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著作権問題考察2 「濃い類似性」(仮称)

昨日二人の弁護士の記事にある「薄い著作権」の話をご紹介した
福井弁護士の旧エンブレムに関する記事での見解を再掲。
<著作物性に疑いがあり、仮にぎりぎり著作物性が認められたとしても、その場合は、代わりに類似性を厳しく見る考え方が一般的です。つまり、酷似していると言えるほど似ていないと著作権侵害を認めない、ということです。これを「薄い著作権の理論」と言います。>

ではザハ案とA案の場合はどうか。水野弁護士の見解も再掲。
<スタジアムのレイアウト部分が「建築の著作物」として認められたとしても、「薄い著作権」の考え方からしてデッドコピーに近い場合にしか著作権侵害は成立しない。本件がこの「デッドコピーに近い場合」に該当するかも判断が難しい。>
この記述のすぐ後に当ブログ1月2日記事を引用して頂いている。つまり、当ブログの両案比較記事を見ても、「判断が難しい」という見解と想定される。

しかし、水野氏は建築やその他技術の専門家ではないと思われ、例えば当方の見方とは大きく違うようである。ポイントは以前から述べてきているように類似点の多さで、中でも一致点の多さは特徴的。1月2日記事の項目を表にしてみる。
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この記事での項目は①~⑰だが、上表は全体構造の類似(一致)である「S造・3層スタンド」も「0」として項目追加した。当方から見て類似度の高さは明白。これを「濃い類似性」(仮称)として考えてみる。「薄い著作権の理論」なら、著作物性が薄くても、それを上回るレベルの濃い類似性を提示できれば、裁判で著作権侵害を認定してもらえる可能性が出て来るだろう。
水野氏の場合、著作権の方は「濃い薄い」で考えておられても、もしかすると類似度では「デッドコピーかどうか」を基準にしておられのではないか。そうなると「明白にデッドコピーとは見えない、だが相当似ている」と云うような逡巡から「判断が難しい」としていることは有り得るのではないか。この辺を明日検討予定。

以上