kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

 文藝春秋9月号記事紹介

雑誌「文藝春秋」9月号に”新国立競技場 遅すぎた「白紙撤回」”と云う記事が出ている。筆者は「由利俊太郎」(ジャーナリスト)。2015年8月7日 発売 / 特別定価970円(税込)(Kidle版あり)

文藝春秋に記事が出ているという話は聞いていたが、そんなに話題になっていないようだったので当方の注目から漏れてしまっていた。本日入手して見てみたら、これがすごい内容。
と言っても大筋は森山氏や当ブログでは書いていた事柄だが、当該号は8月7日発売となっているのに、同誌のような内容を他のマスコミで報じているのを当方は見たことがなかった。
新国立競技場問題について興味がある方は是非読んだほうが良い記事。Kindle版があるので、PCでも無料専用ソフトをダウンロードすればすぐ読める。紙の方でも良いが、とにかく掛け値無しにお薦め。

内容一部紹介として、実施設計での耐震性問題浮上から、ゼネコンが今春官邸に状況を打ち明けた経過を引用。(①②は当方付加説明、<>内引用)
---------------------
①実施設計でゼネコンが入って耐震性問題有りが判明した(昨冬…2014年12月頃?)
<「『 ザハ案では、震度七に耐えられないんじゃないか』とごく内輪の関係者の間で大騒ぎになっている」 昨冬、筆者の取材にこう打ち明けたのは、新国立競技場の建設事業に関わっているゼネコンの関係者だ。>

②その後ゼネコンは更に行き詰まり、官邸の「和泉洋人」補佐官に状況を打ち明けた(2015年春先)
大成建設を筆頭とする施工業者たちは一計を案じた。ザハ案維持を譲ろうとしない文科省やJSCを飛び越え、官邸に直談判に向かったのだ。今年の春先のことだ。官邸スタッフが証言する。「悩みを打ち明けられたのは、国土交通省住宅局長などを経て、一昨年から国土強靱化などの担当として官邸入りした和泉洋人首相補佐官です。業者の話を聞き、重大性に驚いた和泉さんは、すぐに上に報告しました。」>
---------------------

これ以外でも内幕が様々紹介されている。それらは前述のように森山氏や当ブログの調査・検証や予測と基本的に合致した内容になっている。ただし、ゼネコンもまだ本音を言ってなかったりするところも有るようなので、今後当ブログで検証していく予定。

本日はまずさわりを紹介したが、内容は河野議員らや民主党にも伝わっているだろう。しかし、未だに明後日の方向の検証をやっているようなのが謎。今後検討。

以上
[追記」
このところ記載してきた藤村氏huffingtonpostインタビュー記事関連では、ご推奨のザハ側(アラップ社含む)の問題点も文藝春秋記事に書かれている。日本側設計会社の非常に頼りない経過も含まれている。キールアーチについても基礎や耐震性、工期増大によるコストアップなどの深刻な問題が紹介されている.。
つまり、藤村氏の<ザハ・チーム(=ザハ事務所+アラップ、日本側の設計JV)が2年間も設計作業を積み上げてきて、・・・その蓄積を活かすべきです。>という主張や、見積価格の高騰はキールアーチが問題なのではない」と云う見解は、既に文藝春秋記事で吹き飛んでいたと云うことになる。
当然ながら同記事の信ぴょう性次第ではあるが、新国立競技場関係で何本も記事を書いておられるhuffingtonpost伊藤記者なら判定できたのではないだろうか。(ちなみに当方現在見立てでは技術面は大筋で辻褄が合っており相当細部まで取材されている)

なお話は変わるが、文藝春秋記事に「ザハ氏のIOCへのアピール力」という表現があって、注目に値するように思えてきた。まだ当方の憶測レベルだが、IOCが日本側の変更をあっさりOKしている裏にはこれが・・・。そして日本政府が迂闊に真相を出せないのもこれが・・・。

追記以上