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虚偽と誤り

「協力者又は共犯者」の存在仮説はインパクトが強すぎ、又雲取山証言の真相がもっと分かってからでないと深く検討するのは適切でないと思うので、当面は雲取山証言に含まれる「事実と違う部分」に焦点を当てていく。

まず雲取山証言について、当方が「虚偽証言」という言葉を使用することがあるので、本当に「虚偽」と言えるのか?と疑問視する方もおられるのではないかと思う。それで少々解説を加える。
「虚偽」と云う言葉に、日本人は割りと敏感に反応する傾向があるように以前から感じている。
基本的に真面目な人が多いので「意図的かどうか」、「故意かどうか」と云う点に注目しやすいからではないかと思っている。そのため意図的でなく、故意でもない間違いは、「虚偽」ではなく「誤り」と云うことで区別して捉えようとする姿勢になると思う。

今回の雲取山証言で一番分かりやすい間違った(=事実と違う)証言は、USB埋設場所の件だろう。
これを片山氏が混乱していて、単に印をする位置を間違っただけと推測して、「虚偽証言」ではなく「誤証言」と捉えることも、それぞれの人の見方次第で可能と言えよう。
また、「人のいない5分ぐらいで数ヶ所試掘してから掘った」と云う証言も、その間に「人はいたけども見られてなかったので、(実質的に)人がいなかった」と云う趣旨と理解をして、「虚偽証言」ではないと見ることも出来るかもしれない。(こちらは実際には相当無理があると思うが)

だが、雲取山証言の問題はまだまだ大きいのである。
江川氏の第14回公判メモを引用する。
片山氏は「人に見られないで埋められると思った理由」を以下のように述べている。

――人に埋めるところを見られるとは思わなかったのか。
一応考えたが、12月初旬は日が短いので日帰り登山は少ないだろう、と。朝6時に上り始め、昼前には山頂につくのであまり人はいないだろうと思った。

つまり、人の少ないうちに山頂に着くために、(ヘッドランプまで使って)冬の遅い夜明けのずっと前から登り始めたというのである。
「人に見られず埋める」と云うことに気を使っていたことになる。(途中七ツ石山に登ったのは、その点では多少なりとも時間を使うので違和感もあるが、小屋のトイレを借りたというし、登山も楽しみたかったと云うことで「これぐらいはいいだろう」と考えた可能性はある)

その上で山頂到着時の様子を次のように証言している。
――山頂に着いたのは?
10時40分頃。
――他に人は?
1人もいません。

人がいないことを狙っていた人物が、実際1人もいない状態に遭遇したら、「いなかった」ことは記憶に強く残るだろう。
しかし、本当のところはヤマレコ写真やコメントから、10時40分頃には少なくともB氏がいて、しかも三角点の写真を2枚撮っている。片山氏が試掘したという山頂標識も撮っている。
また、B氏コメント記述により10:37には5人ほどが山頂にいたということで、10:40過ぎになっても1人もいないことは有り得ないと考えて良いだろう。(しかもB氏が11:08まで間違いなくいたので、片山氏以外に人が1人もいないという状態にはなりようがない)

この事実に合わせて片山氏が今後証言を変更したとする。
しかし、保釈後インタビューでは次のように言っているのである。
山頂にいる時間、30-40分の間、常に人がいました。3、4人とか、多い時は6,7人

結果的に片山氏の山頂到着時の状況に関する証言は以下のように変遷することになる。
 「人がいた(少なくとも3、4人)→1人もいなかった→人がいた(5人ぐらい?)

保釈後インタビューは本年3月6日であるから、今後証言変更したとして、半年ぐらいの間に3回の変遷になる。しかも前述のように、自ら気にしていた点の証言である。
この変遷も含めて「誤証言」とする方はおられるであろうか。その場合、上記のUSBメモリ埋設場所や5分ぐらい人がいなかった時間帯の件も全部まとめて「誤証言」とするのだろうか。

結果的に、これだけ集まればもはや「誤証言」のレベルではなく「虚偽証言」の範疇だろう。それでもまだ違和感があれば「広義の虚偽証言」、「みなし虚偽証言」という表現にしても良いと思う。(そういえば本事件では、心理面で佐藤氏が「広義の発達障害」という言葉を使っておられた)

