kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

聖火台問題16…経緯再検証

昨日まで聖火台問題について検討WTの資料を分析・考察してみた。木造による全周屋根などの条件により非常に難しい課題であることが分かった。それが何故ここままで放置されたのか、改めて検証してみる。まず現在の取組については、今月8日の遠藤大臣会見でWT発足とメンバー構成の説明があった。会見録抜粋を示す。(なお、この会見では聖火台に関して質疑が沢山あるので追記に添付)

----会見録抜粋開始----
(遠藤大臣説明)3月3日に開催されました東京オリンピックパラリンピック調整会議において、私のもとに2020年東京大会の聖火台に関する検討チームを置くことを決定いたしましたが、本日付で私を議長としてワーキング・チームが正式に発足いたしました。
このワーキング・チームは、IOCルールあるいは新国立競技場の技術提案との関係等を踏まえて、2020年東京大会の聖火台の設置場所に係る基本的な考え方を整理することを目的としております。ワーキング・チームのメンバーは、調整会議の構成員であります組織委員会、国―国の中には内閣官房スポーツ庁が入りますが―東京都、JOC、JPC、そして新国立競技場整備事業の発注者でありますJSCの事務レベルとしています。スケジュールとしては、今週11日金曜日に第1回会合を開催し、その後も議論を重ねて、4月下旬には取りまとめを行い調整会議に報告したいと考えております。
----抜粋終了----

メンバー構成は説明されたが、参加者の具体名や役職は2回行われたWT会合資料にも載っておらず、議長が遠藤大臣と云うことのみ判明。それで「大臣」が「ワーキングチーム」の議長を務めることは政府で普通にあるのだろうか。まず事務方の官僚が、各組織間で基本事項を調整して詰めてから大臣の出番ではないか。どうもおかしな感じがする。
また森会長は「JSCの責任」と強調して、所管の馳大臣に矛先を向けているが、組織委員会の責任も大きい。馳氏の方は会見で<みんなの課題として認識をした上で、遠藤さんに最終的に責任を持ってやってもらおう、となった>と述べた。体よく責任がたらい回しにされ、結果的に手腕に不安がある遠藤氏のところに行って、前述のようにワーキングチームの議長。以前にも書いたが、森ファミリー「森会長・遠藤大臣・馳大臣」の間でお得意の小芝居があるのではないかと思えてくる。
遠藤大臣の会見は11日にもあった。会見録はまだ出ていないので文字起こし実施。

----会見抜粋文字起こし開始----
記者: …聖火台の話は元々大会までに、もっと後の段階で決めれば良いという話になっていたのか、ただ単に…(注:記者の音声がマイク不良なのかノイズが多く聞き取れず)
大臣:前にも私申し上げましたが、従前のザハ案の時にも「大体ここら辺ですよね」と、そして点火はここら辺で、設置はここら辺ですね、という認識は皆さんございました。
その上で今回の整備計画を作った時に事務的に議論はされておりました。ただ昨日も委員会で申し上げましたが、IOCとの色んなこれまでの連携、或いは話し合いの中でおよそ正式なルールと云うかどうか分りませんが、大体2~3年前にこうしたセレモニーの検討を始める、と。そしてその上で聖火台について考えるということでありますから、今回の要求水準書には入れてなかったということでありますから、そういう意味では今回皆さんに大変色々ご心配をおかけしましたので改めて私の下で今日PT(注:実際はワーキングチームWT)をスタートして、そして具体的な場所等についてはセレモニー等に関係しますが、おおよそどこで、中で点火するか外で点火するか、或いは設置をどうするか、こういうことについては決めていきたいということであります。
記者:今になって、今の時点で決めなければいけないというのはIOCから…(注:聞き取れず)
大臣:全くそういうことはありません。この前皆さんご存知のように3日に調整会議を開いたのですが、元々調整会議を開くときに例えば馳大臣が調整会議の委員になっても、まだ挨拶をする、紹介をする時間も有りませんでしたし、それから確か去年の9月に調整会議を開いたと思いますが、(注:事務方とのやり取り有り…6月29日だけ?そうだっけか)、じゃすいません、(6月29日に第1回を)開いたんですが、それから半年近く(たって)、例えば私の方から新国立競技場の今の状況の報告、或いは組織委員会から人事の報告等、それぞれの報告がありましたんで、そうした聖火台について「どうするの?」という話もあって、皆さんで情報は共有しましょう、ということで共有することにいたしました。
その上で例えばガス管をどうするとか、そういう風なことなんかも当然あるわけですが、そういうことを踏まえると中に置くのか外に置くのか、或いはどこで点火するか、大まかな議論だけはする必要があるね、ということで、そして皆さんにご心配をおかけしましたんで、私の下でしっかりと皆さんに理解していただくということでチームを作ったということであります。
記者:現状の進行状況中を説明した中で…
大臣:話題があった、と。
----文字起こし終了----

