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第14回公判 雲取山証言追加検証

昨日第14回公判の江川氏メモにない事実を紹介したが、江川氏メモに以下の記述がある。
――山頂に着いて何をしたか。 
急いで荷物を下ろし、スコップとUSBメモリを取り出し、埋める場所を探しました。 
――最初はどこに埋めようと? 
山頂として注目される標識があって、そこにうめようかなと思って根元の地面を掘ろうとしたが、固くて歯が立たなかった。他の場所も何カ所か試してみたが固かった。三角点だけ土質が違って、そこだけは浅くですが掘ることができた。

これに関して、埋める場所を探した際の詳しい証言があった。
まず「山頂として注目される標識」というのは、「最初は2千◯◯mの標識のところを掘った」ということなので、埼玉県側の山頂標識である。
そして「何ヶ所かやってダメで三角点の周りだけ違った」というのは同じだが、他の場所として「円柱のところは試した」と言っていた。
つまり、埼玉県側標識と10:51写真で片山氏が立っている横にある「円柱表示台」?の2ヶ所は掘ってみたことが確定。「何ヶ所かやってみた」ということで、仮にもう1ヶ所考えてみると東京都標識が候補になるだろう(山梨県側標識はずっと離れている)。

山頂に着いてから「急いで荷物を下ろし、スコップとUSBメモリを取り出し、埋める場所を探した」とのことだが、何ヶ所か少しずつ移動しながら試掘して、最終的に三角点付近に掘ってUSBメモリの入った袋を穴の傍らに置いてkokohore2を撮るところまでやって5分ぐらい。
相当な早技ということになり本当かという気もしてくるが、片山氏証言の通りなら5分ぐらいは少なくとも必要な作業だっただろう。それをやっている間、他の人がいなかった時間帯が本当に有ったのか。

これまでヤマレコ写真等で検討した結果によると、10:08~11:08までの間で5分どころか片山氏以外に人がいなかった時間帯は全くなかったように思われるのである。
唯一空白時間帯があったとすると、10:27~10:37の10分間であるが、10:37には5人程度いたというのであるから、この10分間のうちに5分ぐらいも人のいない時間が有りえたのか。

しかも、片山氏は公判で弁護人から「見られたか?」聞かれて、「掘ってる時は見られていない」と証言した。
山頂広場は開けていてほとんど死角が無さそうだから、片山氏の証言は「他に人がいない時に掘った」ということで一貫していることになる。
更に、10:37より5分前の10:32到着と仮定すると、これは「10:40頃」の範疇に入るか。10:32なら「10:30頃」到着と言うのではないか。

また以下写真のように、山頂は開けていて避難小屋方向から登ってくる登山道(写真左)からよく見える位置にあり、10:37到着のBさんには到着数分前から見えてしまう。(円柱表示台は陰に隠れて掘ると下から見えないかも知れない)
イメージ 2

スコップはリュックから出した黄緑のバッグに入れて持ち歩いた可能性もあり、その場合10:51写真でも分かるように非常に目立つ色のバッグで印象に残りやすくなる。(実際にバッグに入れて持ち歩いたかどうかは今のところ分からないが、携帯用とはいえスコップを持って歩いているのは目立つから、一見しただけで覚えられてしまう可能性があり、片山氏がそこに気を使ったかどうか)
また登山道が一本道なので、10:27下山のAさんともすれ違うことになり、「途中で人には会わなかった」という証言も矛盾が出る。加えて極めつけは、埋めた側面の証言が全く事実と違う。
この矛盾だらけの証言は今後どのように検証されるのだろうか。

なお検察側は、「埋めた」と云う証拠は見つけられていないから12月1日「頃」と曖昧にせざるを得なかったと考えられる。しかし、全面自供しているのだから、取り調べで雲取山行動の詳細を聞いて辻褄が合うか確かめているはずである。弁護側はその結果を要求すべきと思う。
ただし、埋めた場所の証言の明白な間違いに対して、検察側が異議を唱えなかったのは、単にスルーしただけでなく雲取山に関しては片山氏が埋めたことを証明しきれていないから、余り触れたくないということさえ考えられる。

もし、真犯人メールが無いまま進んでいたら、雲取山に関しては検察側の「片山氏が埋めた」という主張に対して、「合理的な疑い」が出てくることになっていただろう。

以上
[追記]
他にも雲取山関係で新事実ではないが、公判で以下の内容が明らかにされた。

穴の深さ
 片山氏は「少し掘ったら硬くなったので10cmぐらいと思っていた」とのこと。
 それに対して、弁護人が「検察側は19cmだが?」と聞いた。
 片山氏は「(19cmは)思ったより深いと感じた」と言った。

検察側のポンチ絵にあった19cmという寸法は、土台下からの距離であって地表から掘った深さではない、ということは当ブログでrec*lde**des*さんからの指摘を頂いて紹介済み。
しかし、残念ながら弁護側も片山氏もまだ認識が違うようである。
イメージ 1

但し、本当は分かりにくいポンチ絵を出して誤解させた検察側の責任が大きいだろう。(しかも検察側は公判での弁護側の19cmという話に異議を唱えなかった)
土台下の地表が斜めなので土台下からの位置を記入するのは良いが、掘る時間の推測などにも関連してくるから、地表からの深さにも言及しておくのは当然のことである。

また、片山氏は掘ったのは10cmぐらいと言っていて、kokohore2写真もその程度の深さはあるように見えるのではないか。
しかし、側面Aの下側は土が流れて掘る前から相当えぐられていた。土台下から地表まで16cmぐらいにも達していた可能性がある。
その場合は、19 - 16 = 3cmになってしまい浅すぎる。
地表からの穴の推定深さを検察側に提出してもらうのは必須と思う。

追記以上