以上を、雲取山証言は「虚偽証言」に値するレベルという当方見解の解説にする。
なお、当方は客観的がモットーであり、この雲取山証言も「虚偽」や「嘘」とするために考察しているのではなく、客観的に考えたら「虚偽証言」になるという見方をしていることを念の為に付け加えさせていただく。
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更にまだ虚偽の疑いが出てくる証言がある。
まず今後の話であるが、「USBメモリ埋設場所」の証言を変更した場合、10:51写真の側面A下部には穴が見えないといけないことになる。片山氏が「穴はそのままにした」という証言も撤回しない限り、穴は存在しないと辻褄が合わない。

10:51写真の穴の存在については、光の加減や写真の解像度の問題で見えないだけかも知れない、という推測自体は有りえるだろう。しかし、光に関しては写真左奥側から陽が差している状態なので、掘った土を盛り上げた影が穴に掛かるような部分が見えてもおかしくない。写真の解像度も1600x1200と比較的高いが、少なくとも当方にはハッキリした穴のようなものは見えない。
10:51写真の穴の有無に関しては、弁護側から検察側に「鑑識結果として穴があるのか?」と確認していただきたいと思う。

次に「三角点に腰掛けた」と云う話である。片山氏は10:51写真に、USB埋設位置を示す「X」印だけでなく、その位置を隠すために三角点に腰掛けたという場所も「△」で示した。
また、関連して以下のように第14回公判(江川メモ)で証言している。

――USBメモリを埋めるタイミングはどうしたのか。
しばらく山頂で景色を見ながら人が減るのを待っていた。粉雪が降ってきて、人が減ってきて、3人くらいになった。それまで自分の足下に穴がくるようにして、三角点に腰掛けていた。穴がここに来るようにしていた(と、自分が座っている椅子を引いて、足の間を指さす)。誰もこっちを向いてない時に、埋めて、スコップを使わず、足だけで土をかぶせて埋めた。

実はこの「三角点に腰掛けていた」という証言も奇異である。というのは穴を掘りkokohore2を撮ってから、<左の方から人が来るのが見えたので、作業を中止してスコップを隠し「こんにちは」と挨拶しました。>ということであるから、挨拶後はそのまま三角点に腰掛けて穴が見えないようにしていたというのだろうか。

しかし、10:51写真では片山氏は三角点から離れた位置にいて腰掛けてはいない。「10:40頃着いて5分ぐらいの間に穴を掘った」という証言も撤回して、掘ったのは10:51以降にしない限り、一旦掘った後は三角点にずっと座っていたということは成り立たない。
ただし、<景色を見ながら人が減るのを待っていた>という場面は、三角点に腰掛けずに待っていたという証言にすることは考えられるだろう。しかし、その場合はいつから三角点に腰掛け始めたのか。雪の降る前からとして、例えば11時ごろからか。

そうなると10:40頃の5分後ぐらいから、11時過ぎまで穴が開いたままになる。片山氏は穴は小さいから目立たないというが、10:55には三角点の写真を撮った人がいる。その写真自体は、三角点周囲の地面は写っていないが、例えば撮影日付は違うが、以下の様なアングルから撮れば一発で見分けが付く写真が残っただろう。
イメージ 1

撮影者がどういうアングルで撮るか全くわからないから、非常に危険である。人に見られないように夜明けのずっと前から出発することまでしたのに、このようなリスクは平気で犯してしまうのだろうか。それでは余りにも行動に整合性がないと思う。
どちらかと言うと、「穴を開けたままにした」と云う証言の方が当方は疑わしく感じる。

更には、七ツ石山小屋の管理人以外とは「途中で人に会わなかった」という証言も、10:27頃から下山したA氏とのすれ違いの可能性などが有り、事実とは違うだろう。これも訂正するのだろうか。

以上
[追記]
当方検証の根拠となる写真のタイムスタンプについて、正確と考えられるということは以前から示してきているが、念の為に再度根拠を掲載する。
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1、B氏
 10:41の三角点写真は以下で、腕時計型GPSも一緒に写して附属機能で高度を測っている(2014m表示)。同時に時刻表示もされていて、10:41:26を示している。
 ヤマレコの10:41と合致しており、B氏写真の時刻は全て正確と考えてOK。(デジカメ時計もすぐには狂わない) 
イメージ 2

2.C氏
 10:51の片山氏が写った写真は超重要証拠で、警察はCさん聴取済み。
 よって、Cさんに聞いたり、Cさんの他の写真等から時刻も確認済みと考えられる。
 また、弁護側から検察側に「10:51で間違いないか?」と確認もできるだろう。 

3、ヤマレコ以外のブログの人
 10:55と10:59写真はiPhone4で正確。
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当方推論に使用している時刻は、上記1~3の方々の写真時刻が主なので、結果的に時刻ズレは殆ど無いと考えられる。

追記以上