kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

調査報告書2…変化点は第1段階より前にある

小池知事は会見で以下のように、「『盛土をしない』ということが段階的に固まっていったので、ピンポイントで示すことは難しい」という趣旨を述べた。
イメージ 1

しかし、当ブログで検証してきた初期段階の最重要要因二つが、報告書ではスッポリ抜け落ちている。
------
(1)技術的要因…基礎柱や梁等が多数存在する状態で、揮発性汚染物質(ベンゼン等)の遮蔽性能保持のために隙間なく建物下に盛土を行うのは技術的に難しく、更に市場使用期間の長期に渡って安定して隙間無しを保つ必要があり実質不可能(元からの根本要因)
(2)人的要因…都側は、建物下の盛土が困難にも関わらず、建物下も含めた盛土を専門会議に諮問してしまった。それに沿った提言も出たが、実際は盛土不可能なため盛土無しに方針変更せざるを得なかった(報告書第1段階の前)
------

これをそれぞれ「根本要因」、「第0段階」として、小池氏が説明した報告書に有る第1~5段階に付け加えてみる。

イメージ 2

このように報告書の第1段階の前に既に変化点があるのだから、第1~5段階の経過を掘り下げても二次情報的になってしまう。

また、第0段階は資料に明確に残っているのだから、精査した都側調査でも認識されているのは確実と思うが、結果としては報告書に全く記載なし。都側責任を明示する最重要事項の抜け落ちは、隠蔽とも断定し難いが、隠蔽でないとも言いきれず、一体どう捉えるべきか(苦笑)

隠蔽云々は別としても、報告書が肝心なことを伝えていないのは間違いない。これを端的に言い表すには、言葉として違和感を持たれる方もおられるようだが、「都側の壮大なマッチポンプ」と表現するのが分かりやすいと思う。特に年代的にも小池さんへの説明としては、核心を理解しやすいのではないか。

ただし、更なる核心である「隙間のない盛土が実質不可能」の件はなかなか理解されにくいかもしれない。それでも変化点の頃に担当していた関係者に焦点を絞って追跡していけば、経緯は明確になってくる。

例えば、第8回技術会議で「2年間のモニタリング」や「建物下の作業空間」という言葉を出して説明した都側担当者や、説明の基となった「地下水管理について」という資料を作成した人などが確実に存在する。ここから時系列を遡って順に辿っていけば、変化点の時期とその理由も相当解明できると思われる。

しかし、報告書は第1段階から後を主に辿っている。ポイントがズレていて、これではなかなか特定に至らないのも当然で、恐ろしいまでの認識のズレ。隠蔽でないとしたら、都庁が全力を挙げても「変化点」の見方が分かっていない事になって、情けない限り。

以上