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擁壁で見えていなかった地下ピロティの図

構造専門家の高野氏が、少し前になるが9月16日TBS「ひるおび」に出演の動画がYoutubeにあった。

ざっくり見たところ内容の濃い回であったが、その中で同氏が「地下水管理システム」の図にある建物の絵に対して以下の発言あり(8分ぐらい~)。
 ”グレイの部分は、壁は本体の壁ではなく擁壁なんですよ”

簡潔だが重要な指摘で、当方はずっと感じていた違和感が解消した。下図の建物下部にあるグレイの部分とその上の色の違いが違和感の元だった(皆さんの中でも同様に感じていた方もおられると思います)。
地下部分を表すなら同じ色で線だけ引いても事足りるのに色を変えている。その実態は「擁壁」だった。
イメージ 3

地下も同じ色にすると、地下はピロティ構造なので実態を表さなくなるから擁壁を使ったか? 仮に擁壁を外してピロティ状のイメージを当方でざっくり付与してみた(以下左図)。
イメージ 1

右図は加えてピロティ内全体に盛土したイメージ。しかし、実際には盛土が無いから、公式図に盛土を描くわけにはいかない。もし、このような擁壁無しの図が出ていれば、描き方にもよるが盛土無しに気づく人も出てきていたかも知れない。

これは、以前から紹介している技術会議第18回の説明図が変更されている件(下図参照)も併せて、「都側の隠蔽?」という疑念がまた湧かざるを得ない。

イメージ 2

ただ、上記擁壁の方は「隠蔽ではない」と主張されれば崩すのは難しそうだが、第18回の図は隠蔽目的の変更としか考えられない。今週出るという報告書で、これらだけではない可能性もある「隠蔽」がどう扱われるかも注目ポイント。スルーなどしたら、都政大改革の困難さが早くも見えて来ることにもなりかねない。

なお、これだけの事態になるキッカケを作った、豊洲地下の「ギャランドゥ」じゃなかった「がらんどう」指摘の件。どこが最初だったのかと思っていたが、先日共産党大山都議が「共産党は8月25日に気づいた」と言っていた。マスコミは、共産党日刊ゲンダイの記事が最初としているようで、調べてみるとゲンダイは8月21日の以下記事と思われる。

これに対して前述の高野氏は、もっとずっと早く少なくとも7月28日にツィートしていた。
豊洲の床下ガランドウ問題のポイント> 2016年7月28日 
ネットも含めれば、高野氏指摘が一番早かった。

以上
[追記]
コメントでも書いたが、昨夜のフジTV「Mr.サンデー」で盛土問題に関する注目すべき報道が有った。

これによると「市場内連絡通路と高架一般道路の高さが干渉するため、盛土を無くして地下空間を作り、対処したのではないか」という指摘。森山氏・高野氏・水谷氏という、本問題に詳しい専門家の検討結果。

これを別観点から考えてみると、当ブログで以前紹介した次の資料で「高床式」という言葉が多く(20回)出てくることが気になっていた。
豊洲新市場実施計画のまとめ”平成17年(2005年)9月 東京都

しかし、最終的には高床式では無くなっていたので違和感があったが、道路の高さ干渉で地表の高床式を諦めて、地下を高床構造にしたのではないかという指摘は納得性があるように感じた。
ただし、これだと分かりやすい理由になると思われ、何故都側が早く認めて公表・謝罪しないのかという点は不可解。今週の報告書で、どうなるか。

なお、当ブログでは、これまで記事にしてきたように、「建物下の盛土は元々無理な仕様だった」という事情が底流に有ったと考えている。もし、道路干渉がなくても、以下のような壮大な無駄は結果的に行われなかったと推測。「建物下の盛土は無理」と早く見抜けなかった都側の問題は大きすぎる。

イメージ 4

追記以上