kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

佐々木教授…「東京都は技術的説明を」

10月9日のTVタックルでは藤井氏に注目が集まったが、同氏の出番前に元東京都職員で行政学者の中央大学教授「佐々木信夫」氏が次のように述べていた。
イメージ 1

<一つ欠けているのは、結局小池さんも説明させていないんですけども、何故こういう空間の出来た建物を作ったか。東京都は正式に説明する機会が今無いんですよね。技術の粋を集めて作ったことは間違いないので、こういう趣旨で空間を作って盛土をやりませんでした、と。技術そのものの話をさせないと。
小池さんも申し訳ないですけども、その機会を職員から奪ったですよね。まず説明させた上で、それがどうであるかという評価は議論の上で色々展開していく。そこがスポッと抜けてるんです。(その後論議はなく、次のコーナーへ)>

藤井氏の言説より遥かに重要なことを言っておられたと個人的に思う。
 ・何故空間を作って盛土をしなかったか、東京都から正式に説明する機会が今ない
 ・技術そのものの話をさせる
 ・小池さんがその機会を職員から奪っている

当ブログの現在の趣旨も全く同様。丁度昨日「ch4*076」さんから頂いたコメントで更に説明できるように思う。コメント前半引用。
ここのブログを拝見したところ藤井教授が提起した豊洲が安全であるということに対してなんら反論が書かれてないようですね
たんなる手続き論の話ばかりして豊洲の風評を害してるだけ・・・>

→佐々木氏の述べておられるのは、「東京都に技術的な説明をする機会を与えるべき」であり、まさに「手続き論」ではないだろうか。

もし「ch4*076」さんが、この佐々木氏主張に賛同されるならば、当ブログも同趣旨。また、それであれば「手続き論」が風評被害を生むという話にもなってこないのでは。

ただし、「ch4*076」さんが佐々木氏主張に納得がいかない、或いは当ブログの内容が佐々木氏趣旨と違う、などの場合は又ご指摘下さい。
なお、当ブログでは手続き論だけでなく技術的内容や各種事実関係の検討なども実施しており、都側から説明がある場合に、説明内容が妥当かなどを検証する照合用にもなると思っています。

佐々木氏はもっと凄いことも言っている。
小池さんは、その機会を職員から奪ったですよね

これも当方が今一番気になっていること。昨日記事でも次のように書いた。
<小池氏が情報公開をもっと徹底する指示を出さないと、都庁のサボタージュ戦術に巻き込まれる懸念が、調査報告などでも強まった。解明が遅れるほど延期期間の見通しがつかなくなって、移転派に不利ではないか。或いは長期化で世間の注目度が下がった所で押し切る戦術もあるか。しかし、そのような手法ではなく世論が望む「よく調査して」を実現する方向で進めていくべき。>

情報公開をもっと徹底する指示」というのは、守秘義務などに囚われすぎないで、設計会社も含めて技術的内容を情報公開するよう指示することが、トップである小池氏なら可能という意味を込めている。
小池氏は今や強力な力を持ち、職員は指示を受ければ守秘義務なども弾力的に運用する。しかし、それを今やってないのは、逆に職員の説明機会を小池氏が奪っていることになる、というのが佐々木氏論旨と思う。

また、9月16日の資料アップも、都議会委員会で都側は「小池知事の進める情報公開に沿って準備ができたものを公開した」とはぐらかし答弁。こういう点も小池氏自らが本当のことを話すように指令を出す必要がある。ただ、技術的素養がないと話についていけなくて、指示も出しにくい面はあるだろう。

このままだと、昨日書いた< 早くも小池氏の強運を持ってしても乗り切れない事態到来の予感もする >も、あながち間違いではないかも知れない。
また、この時期に小池批判をさせた番組制作側もどのような意図があったのだろうか。

以上
[追記]
ate**ergo*さんから追加でコメントを頂いたので、こちらで返信。
①隙間のない盛土が可能かどうかに関して
→ate**ergo*さんは、「基礎や配管などがある状態で数十年にも渡って安定して隙間のない盛土が可能とお考えでしょうか?」 これによってその後の論理が変わります(②と③)。

②隙間のない盛土が実質不可能とお考えの場合
→当方認識と同じになると思います。「不可能だから出来なかった」という当たり前の話になります。ただ、もしかすると根本要因の「要因」という言葉に引っかかりを感じておられるのかも知れません。その場合は例えば「根本事実」としていただければと思います。「実質不可能」を肯定される場合は、「根本事実」としてそれが有るということになります。

③隙間のない盛土が可能とお考えの場合
→具体的実現方法の構想などありましたら、概要やアイデアでもお教え願いたいと思います。ただし、当然ですが工費や工期が幾らかかかっても、という手法だと成り立ちません。

