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聖火台問題1…ゼネコン質問にJSCは「新しい聖火台工事は本事業の対象外です」と回答していた

「現在の建設計画では、聖火台を競技場の上部などには設置できない可能性があることが分かった」と産経新聞などが伝えている。(ちなみにソチなどでは場外にあったが、夏季大会で競技場内に無いのは異例の模様)
旧計画のザハ案でも競技場内には無かったようである。新旧計画とも詳細経緯は現在不明だが、新計画での聖火台に関して資料から見出される事実関係を参考にご紹介。

1.ゼネコンからの質問に対するJSC回答
「第4回(平成27年10月6日)技術提案等審査委員会」の添付資料2に「質問回答書(平成27年9月11日まで受付分)」がある。この中で以下のようにJSCは「新しい聖火台工事は本事業の対象外です」と明確に回答。聖火台の件に関して隈氏や大成チームに責任は無いことになる。
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なお、フジTVニュースで以下のように「募集要項に記載は無かった」としているが、それどころか上記のように「対象外」と明言されていることは重要。
<実は、今回のデザインコンペの募集要項には、そもそも聖火台の設置についての記載はなかった。>

2.ゼネコンが質問の元とした業務要求水準書の該当項目
以下のように「その他」の項目で、しかも聖火台の記述は無い。ゼネコン側は、「その他」にも説明がないため、聖火台の取り扱いが不明で質問に至ったことが推測される。

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3.旧聖火台図
1項の「回答書」に参考資料として下図が入っている(解体工事時の説明図等かも知れない)。なお、現在は宮城県石巻市に貸し出されている(次項NHK報道参照)。
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4.参考報道
2月26日にNHKが以下のように報道している。旧聖火台の再配置を検討しながら、新計画用聖火台の位置を検討してなかったら怠慢。
旧国立競技場の聖火台は競技場の改築を受けて、おととしに取り外され、東日本大震災の復興のシンボルとして現在は宮城県石巻市に貸し出されています。
JSCは、この聖火台をはじめ、旧国立競技場に設置されていた前回の東京オリンピックの優勝者を記した銘板や壁画など25の作品を「後世に引き継ぐべき重要な遺産だ」として活用方法を検討していて、これまでに25作品すべてを3年後の2019年11月に完成予定の新国立競技場の敷地内に設置することを決め、26日、明らかにしました。聖火台をどこに設置するのかなどそれぞれの作品の具体的な配置や使用方法については今後、スポーツ庁や大会の組織委員会などと協議するということです。>

以上
[追記]
事実関係は本文の通りだが、少し考察してみる。
まず重要なことは競技場内に設置できるかどうかの前に、新計画の聖火台として2つの案が考えられる。
 ①旧聖火台を使用する
 ②新たに聖火台を作成する
現在①は本文4項NHK報道のように石巻市に貸し出されている。同報道からすると、聖火台も敷地内に設置するとのことで、石巻から再度移設すると考えられる。JSCは旧計画でも場外を想定していたという以下のような報道があり、そのまま新計画でも同様に考えていたようである。
<JSCは屋根で覆うザハ・ハディド氏監修の旧計画でも外に置くことを想定しており、「組織委から聞き取った要望の中に、聖火台を競技場内に置くという話はなく、(白紙撤回後の)公募時にも設置場所は想定しなかった」(幹部)。>

ただし、②の新聖火台を作成する場合には、敷地内に新旧2台設置になる。それだと「新聖火台は作らずに1台として旧聖火台を使えば良い」という意見が必ず出るし、妥当とも思える。
だが、ここからは当方見解。以下写真のように旧聖火台はシンプルな形状。今となっては地味と言っても良いぐらいで、観客席の中に置いて引き立つと思う。
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場外に出した場合、シンプル過ぎることになって、外側に演出で色々付け加えて華やかにするか。それなら新聖火台を作った方が良いという意見も出てくるだろう。また場外だと大型表示装置で見ることは可能とはいえ、観客から直に見えないとすると臨場感不足は否めない。なかなか難しい問題になりそう。

追記以上