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(続)隙間のない盛土(説明図改訂)

「建物下への隙間がない盛土が不可能」である件について、説明図を改良したので参考に掲載。専門家会議提言時とその後の現在につながる地下空間の2つの場合を示す。

(1)専門家会議提言(一様の盛土・・・状態「A})
イメージ 1


(2)地下空間(基礎や配管スペース等が含まれる…状態「B」追加)
イメージ 2

[考察]
明らかに状態Aと状態Bは異なり、”A≠B” 。
隙間の多さは A<<B となることも推察されるので、Bでは揮発性汚染物質の遮蔽性能はAに比べて低下する。
結果的に専門家会議が揮発性汚染物質も遮断するために前提とした状態「A」の一様な盛土を、配管や基礎構造が多々ある地下空間で実現することは困難(実質不可能)だった。

なお、以下は柱と梁の断面を例に取った、土を詰めても隙間が出来やすくなることの模式図。
他の例では2次元の塗り絵でも手で塗れば隙間なくキッチリ塗るのは難しい。それが空間だから3次元になる。しかも、塗るのはペンではなく土を詰める。物体が多い空間に隙間なく土を詰めて長期安定させるのは困難。

イメージ 3

以上
[追記]
以前にも紹介したが、以下のように第1回専門家会議で内山委員が「この建物が地下を持っていない・・・」と発言されている。
----第1回専門家会議議事録(P24)----
内山委員 この建物が地下を持っていないということで、少しはいいかと思うのですが、実はガスや揮発性のものですと、ちょっとでもすき間や亀裂があれば上がってくると。
-----------

これが委員の認識だった。建物下も地下構造がないから、地下としては建物外と同様になる。都側の説明がそうなっていたと思われるが、検討はこのような前提から始まっていた。提言の盛土が一様だったのは当然の帰結となる。

また、内山氏によれば、ちょっとした隙間もないことが想定されていたことになる。その是非は別としても、とにかくこのような認識だったことが議事録に残っている。

追記以上