kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

隙間のない盛土

当ブログでは盛土問題の「根本要因」或いは「根本事実」として次を挙げてきた。
基礎や配管等が多数ある空間において、数十年の長期間に渡り安定して隙間の無い状態を保てる盛土は実質不可能

これは盛土を出来るだけ密に詰めても、「基礎や配管等」に妨げられて、どうしても隙間(或いは空隙)が出来る、という意味であった、しかし、「土」そのものの隙間を意識されている方などもおられるようで、当方意図が上手く伝わっていなかった面がある。以下隙間の分類。
 (1)「土」そのものの粒子間の隙間
 (2)「基礎や配管等」に妨げられて出来る隙間

まず、専門家会議提言時の盛土は全体的に一様な状態。その際に(1)は前提となる。
イメージ 1

しかし、その後、建物下に色々な物体が入って隙間ができるという、(2)の状態は前提に入ってなかった。実際の写真から(2)のイメージを考えてみる。
イメージ 2

この空間に密に土を詰めるだけでも大変な作業だろう。更に各物体の形状は一様でなく凸凹等があるから、細かいところまでは到底詰めきれない。しかも長期に渡って隙間が出ないことが必要になるが、市場使用期間は数十年かそれ以上となる。

また、隙間の出来方や、揮発性物質の通り道がどうなるかは複雑で想定しにくいが、少なくとも専門家会議提言時の盛土の条件(上記(1)のみ)とは違ってくる。(2)が加わると遮蔽性能の低下は間違いなく、「どれぐらい遮蔽性能が落ちるか」という定量的見地よりは、まず「提言時の盛土条件と異なる」という定性的な問題が発生する。

更に提言時は全体に一様の盛土が行われることを前提に、揮発性汚染物質の出方等も検証した内容になっている。この検証もやり直しになる可能性が出てくる。

結果的に、都側が提言に沿って建物下の盛土を行おうとしても、「提言の前提条件とは違う盛土にならざるを得ない」という問題が潜在的に存在した。これが当ブログ基本認識で、結果的に「建物下の盛土は元から実質不可能だった」という見解になる。

以上ご参考まで。