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擁壁の向きがバラバラ、及び「外周部気密性」

「HALL」さんから、「擁壁の向き」について先日次のコメントを頂いている。
 <2016/9/22(木) 
擁壁の件ですが、水産卸売棟を除いてその向きがおかしいんです
L字擁壁を横から押すイメージで見ていただければ事件簿さんならすぐわかると思いますよ
不思議なことに卸売棟の向きだけは正解ですが、そもそも3棟の図面がバラバラなことに設計のドタバタが透けて見えるようです>

この「HALL」さんご見解を基に以下の内容は書きましたが、その後「ロバ」さんから次のコメントを頂いています。
 今後専門家の方々の論議を期待)
 >擁壁は、L字の逆L字も両方有りですよ。場所によって条件が違うため
 >使い分けているのでしょう。問題ないと思いますよ

(更にその後ペコさんからもコメントを頂き、「6街区については構造図で5街区と同じ向きになっている」とのこと。7街区については言及無し。7街区構造図は未入手かも)

ーーーーーー
上記お三方のコメントを踏まえた上で以下本文お読みください。(その後更にコメントを頂いているので、コメント欄の方もご一読下さい)

まず、擁壁に関して以下のようにフーチングの向きが決まる模様。

イメージ 1

これに照らして、中央市場HPにある各棟擁壁の向きを判定してみた。
(上図及び写真と同様に、擁壁の左側に土壌が来る位置関係で以下の各図を切り出してある。ただし、管理棟の図面には該当位置に擁壁が見当たらなかったため、反対側の擁壁の図を左右反転して向きを合せてある)
イメージ 2
これを見ると確かにバラバラで半分は「X」。しかも7街区は、同じ街区内で相反。後は専門家の検討に委ねたいと思う。

ただし、当方が見ても上記「擁壁概念図」によるフーチングの向きの原理から、このような判定結果には設計に対して疑問が湧く。しかし、最大手設計事務所で本当にこんなことが有り得るのだろうか・・・。それでも、これは当方ではなく専門家と推察される「HALL」さんのご指摘。

新たな疑問点がどんどん出てくる感じで、一体どうなるのだろうか。

以上
[追記]
昨日記事の「盛度無し」の件で、東京都の規程(指針)上は「盛土とコンクリートのどちらか実施で可」ということを書いた。また、その規程をご存じの方も多いために次の見解もネット等で多く見られる。

”地下空間の天井(1階床相当)が規程を大幅に超える厚いコンクリートになっているから、盛土無しでも実質的には問題ない”

しかし、本文で取り上げた擁壁部分を見ると、気密性を保つ設計になっているかどうか不明。盛土無しでコンクリートのみとなれば、気密性が要求されるのは当然。しかし、地下空間はご存知の通りピロティ形状で壁は別体の擁壁になり、通常の地下室のように頑丈な箱状になっていない。

既にマシンハッチの隙間は明らかになったし、都議らが地下へ入った入り口も気密性有りとは見えない。
加えて地下空間外周では、それらと比較にならない長さでの気密性保持が必要。(そういえば都の職員も雨水が入ると言っていた笑)
保持対象はコンクリートと外周部の継ぎ目になり、接続部の気密性を保つというのは難題。耐候性や長期安定性も考慮する必要がある。(規模と構造からして技術的に不可能レベル?)

こうなってくると、「気密性が弱くても土壌対策を行ってあるから実質問題ない」という方向に持っていくか、「改修」するかという選択になってきそう。前者は「本当に大丈夫か」という論議が出てきてしまう。後者の改修は当然工期と工費がかかる。特に工期が長くなると延期が長期化して補償問題や築地の補修など色々課題が出てきて混乱必至。また適切な改修工法が迅速に見つかるかという技術的課題もあるだろう。

外周部気密性保持は相当深刻な問題になるかも知れない。(盛土実施は平田座長も困難と言っておられる)

追記