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不正解明の手掛かり「ガイアの夜明け」

以下の記事が出ていて、「不正の構図 」が図示されている。(①~③等当方追記)

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[記事抜粋]実車試験で走行抵抗は小さくなるとの見通しに基づき、性能実験部長が同年9月の会議で「目標は達成」と報告。同年11月の実測では思うような結果が得られなかったのに、次の会議で販売や生産を含めた車種の全責任者、プロジェクト・エグゼクティブ(PX)が29・2キロまで引き上げるよう求めた。
  MAEと本社性能実験部の管理職は、走行抵抗が小さくなるとされる温暖なタイでの試験を計画。MAEが13年1~2月に現地で試験を行ったが、ここでも29・2キロを達成できるような値は得られなかった。MAE管理職が相談したところ、本社の同部管理職は有利な値を抽出してデータを算出するよう指示した。MAE管理職は「過去の経験から目標達成は厳しい」と疑問を抱いていたという。

今まで三菱会見等で色々な情報が出ては訂正されたりしていたが、この記事は相当踏み込んでいるように思う。それでも構図にある該当者が実際に特定されているのかは不明だし、曖昧な部分も多いので5月18日に出るという報告書を待ちたい。

ただし、今回の不祥事解明に当たっては重要なポイントがある。「ガイアの夜明け(2013年5月放送)」の映像である。燃費不正が行われた時期の詳しい映像が残されている。過去にこのような事例は殆どない特殊な状況ではないか。もちろんTVなので、後から撮り直していたり編集も有るかも知れない。しかし、開発責任者が実名で登場し担当者も多く出ていて、取組み手法なども分かる貴重な情報。不正解明はここから始めて、上層部に迫っていけるのではないか。

ネット上で映像自体は削除されているが、一昨日紹介したものとは別の同番組抜粋がある。当ブログでは登場者のマスキングをして、他のサイトからの画像追加も行って燃費向上取組みの経過概要をまとめてみた。

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NMKV開発リーダーU氏が燃費試験にも立ち会っている(実際にもこうだったとしたら技術者として立派な態度)。これまでの三菱会見では「燃費試験は三菱自動車側で行った」ように示唆している。しかし、試験が行われたのは三菱(岡崎)で測定作業はMAEだったとしても、NMKVの開発リーダーが主導している映像証拠が残っていることになる。それでも未だに隠し立てする三菱の体質には呆れるが、マスコミも会見に大勢集まって的確に追及できていないのも情けない(苦笑) やはり日産には広告面で遠慮も有るか。

なお、上記朝日の図で①「開発PM」が、「高圧的な言動」と書かれている。NMKVの技術トップは以下の二人で、いずれもNMKV発足の2011年に三菱から「休職派遣」になっている。
 ・Y氏(最高技術責任者)…ランエボなど開発
 ・U氏(次席最高技術責任者)…「ガイアの夜明け」によると軽開発一筋でNMKV開発リーダー

①は、この両者のどちらかなのだろうか。なお、やや不思議なのは年齢で、Y氏は一昨年定年、U氏も2013年に58歳だったので昨年定年を迎えていることになる。特に58歳のU氏が開発リーダーをしていたのは大いに違和感あり。能力は有るとしても、開発終わったらすぐ定年ではノウハウの継承からしても、もったいない。もっと若い人にリーダーをやらせるのが常道のように思える。ただ、会社によって考え方は違うから、重要な合弁会社の技術責任者No.1とNo.2ともに定年間近の人を送り込むというのは、それほど手堅くやろうとしたということだろうか。構図の三菱自動車本社②③などやMAEとの関係も含め、全体的な社内事情がどこまで解明されるか。

また、昨日記事でも紹介したように、日産はCMで燃費測定場面を出しているぐらいだから、実際にも日産社内で当初から測定していたのではないか。当方の経験からすると、ダブルチェックする方が常識的対応と思う(中には手を抜く例も見たが)。「日産側がいつ燃費測定がおかしいことに気付いたのか?」も検証必要だが、日産側は対象外とされる可能性も高そう。

色々検証課題があるが、5月18日の報告はどのようなものになるか。

以上