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A案とザハ案の類似性検証

昨日は断面図を比較したので平面図を比べてみる。(重ねたら余り良くわからなかったので並べてみた)

イメージ 2

縮尺は両図でフィールドの大きさをほぼ合わせてある。スタンドの大きさや形状は概ね似ていると言えるだろう(上図で青点線を見て頂くとA案の方が少し横長)。しかし、敷地や収容人員が同じだから似てくると言えてしまう。(当方注:ザハ案は基本設計図を使用したが実施設計図ではスタンド形状が変わっていた、明日記事参照)

数量面で気がついたのは「上段の通路の数」が同じである(54本)。ただし、これも何席ごとに通路を入れるかで決まると思われ、その辺は誰がやっても同じようになることは考えられる。
だが、以下の断面図比較でスタンド下の柱の構成と位置が似ている。VIPルームの構成にも類似性がある。これらを突かれたら日本側はどう答えるかと思っていたが、上記のように平面図でもスタンドの大きさや形状が似ているだけでなく、通路数という同一部分があると更に厄介になって来る。全てを偶然や必然で交わし切れるか。後はZHAが調査して、どう言ってくるか。

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以下は昨日記事を再掲(昨日は「暫定」としたが、「スタンド下の柱の数」は同一とまでは言えないようなので、「柱の配置構成と位置が概ね重なる」に変えて正式に掲載)。
ZHAとの関係についての[追記]も有り。

A案とザハ案の断面図で柱位置を比較してみた。VIPルームも併せて以下のことが分かった。
 [A案・ザハ案断面図比較結果]
 (1)スタンド下の柱の配置構成と位置が概ね重なる
 (2)VIPルームは2階・3階に配置されると思われ、両案とも窓際部分が2層吹き抜けになっている

イメージ 1

この形状では、権利や契約問題等はさておき、客観的に見て「似ているのではないか」と問題提起されたら、JSC・受注者・政府はどう答えるのだろうか。或いは建築専門家や弁護士の方々などはどうか。

なお、B案はスタンドが2層で、かつ木柱とPC柱が使用されておりザハ案との違いが大きい。
A案はスタンド3層でS造という、ザハ案と同構成であるため似てくることはあり得るだろうが、上図や他でも行っている比較結果をどう捉えるか。そしてZHAが今後どのようなアクションを取ってくるか。
また政府がZHAと契約解除するに当って、どういう手を打ってあるか(打ってないとは思えないが、どうだろう)。

以上
[追記]
ZHAとの関係では、政府側が契約解除前に何らかの形で話を付けてあると当方は推測してきた。そうでなければ白紙見直し表明したとはいえ、あれほどスパっとZHAを切れないのではないか。またZHA側も声明文やビデオを出したが、本気で日本政府と対決するというよりZHA側のメンツを保つことが主目的と推察した。

それが今になっても「調査する」と言い出している。ただし、前述のように政府と事前調整があったなら、もし調査を行っても再度「似ている」と批判するだけで、訴訟などはせずにトーンダウンしてフェードアウトは考えられる。
だが、一つ懸念があるのは、当時ZHAの日本人担当者だったU氏が他社に移動している。もし同氏が窓口になって政府やJSCと交渉していたりすると、その内容がZHA内部で正確に伝わっているだろうか。合意しても曖昧なニュアンスの部分があったりすると、後で解釈の違いが出てくる。

なお、隈氏側も指摘に反論している。
<ザハ氏側が「我々の計画と驚くほど似ている」と話したことについて問われた隈氏は「8万人規模のキャパシティを収めるためにはスタンドを3段にするのが1番合理的。それはザハさんも一緒」とした上で「スタンドの形状は全く違う。ザハさんはサドル式。我々はフラット。プランを見れば、差ははっきりしている」と、反論した。>

ZHAがビデオで特長として説明したサドル式と、A案のフラットの違いは確かにあるので、隈氏の反論を聞いた際には当方も或る程度納得した。しかし、その後上記のように比較してみると、一筋縄では行かなさそうである。
本来は、ザハ案には「建てられなかった」可能性があるのだから政府が調査を行って、もし実際にそうだったら公表するのが一番良いと思う。客観的事実が一番強い。だが検証委員会も審査委員会も曖昧なままで終わらせており、政府は事実関係を公表するより水面下交渉で行くか、ZHAが何か具体的に言ってくるまで放って置くのだろうか。しかし、訴訟になるかどうかは別としても、このまま批判が続いて、ずるずる行くと国際的にもイメージダウンが進行しかねない。政府は、こじらせないよう早い決着を目指して頂きたい。

追記以上