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内閣改造と五輪関連大臣交代

昨日「改造内閣」が発足した。主要閣僚留任で「安定性重視」の評価も出ているが、少なくとも五輪関連では驚くべき人事のように思う。
内容的には、五輪担当を始め、五輪と密接に関連する計3大臣が交代した。
 (1)五輪担当大臣 遠藤利明氏 →丸川珠代
 (2)文科大臣 馳浩氏→松野博一

まず、五輪担当大臣は二日後の8月5日にリオ開会式が迫った時期のすげ替え。それでも丸川新大臣は4日午前リオに出立するようだが、余りに慌ただし過ぎるし、昨年遠藤大臣が就任してからの蓄積も生かしにくい。例えば新国立競技場の聖火台は、開会式の演出を含めて検討することになったが、検討の取りまとめを担当したのが遠藤前大臣。しかし、新大臣は経緯をよく知らないままでの開会式視察になってしまう。

また、遠藤氏はスポーツ関連の議員活動を長くやって来た実績があった。丸川氏は、公式サイトを見ると厚生労働関係の経歴が多く、昨年も「参議院厚生労働委員会委員長」から環境大臣に就任している。遠藤氏の手腕に大きな疑念が有ることは確かだが、丸川氏も環境大臣で失言をして問題になっていた。これでは「どっちもどっち」という感じで、今のところ変えた意味が分らない。丸川氏はTV局出身で広報担当には良いという声も出ていたが、広報より具体的推進の方が今の大きな課題であり、ピントがズレた話と思う。

文科大臣に関しても、前任の馳氏では元プロレスラーだが、アマレス時代にはロス五輪代表であり、スポーツや五輪に親和性が有った。しかし後任の松野氏は 文科副大臣の経験はあるが、HPでもスポーツ関係の実績等はほとんど見当たらない。結果的に松野氏は当選6回の大臣待機組だったので、その対応で入閣となった可能性が高い。しかし、馳氏はそつなく手堅い仕事ぶりで今後も期待できたと思われるのに、短期間で交代させることが適切だっただろうか。

ただし、遠藤氏と馳氏の両方を見てみると、森元総理の人脈につながり、端的に言うと「子分筋」という位置づけと想定される。この両名の交代が、本丸である親分の「森会長交代」の布石なのかどうかが気になるところ。官邸、特に菅官房長官の肚の内はどうなっているだろうか。また小池新都知事が本日安倍総理と会談予定とのこと。森会長処遇を含め、すぐに方向性が固まるかどうかは別にして、今後官邸と小池氏、そして森会長を加えた関係がどうなっていくか。

五輪に直接関係する大臣は上記2大臣だが、テロ対策は世界的なテロ多発状況の中でますます重要な課題となり、その担当は国家公安委員長で、今回河野氏から松本氏に交代。
これで五輪関連三閣僚が全て交代。官邸は五輪推進をどう考えているのだろうか。報道でもまだ余り注目されていなくて、都知事選時の丸川氏による小池氏への「口撃」で関係がどうなるか、ぐらいしか出ていない。そのような確執自体は政治家同士で上手くやれると思うが、前述のように官邸の五輪推進支援姿勢に疑念を抱かせるような閣僚人事が今回行われた。

なお、河野氏は「新国立競技場問題の口封じ」も考慮して官邸が取り込んだと当方は見ていた。それを解き放つと、河野氏は党に戻って再度五輪関係で吠えるのだろうか。この辺も官邸の思惑が分らない。新国立競技場問題も新計画移行で表面上は沈静化しているから、もはや待機組処遇を優先したか。ただ、河野氏も短期間で降ろされて、そのまま黙っている人物ではないだろうし、五輪関係だけでもまだまだ課題が多いから強烈な発言も出て来る可能性あり。

また、国家公安委員長人事に関しては、先日当ブログでも触れた「平沢勝栄」氏は警察官僚出身で当選7回。松本氏は民間会社勤務から横浜市議を経て政界入りし、当選6回。経歴や待機状況から言えば平沢氏も有りではないか。

また、平沢氏は都連総務会長として、増田氏推薦の党本部方針に沿って推進も行っていた。それでも初入閣ならずだったから、Wikiで参考情報を探してみたら、平沢氏の公明党批判の経歴が書かれている。
公明党批判
自民党所属議員でありながら、自公連立政権には極めて否定的であった。2000年の第42回衆議院議員総選挙に際しては、自由民主党幹事長の野中広務から、公明党批判を一切行わない旨の誓約書を提出するよう求められ、自民党小選挙区候補者で公認が内定したのも最後であった。しかし、平沢は選挙戦中から盛んに公明党を批判し、公明党も平沢を落選させ山口那津男を当選させるべく、猛烈な落選運動を展開したが、両者の「与党対決」は平沢が勝利した。>

結果的に、東京17区で2度にわたり、よりによって山口那津男公明党代表と選挙選を戦い落選させている。これでは自公連立である限り閣僚は難しいのかもしれない。
それなら小池氏を支持しておけば、若狭氏のように男を上げられたと思うが、自民党でつつがなく終わることを優先したのだろうか。政治勘の問題と云うことになるのかも知れない。

以上