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知財問題に関する「三木 学」氏ご見解

三木学」氏と云う方が、新計画コンペについて論考しておられるブログが有った。三木氏(1973年生)はアマゾンの著者紹介で見ると「文筆家、編集者、色彩研究、ソフト開発企画他」となっていて、建築関係の著書も出しておられる。
当該ブログは「新国立競技場再コンペ」(1)~(7)まであるが、知財の話が出て来る(3)以降のリンクを示す。基本的に同意出来る内容で、例えば以下(3)~(6)の引用部分は同様の見方。若干異なる部分は、特に(7)のZHA位置付けで、当方認識は証明資料をこれまで提示済み。

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<A案は主にスタンドをザハの案を基盤に、外壁と屋根を工夫したもの>

<再コンペの要綱に、「第三者著作権などを侵害するものではないことを発注者に保証する」とあったとしても、一義的には事業者が解決する問題ではない。事業者が直接、ザハ事務所と契約しているのではないからだ。>

<JSCは訴訟リスク対応のために、早急に対応策を考えた方がよい。・・・工事が差し止めになったらオリンピックに間に合わないこともありうる。> → [当方注] 工事差し止め請求まで行くかどうかは別としてもJSCの交渉決着が遅すぎるが、後述のように5月中には決める必要があるだろう。

<ザハ事務所の設計を使用するには、ザハ事務所と利用許諾契約を再度結ばないといけない。しかし、12月の時点では、それは事業者が処理する問題であると、JSCも五輪担当大臣も答えていた。これは明らかに勘違いで、当然事業主体、契約主体のJSCが対処しなければならないし、訴訟されるのはJSCに他ならない。>

<デザイン監修という、名称的にやや実務から離れた印象を受けるザハ事務所の役割と、日本の設計会社、施工会社との役割分担がどうなっていたのか、> → [当方注] 「ZHAは設計に参加し基本設計前半は主導していた」との当事者証言と「JSCが旧計画成果の積極活用意向表明」の議事録があり、これをご認識されたらJSCの立場はもっと苦しいことをお書きになられると思う。
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なお、三木氏は「写真を思考するメールマガジン」を以前に出されていたようである。写真という著作権が密に絡む業務を行っておられ建築関係の著書もある専門的な方が新計画の知財問題を指摘しておられる。それに対してスタジアム専門家上林氏は<ザハ氏主張の「著作権」に効力はあるのか?>と云う記事で、効力に否定的な見方を示されている。見解が大きく異なり、最終的にはJSCとZHAとの交渉がどうなるか注目されるが、交渉状況は未だ伝わってこない。

A案のスケジュールは以下のようになっている。5月は基本設計と実施設計が重なっているが、基本設計は5月で完了予定になっている。5月中にはJSCも決着を付けなければいけないだろうが、果たしてどうなるか。
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以上