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聖火台問題14…WT第2回会合資料と前回大会聖火台位置

昨日記事では、新聞報道とWT第2回会合資料を照合して聖火台の位置がどのように検討されているか検証してみた。
ただし、WT資料では場所の候補は、①屋根の上部、②スタジアム内部、③スタジアム外となっているが、以下NHK記事では「競技場上部」が望ましいとなっており、昨日引用した日刊スポーツ記事の見出しも「競技場上部」となっている。
<大会組織委員会の担当者は、IOC=国際オリンピック委員会ガイドラインを踏まえると、大会期間中は、聖火台が競技場の中からも外からも見えるように、競技場の上部に設置することが望ましいという認識を示しました。そのうえで、競技場の上部への設置が難しい場合には観客から見えるよう競技場内に、競技場内も困難な場合は競技場の外への設置もやむを得ないという考えを示しました。>

どうもはっきりしないので、昨日と同じく前回相当位置も④として加えて再検証してみる。
まず参考として、朝日新聞が既に3月3日記事で以下の解説図を載せていた(①~③の番号と④は当方追加)。WTチームでの検討予定内容がリークされていたと思えるような手回しの良さ。
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次にWT第2回会合資料3の検討表は以下の通り(周囲の赤字部分は当方追加)。
イメージ 3

NHK記事・朝日図・WT資料の3種類を比べてみると辻褄が合わないところがある。NHK記事で<組織委員会は、聖火台が競技場の中からも外からも見えるように、競技場の上部に設置することが望ましい>となっている。「競技場上部」は内外から見えることになる。しかし、朝日図とWT資料の記述によって「○✕評価」をしてみると、表に追加したように内外から見えるのは①~④の中で④しか無いように思える。
そうなると「競技場上部=④」となるのだろうか。確かに④は「競技場上部」と呼んで不思議はない。しかし、それなら「何故表には①~③しか入っていないのか?」ということになる。

なお、昨日検証で④は①に含まれるのではないかと考えてみたが、①は「相当数の観客席から見えない蓋然性が高い」となっているので、殆どの観客席から見えると思われる④は当てはまらない。しかも④は聖火台の周囲に屋根は無いので「屋根の上部」にはならない。
また、②に関して外部から見えるかどうかを「△?」にしてみたのは、内部に高い塔や櫓などを建てる等の強引なことをすれば見えるかも知れないという程度の話で現実的には難しい(全周に屋根があるから高いと当たってしまう)。更に昨日引用した朝日新聞3月26日記事では<組織委員会は、聖火台置き場について(1)屋根の上(2)場内(3)場外の順に望ましい>となっている。②が優先順位2番目になっているのは「外から見えない」ためと想定され、やはり④とは違うことになる。

結果的に①~③のどれにも当てはまらなくて、表には④(=競技場上部?)が無いように思える。ただし、ここで疑問になるのは昨日引用の日刊スポーツ記事で「内外から見える例」として北京以外にシドニーを挙げている。

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改めてシドニーが①~③のどれに当たるかを考えてみる。まず聖火台部分に屋根は無いので①「屋根の上部」ではない。更に②「スタジアム内部」でもない。スタンドに隣接しているが、設置自体は③「スタジアム外部」と考えることは出来るかも知れない。しかし、③は「観客席から見えない」となっていて、シドニーは上掲写真からすると観客席からよく見えそう(屋根下の一部は死角かもしれない)。結果的にシドニーも①~③にはピタリと当てはまらず、「屋根無し」と「スタンド外周付近に位置して内外から見える」という特徴で④に近いようにも思える。

もしかすると後日あたかも名案を考え付いたように「内外から見える④が有りました!」と追加するのだろうか(笑) ただし、A案は全周屋根があるから、④の位置にしようとすると木造屋根に対する防災対策が必要と思われる。隈氏は「どこにでも置ける」とのことで、「周囲5m以上、上方10m以上」の消防法規定をクリヤして内外から見える位置に設置場所を確保できるのだろうか。(上方10mは炎の高さをどう考えるのか当方未調査、「聖火台上端から10mか、炎が上がる高さから更に10mか」で条件が違ってくるように思える)
また、前回大会の位置は分っていて、聖火台の再利用も再三話題に上っているのだから、後で検討対象位置として追加するのでは余りにも怠慢。幾ら官僚のレベルが怪しいとはいえ、そこまで行くだろうか。

報道機関もそれぞれ解釈があるのかも知れないし、考察もややこしくなっているので、ご指摘やご見解等ある方はコメントなどよろしく。

以上