有るが、全体として次のように書かれている。特大ブーメランではないか。
一連の発言を振り返ってみると、一般論で語れるところ以外はほぼ全部ウソというのは驚きでもある
→自らは棚に上げてここまで言えてしまうのだから、平気で嘘をつける人の心情というのは、やはり理解しがたい。

追記以上