時系列的にポイントを検証してみる。
(1)ザハ案時の検討状況…<従前のザハ案の時にも「大体ここら辺ですよね」と、そして点火はここら辺で、設置はここら辺ですね、という認識は皆さんございました。>
→もし実際に検討してあったのなら、A案でそのまま使えなくとも構想の概要ぐらいは説明するのではないか。中央が開くかどうかの違いで、観客席全周屋根は似ているから参考に出来る。本当に検討していたのか疑問。ただし、JSCも五輪は考慮して当然だから、何らかの検討をしていたことは確実で、説明もできないような低レベルの検討だったのか。
(2)新コンペでの扱い…<大体2~3年前にこうしたセレモニーの検討を始める、と。そしてその上で聖火台について考えるということでありますから、今回(新コンペ)の要求水準には入れてなかったということであります>
→2~3年前からセレモニーの検討を始めるのは従来例からしても妥当と思われる。ただし、要求水準書には入れなくても、(1)のザハ案時にも検討したと言うなら、JSCと組織委員会は新コンペ対応でも事前検討をしておくことは必須だった。官僚の縦割りと能力低下が出た結果か。
(3)4月末までに決める事項…<おおよそを決めたい、中で点火するか外で点火するか、或いは設置をどうするか>
→ごく基本的なことだけなので決められそうにも思うが、昨日まで検証してみた結果からすると難しい面が多い。全周屋根で木造と云う条件は前例がないから、新たに考えることが多くなる。IOCの方も経験が無いことは承認まで時間がかかりやすくなる。また、もしアテネシドニーのように大掛かりの仕掛けを想定するなら、早めに決めてA案の設計に入れ込まないと、後で追加したら工期に影響を及ぼしかねない。例えばシドニーは聖火台や仕掛けを設置したサイドスタンド自体が五輪用の仮設なので割り切れたと思う。今回は聖火台関連を仮設にしても、スタンド上部は恒久仕様だから設計条件が厳しい。果たして4月末にどのような方針が出てくるか。

なお、森会長が従来からの持論である「再利用」を昨日も述べている。
<現在、旧聖火台は宮城県石巻市に貸与中。新聖火台については、さまざまな団体から売り込みがあると言い、「そんなことで争ってもしょうがない」と話し、再利用を提案した。>

