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A’案(1F床下に基礎梁あり)の検討

まず昨日コメント欄に書いたように日本テレビ羽鳥慎一モーニングショー」に森山氏と高野氏が出演されていた。該当部分がyoutubeにある。

以下は昨日コメント欄の自己補足を転記。
<構造問題が主題の回で、高野氏は自ら構造計算してみた結果、耐震性の「保有耐力」が1か、1を切っている可能性も有るとの衝撃発言。都の指針は1.25だから、もしこれを下回るだけでも影響が大きくなる。PTは検証を急ぐことが求められそう。
また、森山氏は地下構造検討図の「地下認定を避けたがっていた」と受け取れる注記に言及。これも、もっと追跡していくと、前述の耐震性懸念以外にも何か出てくるか。>

このように、耐震性で高野氏が1.25どころか1を切るかも知れないと思い切った発言。森山氏指摘も構造面に影響あったかも知れない。今後構造問題が急浮上してくる可能性ありそう。

なお、番組中で構造説明用に下図の左側二つが使われていた。両氏指摘を更に一般向けにするために、右側の「簡略化概要図」のように、本体建物と擁壁が切り離されている現状を明確化すると、建築知識のない人も一目瞭然になってくるように思う。ただ、インパクトがありすぎて「え゛ーッ、そんなことになってるの?」と驚愕のあまり椅子から落ちたりする人がいるかも知れないから、見せる際には注意が必要か(笑)

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ところで、上図には地下空間天井(現状での1階床下…以降1F床下)に基礎梁が描かれている。これと調査報告の2009年1月13日付資料図面を比較して再検証してみる。というのも、下図で「A案推奨」という趣旨の注記があるが、同案の表題は「A案(地中梁無し)」となっている。つまり、A案は地中梁(基礎梁)無しで作るつもりだったのだろうか。

イメージ 3

ただ、A案の1F床下に斜線の入った部分がある。A案では、ここを基礎梁にしようという目論見だったか。そうすると上掲テレ朝図右2つと同構成になる。しかし、B案も同じ描き方になっている。
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更に、B案には地下空間下部AP+2mより下に「地中梁」がある。よって、1F床下には地中梁(基礎梁)が無いと考えられる。これからすると、1F床下が両案とも同じ描き方ということは、A案の1F床下も地中梁(基礎梁)ではないことになる。

ややこしくなってきたが(苦笑)、結果的にA案は地中梁(基礎梁)が本当に無いという構造なのだろうか。しかし、幾ら何でも基礎梁なしの構造は採用しないと思われる。そう考えると、最終的にはA案の1F床下に基礎梁を追加したもの(仮に「A’案(Aダッシュ案)」)が採用されたのだろうか??? 或いは、やはりA案の1F床下が基礎梁になっているか。 だが、平面図も併せて見ると、B案はフーチング間に地中梁(基礎梁)があると見えるが、A案には何も無いから、A案は基礎梁が無いと考えるほうが妥当なようである。

作業空間高H=3m必要としたミニユンボをH=2mの空間でも描いている無理さなども含めて、分からないところが多い検討図面であるが、一つ新たに考えたことがある。このような混乱状態は、「盛土不可能」に気づいた誰かがモニタリング空間創出と併せて対処できないか、と目論んだとする。そしてミニ重機まで持ち出して盛土無しの方向へ理由付けをしようとしていたからではないかと当ブログでは推測してきた。

しかし、まだこの時点では「盛土不可能」に気づかず、純粋にモニタリング空間設置と万が一のための重機使用可能化を検討していたのかも知れない。それが「盛土無しにする理由付け」としては後々まで残ったが、重機の方は使用できるようにすることも困難だし、使用する機会も効果も想定しにくくなって立ち消えになったのではないか。そしてA案の1F床下に基礎梁を追加したA’案に収斂して今に至ったのではないか。

もし、これなら予想より後まで「盛土不可能」に気づかなかった都側担当者や上司のレベルは相当問題あり。ただ、結果的には何処かの時点で気づいた人はいると思われる。PTでは事情をよく知らなかった「盛土無しの承認者」より、「盛土実質不可能の認識者や盛土無しの発案者」の方に早く辿り着いて経緯解明につなげていただきたい。

以上

bh