④<見立てが間違ってると考えた方が、しっくりくるような気がしてなりません。>の件
→②③に絡みますが、更に端的にお聞きしたいと思います。「見立て」というのは以下のどちらのことでしょうか?
 (ⅰ)隙間のない盛土が実質不可能
  (ⅱ) 隙間のない盛土実質不可能が、地下空間が出来た理由になった
これに関して当方も検証を随時進展させており、「隙間のない盛土実質不可能」以外の理由で盛土無しになった場合も検討して記事にしてありますので、次項でご紹介。

④「隙間のない盛土実質不可能」以外の理由で地下空間ができた可能性
10月9日記事で検証を行いました。
その際に以下の(1)~(3)の可能性を挙げました。(2)は「盛土実質不可能」に起因するものです。
------
(1)担当部署内で誰かが「モニタリング期間中(2年間)に基準超えした場合の対策」にこだわった
(2)建物下の盛土不可能を認識していて何とかしようとしていた
(3)その他
------
(1)に関しては、専門家会議や技術会議の議論を反してまで、モニタリング期間の対応を重視した職員などが実際にいたのだろうか?という疑問があります。しかも、盛土無しへの変更を周知しないで実施してしまったら、やった人の責任になります。責任回避が習い性の公務員がそこまでやるかと云う疑問が残ります。

(3)に関しては、此の記事の時は具体的に思いつかなかったですが、日刊ゲンダイがコストの問題で盛土をしなかったのではないかという推測を出しています。ただ、これは日建設計が提案した「盛って掘って」の部分を指しているようですので、コストが影響したかどうかは現時点では未解明。
なお「盛土出来ない、或いは、しない」理由がいくつかある場合、都側がどの理由で盛土無しにしたのは、今のところ不明。解明のためにも本文のように都側の技術的説明が必須。また、他の要因で盛土無しになっても、隙間のない盛土が実質不可能なら、潜在的にどうやっても盛土出来ない理由になります。これを当ブログでは「根本」として表現しています(表現の仕方は人それぞれと思います)。

⑤貴殿のお考えになる「地下空間ができた理由」はどのようなものでしょうか?
→お聞かせ願いたいと思います。

⑥<「隙間のない盛土が実質不可能」であると分かっていたとすれば、そもそも隠す必要さえないと思うのですが?>
→これに関しては、専門家会議の提言が盛土有りで出てしまって、技術会議も進行している中で、もはや言い出せなかったのではないか?と云う推測をしてみました。後から言い出せなくなったというのは、よくある話ではないでしょうか? ただ、この辺の詳細は情報が出てきていないので推測も困難。

また、結果的に都側は盛土無しへの変更を隠していた、或いは周知していなかったのは事実です、貴殿はなぜ都側がこのような対応をしたとお考えでしょうか?

⑦<どうしてもユンボの出番を作りたいようですね。>の件
→これは全く誤解をされておられるようです。当方はユンボの件が地下空間が出来た理由とは思えないということをずっと書いています。例えば10月4日記事にあります。
現状の地下空間は人の背丈より低いところもあり、ミニでも重機の使用や移動が難しそうです。
イメージ 2

ちなみに、このような現状空間でも、貴殿はミニ重機の使用のために造られているとお考えでしょうか?

⑧<「安全だけど安心ではない」・・これにつきるのでは? >
→次項との関連で、当ブログでは此の観点からの検証は現段階では行っておりません。

⑨<素人意見ですが・・>
→まさにこれにつきると思っています。汚染系については当方も全く素人で、知識はありません、「物」を相手にしてきた当方の技術常識では測りにくいところがあると持っています。その点では同じく物を扱う建築関係の場合とは状況が違うという認識です。

それで昨日頂いたコメントの返信に書きましたが、再招集された専門家会議、特に平田座長の進め方が重要になると思っています。それがまだ殆ど情報が出ていないので判断も付きません。
しかし、小池知事が再招集したのですから、専門家会議の結論や提言は小池氏にとって非常に重要な判断材料になることは間違いありません。逆に一般の人の議論は余り影響を与えないのではないかと思っています。それで当ブログでは専門家会議の情報待ちにしています。

なお、同会議の提言にある揮発性物質の検証結果はご覧になられたでしょうか。
非常に綿密な計算や調査が20ページに渡って報告されています。これは盛土ありですから、藤井氏は「安全」とおっしゃるなら、独自に盛土無しで専門家委員会に匹敵する、或いは凌駕して「安全」の根拠を証明できているのでしょうかね。
しかし、少なくともTVタックルでの発言やブログ等では、そのような証明があるというようなことは書いてないように思います。結局タックルでは地下水という液体の話をして、揮発性汚染物質の話はしていないのに「安全」と言っていたわけです。無責任発言と思います。
昨日記事で書きましたが、推進派の杜撰な論理の方が移転を危うくしかねないと感じます。

追記以上