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 新コンペ検証3「ホスピタリティ機能」

招致時の滝川クリステルさんのプレゼンで有名になった「お・も・て・な・し」。英語だとHospitalityになるが、一般向けホスピタリティの一環になるはずの「物販・飲食事業」は新コンペ仕様で全部削除された。
しかし、五輪組織委員会としては世界から迎えるVIP向けホスピタリティは全く無しには出来ず、車椅子席も含むようだが、削減されても8割程度のスペースが残された。
<VVIPエリア(皇室・国賓級)、VIPエリア(海外要人)、車椅子席…21,000平米→16,000平米

このようなスペースは、前コンペ時の事前検討では五輪後に年間プレミアムシートなどとして主に企業等に販売して収益源にする構想があった。今回も後々同様のことを考える可能性はあるだろう。
また海外ではスタジアムにホテル併設もあるから、VIPスペースをホテル対応にしておいて、イベントがないときはホテルとして使用するアイデアも本来は有り得たのではないか。外苑付近にはホテル自体が少なくホテル対応は魅力的になる。しかし、今回の工期・工費最優先仕様では望むべくもない。
それでもVIPルームとしては高級感ある仕様が必須になるが、新コンペではVIP対応仕様の詳細な規定はなく「業務要求水準書」では次のようになっている。
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(8) スタンド
③ プレジデンシャルボックス
a) IOC 会長や国家元首、大会組織委員会長、都知事等が着席する特殊ボックス席(最大150席程度)を整備する。
b) プレジデンシャルボックスのガラスは防弾ガラスとし、投擲防止対策を行う。
(9) ホスピタリティ機能
VVIP(約150席)及びVIP(約1350席)観覧席の周辺には、ホスピタリティ機能を備えた諸室を設けること。
① VVIP 及びVIP を特定するための専用の受付を設けるとともに、VVIP、VIP 以外の者の容易な進入を防ぐ計画とする。
観覧ボックスに隣接して、飲食、休憩を行うことのできるラウンジ、パントリー、各室専用の洗面所などのサービス施設を整備する。
③ 皇族の行幸啓(お成り)に対応した御休所(トイレ、洗面所等諸施設を含む)を設置すること。
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「高級感」の表現の仕方は考え方次第だから、応札者の思惑によってはコスト削減優先でVIPルームの仕様もグレードが下がってしまう可能性がある。下図ザハ案のような吹き抜けのゆったりした空間や眺望も含めた開放的雰囲気などは望めなくなる可能性は高い(新コンペになるとザハ側も設計を見直すようだから下図同様の内装には出来ないと思われる)。
イメージ 1

外観デザインも含めて、JSC側が実際に求めたい仕様と応札内容がかけ離れたら、果たしてどのようなものが出来上がるか。

以上