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検証報告検証1 「設計JV見積り考察」

検証結果を見ていくと疑問点や不明点等が多いため、「検証結果の検証」(笑)が必要と思われる。そのためシリーズとして検証実施。まずは、昨日記事で柏木委員長・古阪委員・産経新聞が「解明不足」や「謎」としている「設計JVとゼネコンの見積り乖離」に関して考察する。
検証委員会第2回配布資料で、第4回でも配布された「工事費変遷」資料を示す。

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上表にも記入したように、2014年は「2013年末金額のまま変わらなかった」と云うことなのか、省略されている。だが、2013年末の1,625億円はフレームワーク設計での見積り額で、2014年5月には基本設計での見積り額として1,625億円が有識者会議に報告されている。金額は同じ1,625億円でも設計段階が違うので、1億円単位まで同じになるとは本来考えにくい。また2014年11月には実施設計の中間段階で見積り概算も行われている(日建設計ヒアリングP30)。
2014年金額も追加して上図2013年12月末以降は以下のようになる。(見積り金額の番号付与は一昨日の[追記]…昨日も引用…から変えている)
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ゼネコン関与を除く設計JV見積り4種類を抜粋。検証結果報告書から各見積の算出経過を追加。
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更に項目抜粋。
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結果的に、4種類の設計JV見積り「①-1、①-2、②-1、②-2」)は、設計段階や内容が変わっても最初の1,625億円を規準とした延長の位置付けになっているのではないか。それをよく表しているのが工期と思われ、①-1と②-2では約1年3ヶ月離れているにも係わらず工期は同じ42ヶ月になっている。

別々の時期の設計を基に見積もれば工期がピタリ一致することは少ないだろう。しかも①-2と②-1の間にアーチタイ追加が有る。約370mスパンで免震構造のアーチタイ工事にどれ位の期間がかかるか。そもそも着工可能な詳細設計は出来ていたのか。
以前にも紹介したようにアーチスパン370mは日本の橋梁でも僅差の2番目。そのような長大スパンのアーチタイは当然日本初で、世界でも多分例がないだろう。免震装置のメーカーもやったことは無く、対応するとしても開発や評価期間が必要。アーチタイは一番下部構造だから、その工事が終わらないとキールアーチ等に取り掛かれない。
間違いなく工期は延びるにも係わらず、アーチタイ無し①-1と有り②-2で全く工期が変わっていない。②-1も含めてアーチタイ追加を考慮していないのではないかと推測する。

ゼネコン見積り③はアーチタイ考慮と考えられ、その違いが工費乖離発生の大きな原因になっているのではないか。これが現時点で当方の考える乖離の真相。(ただしゼネコンもアーチタイをどこまで設計して見積もっていたかは不明)
ゼネコンの見積りの仕方については手掛かりが少ないが、出ている資料から明日検討してみる予定。

以上