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第4回検証委員会傍聴記2 「検証報告は国民の信頼を得られるか」

まずは昨日予告した為末氏コメント。正確には聞き取れなかったので、趣旨として見ていただきたい。
担当者は良くやっていた。しかし、ふわっとした空気でやってしまった。責任・役割が曖昧だった。それでも責任追及ではなくこれから皆でやっていこうという・・・

為末氏の「責任追及ではなくこれから皆でやっていこう」と云う趣旨は心に残った。
当方も「ZHAと日建設計の問題」を明らかにすべきと主張するのは、単に両社の責任追及でなく、真相を明らかにした上で国民全体の意思として遅れをリカバーして行こうと云う気運を醸成すべきという趣旨がある。本当のことを知らないといつまでもモヤモヤした気持ちが残ってしまい、何を言われても疑心暗鬼になってしまう。

国民の信頼を得るには真相を率直に明らかにすることが必須。しかし、和泉氏意向が色濃く反映されたと思われる報告書は、キールアーチ問題の真相に触れる記述はなく、真実を隠したまま新コンペによる建設をやっていこうとしていることが確定した。同氏は工学博士号まで持つ優秀かつ凄腕の技官で、ゼネコン等からの直接報告も受け、由利氏記事内容以上に実態を知り理解しているはずだが、隠し続けるのだろうか。

頭脳明晰が故に、全部自分が被って最後までまとめていけると考えているかも知れない。或いは検証報告を迅速公開し、新コンペは情報非公開で結果だけ出せば、その後国民は急速に関心を失うと見ているか。いずれにせよ当方には非常に危険なやり方に思える。

なお明日は委員長の最後の言葉に関連して記す予定。それ以降は検証内容の検討に入る予定だが、まず「アーチタイ」を検索してみたら配布資料全体で一箇所も無かった(笑) これだけでも今回検証の信頼度が分かってしまう気がする。

以上
[追記]
昨日記事で為末委員の担当部分をご紹介したが、更に同氏の気持ちも推しはかりつつ考察。
他委員は各担当項目ごとに報告書の内容をほぼそのまま読み上げて自らの報告にしていた。もし為末氏が出席できていたら、同様に官僚文書を読むことになったと思われる。丁度海外出張だったようだが、同氏が唯々諾々と事務局の振り付けに従うような人だろうか。相当葛藤もあったのではないか。為末氏まで事務局が動かそうとしたのは仕切りのセンスに疑問符がつく。

しかも同氏担当分の主旨は情報発信だったが、新コンペは情報非公開。これでは検証による提言をないがしろにしているのではないか。また「広報担当」は今後置かれるのか。そして肝心のアスリート委員としての役割が「情報発信」の提言で、自身も納得しておられるのだろうか。同氏も色々しがらみなど出来てしまっているのかも知れないが、検証報告に関して率直な見解を今後も発信していただければと思う。

逆に仕切りとしてさすがと感じたのが、文科大臣とJSC理事長の責任の取らせ方。組織のトップだったから「結果責任」があるとしている。これは「直接責任は無い」という決着。両氏に出来るだけ傷が付かないようになっている。官僚的配慮の見事さか。(為末氏にもこれぐらい配慮して、同氏らしい報告をさせてあげて欲しかった)
また、検証報告時期は下村氏・河野氏の任期に合わせて早められた可能性がある。河野氏は9月末任期満了、下村氏は10月上旬内閣改造予定。もし報告が10月以降になったら、一人或いは二人とも辞めた後になり、「責任を取って辞任」と云うストーリーが使えなくなる。国交省営繕部から送り込んだ事務局を駆使して報告書を異例の短期でまとめてしまった和泉氏は、ここまで計算していたかも知れないと思わせる。

追記以上