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聖火台問題17…森会長認識と官邸チームの存在

本日31日以下の協議が行われるとのこと。
<森会長は、会談の中で、現在、仮設は組織委員会、常設は東京都となっている競技施設の整備について、組織委員会と東京都、国の役割分担の見直しを協議する考えを示した。>
非常に重要な協議になると思われ結果が注目されるが、森氏がこの話をしたBSフジ「プライムニュース」において、聖火台問題についても語っている。該当部分を文字起こし実施(途中までだが主要部分は入っていると思われる)。

----森氏TV出演文字起こし開始----
”3/29 (火)『森元首相五輪を語る』(後編の方)”
キャスター:まずは聖火台問題について伺っていきたいと思います。メインスタジアムとなる新国立競技場の設置場所が決まっていなかったということなのですが、なぜこういうことになってしまったんでしょう?
森氏:本当はこの問題で僕は説明するのはおかしいし、この問題でここに呼ばれるのはおかしいんです。みんな間違えているというかね、これも報道関係者もそうだし、特にスポーツ評論家はボロクソに僕のことを言うけど、組織委員会というのは国立競技場を造ることに何の責任もないんですよオリンピック組織委員会から色んな希望が来ますね、僕らのとこに来ますからオリンピック委員会からね。例えばアンチドーピング、検査を受けたら選手は後一般の人と接してはいけません、そのための設計にしてくださいとか、VIPが入る導線・控室・入る部屋と、超VIPというのがあるんですね。これはオバマ大統領だったり、サウジアラビアの王様だったり、お見えになるかどうか分りませんよ、そういう皆さんも必ずみえるんですね。その時に普通のVIPとは一緒にしてはいけないんです。そのための部屋を変える、エレベータも違う、色んな注文が来るんです。そういうことをJSCの皆さんは、大体お役人ですからご存じないですよ。だからそういうことはこういうようにしてください、と言って組織委員会からお願いする。
メディアに関してIOCと契約してるのはNBC、それを全部やってるのはOBCとかOSBとかいうのがやるんですね、そこは色んな注文を付けてくるんです。50mほど上のカメラを固定したのを50個作れ、とかそういう注文をしたら、あれあれと云う間に設計全体が高くなるんですね。その金額が高くなって皆さんから批判された。
それで安倍さんが「これは白紙撤回しましょう」と言った。それ以来組織委員会でアドバイスする資格も無いというか、権利も与えられなかったから、そこから後は官邸が全部やったことですから、官邸がやるということは結局文部科学省、JSCがやったんでしょう。それで設計者が作られたことですから、そこに聖火台が有るかとか無いかとか、そんなこと僕ら調べようがない。また、そんなこと聞かれもしない。
しかしオリンピックをやる、まさに聖地と言われるのは(旧国立競技場の模型を示して)ここに聖火台があるから50年、これは誰もが当たり前と思っているし、僕も前の聖火台を外して今石巻にあるんです。(キャスターに)ご存じないんですか?僕は言ったことあると思うんだけどな。みんな忘れるんです、そういうことは。それはいいものだし高いし、非常に歴史的に残るレガシーでもあるし、次の2020年にこれを使ったらどうですか、という意見も有る。僕は賛成なんです。
これは川口湖(注:市)で作った鋳物です。全国からいろんな要望が来てます、是非うちのを何かやってください(注:使ってください)、そんなことで争いごとになるよりも、それをもう一遍使ったらどうかなと思っていて、今それを東北三県に激励のために回してもらおうと、うちへうちへという要望があったから。それで今石巻に行ってるんです。おそらくそこらかずっと東北を回って最後は川口へ行って、もう一度鋳物をきれいにお化粧直しして国立競技場へ持ってくる。そういう計画で、これは僕は記者会見でも述べてるし、色んなところでも2、3回話してますよ。結構みんな知ってるんだけど、もう2年前のことだから忘れてしまってる。だからそれをここにつけた方がいいと僕は思ってます。
だけどそんなことを設計者やら、これ(A案)を造る建築会社に言えないから、そこはまだ決まるわけではないし、さっきも言ったようにそういうものは組織委員会の仕事じゃないんです。これは何か組織委員会の仕事のように僕らは責任を押し付けられるんだけども、「一番悪いのは森だ」とこう言われるんだけども、僕らは触るに触れないんです。・・・
----文字起こし終了----

