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聖火台問題11…森会長の責任逃れ

森氏がまた責任逃れ発言をしたようである。
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組織委員会)理事会の冒頭あいさつで、森会長は聖火台設置について「少なくとも国立の設計等に関しては組織委は何の権限もなければ責任もない」と話し、無関係の立場であることを主張。「特に昨年8月(実際は7月)、安倍総理の命により、(ザハ・ハディド氏が設計した)最初の案が白紙撤回されて以後、協議に何ら参加していないし、何ら意見も求められていない」と強調した。…
  続けて「聖火台の問題はよく組織委員会の問題だと、メディアの評論家たちは言うが、実際はどうしようもない。我々は聖火台のない国立競技場はありえないと思っている」と話し、スタジアムの外部に聖火台を設置する案には反対する姿勢をみせた。
  聖火台設置問題をめぐっては今月3日、聖火台を競技場上部などに設置できない可能性が指摘された。森会長は5日、建設の事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)と馳浩文部科学相(54)に責任があるとし「一番悪いのは馳浩です。文部科学省です」と名指しで批判した。
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森氏は上記認識となるが、官邸からもワーキングチーム(WT)の議事資料が出ていることは紹介済みで抜粋を示す。
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2.新整備計画以降
・白紙撤回後の新計画では、当初は 2020 年春の完成見込みであったため、2020 年東京大会時に必要な追加スペックを、組織委員会からの要望に基づき、設計段階から織り込むこととした。実際に、例えばオリンピック時のカメラ取材の場所となるモートなどは要求水準にも盛り込まれ、事業者からの技術提案にも含まれている。
・しかしながら、聖火台については、開閉会式のセレモニーとも密接に関連する事柄であるため、セレモニーの内容が決まっていない設計段階では対応困難との理由などにより、技術提案の要求水準に盛り込むことは見送られ、後日検討する課題として整理されてきた。
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議事録によれば組織委員会の要望はJSCに伝えられ、対応した項目例も示されている。聖火台の話がどうだったかは別としても、要望に関してやり取りは有ったのだから、森氏の「協議に何ら参加していない」という発言は矛盾する。ただし、今や森氏には事務局が何を言っても聞く耳を持たないだろうという気もする(苦笑)
また森氏は聖火台の外部設置には反対しているようで、内部設置が優勢かも知れないが、ロンドン方式の開会式後もフィールド近くに置くやり方では外から見えない。東京は夜も競技場周辺に人通りが多いから、大会開催の象徴として外からも見えることが求められそう。隈氏はどこにでも置けると言っているが、実際に木造屋根の問題をどう回避するだろうか。

責任問題については、森氏は文科省と馳大臣の責任と繰り返し言っている。JSCの所管は文科省で、担当理事や本部長は文科省出向者だったから当然責任は重い。しかし、具体的ポイントはJSCが「聖火台は後日検討」と云うことを組織委員会と合意したなら、議事録等でそれを残しているかどうか。この辺を確認すべきだが、それを抜きに責任を押し付け合っているのは醜い。ただし、森氏が文科省の責任にしているのは、「五輪担当大臣」の責任から目をそらせようとする意図があるのではないかと当方は推測。遠藤大臣は昨年10月に石巻市を訪問し、聖火リレーや前回聖火台の話をしている。その後も山形市高岡市川口市などの陳情などを受けている。それで聖火台の位置を確認していないのは怠慢と言うよりない。政府における五輪の主担当であり真っ先に責任を問われるのも本来遠藤大臣。森氏は子分で頼りないことが分っている同大臣が追及されないように、子分の序列としては下の若い馳氏を身代わりにしているのではないか。森氏お得意の小芝居になっている可能性が高く、そんなものを毎度見せられるのは早く終わりにしたい(つまり交代)。

さて、このような状況でも物分かりが良い方のツィートがあり、例として次のような内容。
<新国立競技場ってA案、B案と揃った時に結構なプレゼン資料がwebに出たと思ったけど、それを見て「聖火台、無い」って言った人はネットとかでも誰も居なかったのかしらん…。誰も居なかったのだとすると、森や馳やJSCを責めてばかし居られない様な気も…。 >

前述のように、例えば五輪担当大臣には聖火台について陳情が複数回行われている。この中の一回でも事務方に「聖火台の件はどうなっているか?」と尋ねて結果を確認すれば抜けることは無かった。反省すべきはこういう人たち。
もし自らに問うなら、「自分がその立場になった時に抜けてしまうことが有りうるか?」と考えてみれば良いと思う。普通に考えたら有りえないし、当方もそう思うから充分JSCや組織委員会、五輪大臣等を批判できる。このような件で物分かりが良すぎると、政治家や官僚はそれをいいことに責任逃れしてしまう。建築専門家でもない一般人はもちろん、報道機関の多くでさえも普段見ることのない建築図面を詳細に読むことは難しい。しかし、同じく図面を読めなくても、陳情などで認識して当然の関係者に対しては率直に批判するのが筋と思う。

以上