再利用の案は有力と思うが、その前にまず五輪準備における森ファミリー体制の早期解体が望ましい。森氏がファミリーも使って仕切っていくと五輪準備は相当混迷しそう。

以上
[追記]
3月8日遠藤大臣記者会見 質疑応答の聖火台関連部分
(記 者)
幹事社です。2問質問させていただきます。
まず、1点目なんですけれども、今ありました聖火台の件ですが、ワーキング・チーム発足ということですけれども、どのような透明性を図って今後議論していくかということと、費用負担については大臣としてはどのようにお考えになっているのか、今考えていることがありましたらお願いいたします。
(大 臣)
まず透明性につきましては、議論をする段階で当然有識者の意見も聞かなきゃなりませんが、その意見を聞いた上で議事内容等を後でブリーフ等させていただきたいと思っております。
(記 者)
費用負担については。
(大 臣)
費用負担につきましては、当然いろいろ議論する中で検討しなければなりませんが、少なくともまずはどこに設置するかということが大事であって、費用についてはそれから先の話です。この関係についてロンドンとかいろいろなセレモニーを見ましたけれども、いろいろなやり方がありますから、そのやり方によって費用が変わってきます。費用についてはどのようなセレモニーの中でどのようにやるかを考えながら決めていく必要があると思っております。
(記 者)
2点目ですけれども、昨日女子サッカーなでしこジャパンが…(略)
(記 者)
冒頭御発言のあった聖火台の関係で1点だけ。大臣の御発言の中で、基本的な考え方をこのワーキング・チームで整理するとありましたが、整理する考え方の主な内容を改めて確認させていただけますでしょうか。
(大 臣)
当然、前にも申し上げましたように、具体的な設置の場所あるいは点火の仕方とかそういうことは、セレモニーの大変大きな中心となるイベントですから、サプライズ性も必要でありますし、セレモニーの全体の流れの中で考えていかなきゃならないわけですから、取りあえず今、中で点火するのか外で点火するのか、あるいはどこに設置するのか、そういう点だけは情報をお互いに共有しておく必要があるのかなと考えています。ちなみに従前のザハの案でも、セレモニーとの関係があるので聖火台に関する計画、予算の積算は措置されていませんでした。ですからそういう意味では皆さんの感覚の中では、セレモニーと関連するので、そこはその段階できっちり整理しようというふうなことだったんだと思います。ですから今回は、少なくとも当面必要な点火の場所は中なのか外なのか、あるいは設置するときに中なのか外なのか、そういうことだけ整理しておけばいいと思っております。
(記 者)
検討チームで基本的な考え方を詰めた後で調整会議に御報告されるということだったんですが、その後の具体的な設置場所等については、これは全て組織委員会が検討するというような方向になっていくんでしょうか。
(大 臣)
セレモニーについては組織委員会を中心にして考えていくということになると思います。
(記 者)
関連しまして、馳大臣が、今朝の会見の中で長野オリンピックのとき、東京ガスが寄贈したというふうなことを参考としておっしゃっていて、これも遠藤大臣のチームの参考になるんじゃないかという表現をされていましたが、こういった寄贈を募るとか民間からの協賛を得るとか、そういったことも含めてワーキング・チームでの議論の対象になっていくと理解してよろしいんでしょうか。
(大 臣)
まだそこまでは至っていません。先ほど言いましたようにセレモニーで最大のイベントですし、昨日私が夜テレビを見たときにアスリートの皆さん方から「一番印象的だったのは聖火台の点火だ」というのが数多く挙がりましたが、それは逆に言うと、かなりサプライズ性も必要でありますし、そういうことを考えると、今の段階でどのガスをどうだとか、あるいはどういう点火の仕方があるかだとかという議論はまだ早いと思います。今私たちがしなければならないのは、先ほど言いましたように点火を中でするのか外でするのか、そしてその後の設置が中なのか外なのか、これだけ整理しておけばいいと思っていますし、むしろ先ほど言いましたように、組織委員会等を中心にしてセレモニーの演出をするわけですから、そこで具体的に一つ一つ整理していけばいいと思っております。
(記 者)
そうしますと、また関連して、今大臣は点火と設置を分けてお話しになっていましたが、そうしますと事実上選択肢としては、初めから中で点火してそこに置いておくというのと、初めから外で点火して置いておくというのと、中で点火して外に移すという3パターンが、現実的な選択肢として今あり、それを決めるというふうなことでよろしいんでしょうか。
(大 臣)
トータルとして決めさせていただきます。
(記 者)
聖火台のことなんですけれども、馳大臣が今日の閣議後の会見で、森会長が怒っていることについて「何で怒っているのかというと、それは聖火台の設置場所についてトップレベルで共有すべき話なのに、JSCや組織委員会の事務方レベルで議論していたためだ」という趣旨の発言をされたんですけれども、遠藤大臣はどのようにお考えでしょうか。
(大 臣)
馳大臣がどういう発言をされたかは聞いておりませんが、森会長と馳大臣は、我々が考える以上に信頼関係がありますから、そこはお互いに、こう言ったらこう言おうかぐらいの話だろうと思っております。ふたりは大変信頼関係が厚く、余りそこについては考えておりません。
(記 者)
ちなみに今日発足したワーキング・チームについて、遠藤大臣をリーダーとしてみんなで連携をとっていかなければならないと思うんですが、どういう形で連携をとっていければと思っていますでしょうか。
(大 臣)
本来聖火台については、ザハ案のときには、組織委員会が検討していくというようなことになっているわけですが、今回白紙撤回をして、その上で新しい整備計画をつくったわけですから、関係閣僚会議の議長として私が就任しましたので、そういうのを含めて今回は引き取って検討していこうということであります。
その上で、中・外も含めていろいろと議論するときに、いろいろなこれまでの在り方、あるいはIOCの考え方等も踏まえながら検討いたしますが、先ほど言いましたように、どちらにしても今決めなきゃならないこと、どういうふうに点火をし、どういうふうにしてするかと、これだけ決めておけば、あとはむしろセレモニーに関連して決めていただければいいと思っておりますので、そんなにぎりぎり詰めなければならないということではないのかなと、きちっと整理と情報共有だけしておけばいいという思いであります。
(記 者)
遠藤大臣とか森会長、あと東京都の舛添知事は、どうしてもラグビーを想起させてしまうんですけれども、またがっちりやっていくようなお考えでしょうか。
(大 臣)
森会長と私はラグビーをやりますけれども、舛添さんはたしか陸上の選手でありました。よくラグビー関係の話で書かれるものとして「スクラムを組んで」ということがありますが、3人でしっかりスクラムを組んで、プラスもちろん馳大臣もいますし、それからJOCやJPCや皆さま方、当然発注主体のJSC、こういう皆さん方が、きっちりスクラムを組んでいけば十分に対応可能だと思っています。昨年のラグビーのワールドカップで日本のスクラムが大変称賛されましたが、そんなスクラムを組んでいきたいと思っております。
(記 者)
昨日森会長にインタビューしたときに、JSCが今回つくるときにどこからも要望を聞いていなかったとか、あるいは設置場所を決めるのは開会式の計画が決まってからだというふうに言ったことについて、JSCの卑怯な言い逃れというふうに批判していたんですけれども、それについて議長の遠藤大臣の受け止めをお願いします。
(大 臣)
その内容を詳しく聞いてはいませんので、ちょっとコメントは難しいです。こういうのは正確に聞かないと分かりませんので。

追記以上