一番のポイントと感じたのは以下の箇所。
<安倍さんが「これは白紙撤回しましょう」と言った。それ以来組織委員会でアドバイスする資格も無いというか、権利も与えられなかったから、そこから後は官邸が全部やったことですから、官邸がやるということは結局文部科学省、JSCがやったんでしょう。>
森氏も「和泉補佐官が率いる官邸チーム」の動きを知らなかったと受け取れる発言(実態はJSCも文科省も外されていた)。森氏だから「おとぼけ」でないとは言い切れないが、率直な発言も多い。仮に実力者で安倍氏に近い森氏までも官邸チームの動きを本当に知らなかったとすると、以前にも考察してみたが同チームの隠ぺいは非常に上手くいっているということになる(安倍総理もよく知らなかった可能性あり、知っていたのは菅長官他ごく少数か)。
その結果として情報が隠されるから、組織委員会としても動きが分らなくて森氏にも情報が上がらず、<僕らは触るに触れないんです>となったのではないかと推測。ただし、森氏は官邸チームの動きという特殊事情がなかったとしても、<組織委員会というのは国立競技場を造ることに何の責任もないんですよ>ということで、聖火台も含めて「組織委員会の仕事ではなく全てJSC」と元々思っている節も有る。

一方JSCは昨日池田理事が会見を行って以下のように述べたとのこと。
<JSCの池田貴城理事は30日の定例の記者会見で、建設計画で当初から設置場所を決めていなかったことについて「聖火台は開会式と一体的に考えるもので内閣官房文部科学省、大会の組織委員会などと連携しながらJSCとしての役割を果たし対応してきた」と述べ、組織委員会などと議論したうえで公募の段階から業者側に求めていなかったとして問題ないという考えを強調しました。>

JSCは昨年9月ゼネコン質問に対して「聖火台は事業対象外」と文書回答しているが、それについて同理事は「組織委員会と議論したうえで外した」と公言したことになる。森氏の認識とは大きな食い違いがある。
このような状態について考えてみる際に、前述のように森氏は官邸チームの動きを知らない可能性が有るが、池田理事はどうなのかという問題がある。同理事は昨年10月JSC理事に就任するまでは官邸の「新国立競技場の整備計画再検討推進室」で参事官だった。同室は副室長が実質責任者の和泉補佐官であり、メンバーの主軸を成す国交省官庁営繕部出向者を率いて「官邸チーム」を構成していると想定される。
しかし池田氏文科省からの出向だった。この関係性も微妙と思われ、同氏は官邸チームの一員という流れで今も動いているのか、或いはもうJSC側にべったりになっているのか。また、そもそも池田氏は官邸チームの一員になっていたのか、或いは出身母体が違うから距離感があったのか。同氏の今後の動向から未だベールに包まれた官邸チームにつながるものは見えてくるだろうか。
関連して、同チームの存在と動きが「本当にあるのか?」と改めて思われる方もいるかもしれない。しかし、例えば審査採点操作は香山氏証言も有って、もはや確実と思われるが、そのような極めて危ない橋を渡るにはJSCだけでやるはずもなく指示があったことは確実で、それが出来るのは官邸になる.。もし官邸から審査採点を公開せよと言われたら拒めず、JSCだけでやっていたら責任を問われる。最終権限を持つ官邸筋からの指示がなければ到底やれない。

なお、森氏発言に話を戻すと、「前回聖火台の再利用」を以前から繰り返し推している。しかし、後で決まる演出家等にとっては、フリーな方がやりやすいことも考えられる。聖火台検討WTが再利用要請にどう対応するかも大きな課題。

以上