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第14回公判後記者会見(心理鑑定について)

佐藤氏が会見で情状鑑定(心理鑑定)について以下のように述べて、正式鑑定の決定を求めていた。(ビデオニュース16分頃~)

<(長谷川氏は)「まだ鑑定人になる前なのでコメントは控える必要があるが、明らかに「自閉症スペクトラム」といわれるものに該当する。意識的に嘘は言ってないのだけども抑圧というものがあって、本当の意味の彼が抱えている問題というものが全部明らかになっていない。それでカウンセリングなどを通じてそういう抑圧を解くことによって、手がかりが見つかるはずだ」というようなことを言われている。
先生(長谷川氏)の経験からも、弁護側が頼んだ私的鑑定ではパネルを通じての面接しか出来ないし、何よりも必要な器具を使った検査が出来ない。ぜひとも正式な裁判所の鑑定にしてほしい。>

→「自閉症スペクトラム」という用語が出てきている。当方も佐藤氏が「広義の発達障害」という言葉をこの所使っていたので何を意味するか調べてみていた。その結果佐藤氏が云うところの「広義の発達障害」を、もっと正式に「広汎性発達障害」と捉えると、そこから「自閉症スペクトラム」につながるようである。
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自閉症スペクトラム(Autistic Spectrum Disorder、略称ASD)とは、自閉症アスペルガー症候群を含む高機能自閉症などの各疾患を、知的障害レベルや自閉症状の強弱によって連続する広汎性発達障害と捉えた概念のことです。>
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その先は上記解説にもある「アスペルガー症候群」の話などが出てくるのではないかと推測している。
また、片山氏自身が言っている「サイコパス」についても、「悪の教典」の主人公などと比較して「サイコパスではない」と云う意見もネットで出ていたりするが、或る程度はその要素を持っている可能性はあるだろう。
結果的に例えば”アスペルガーサイコパスの合併症状”などという診断になるのかもしれない。
ただ、「アスペルガー症候群の名称を無くして、自閉症スペクトラムに統一される」と云うような話もあったりして、心理学用語は色々ややこしいが、著名な専門家の長谷川氏が的確にやって頂けると思う。

なお、心理学の専門家とは観点が違ってくると思うが、当方がずっと本事件を追ってきて、片山氏の心理に関して最近とみに重要と思うのは「嘘」の捉え方である。
片山氏は自分でも「嘘が平気でつける」と述べている。しかし、心理学や精神医学の専門家は、基本的には「嘘」の中身まで細かく分析しないのではないかと思われる。特に精神医学の医者に関しては、片山氏も心療内科にずっとかかっていたが、一回の診察時間は2004年頃受診のS医師の場合で5分~10分程度だったそうで、主に簡単な問診して薬を処方するというようなことではないかと思う。(今回の長谷川氏はどのような取組をされるかまだ不明)

しかし、今回の事件ではネットという媒体により情報が多く、証言に対して裏付けが取りやすい。そのため証言の真偽が検証可能で詳細分析が出来る。
端的な例になると思われるのが、昨日紹介したUSBメモリを埋めた場所の証言。
kokohore1で側面Aを示し、そこに穴を掘ってkokohore2を撮ったのは片山氏自身なのに、自供した後にも関わらず事実と異なる側面Bに印まで付けて法廷で証言している。

しかも、「写真が右にずれていたら穴が写っていた」という補強証言までしていたことも昨日紹介したが、更に「穴は写っているか?」という弁護人(竹田氏)の質問に「写っていない」と明確に答えていた。これも側面Bだという補強になる。(側面Aだと「穴が写っている」と言うか、少なくとも「写っているはず」と答えなければいけなくなる)。
なぜここまでして事実と違うことがすぐ分かる側面Bを示唆しようとするのか真意不明。

また、延長戦メールで片山氏は以下のように書いている。
<ネットで見た12月の写真だと、三角点の土台周りの土が風化して減っているようです。
これでは私の埋めたものは露出して拾われたか飛ばされたか・・・>

→一ヶ月後に改めて確認した結果を書いていて埋めた場所の記憶は更に強く残り、今となっても場所を勘違いするとは到底考えられない。(側面B右下は土で埋まっていて、減っているのは側面A下部)
警察の現場写真や図なども当然開示証拠や法廷で見ている。それらで示された明白な事実や自分で示した内容にさえ矛盾することを堂々と述べている意図や経緯を確認することは、実質的な心理分析にとって大きな意味があるだろう。

片山氏は被告人質問に驚くほど淀みなく答えている印象で、相当頭が良いと感じた。また、どの質問にも素直に答えている印象も受けた。それなのに事実と大きく違う証言になる理由は、心理分析においても重要な要素になると思われる。
片山氏の雲取山証言はこの所検証してきたように、埋めた場所だけでなく時系列等でも疑問が多く、弁護団におかれては以下の様な確認を片山氏にしていただければと思う。
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[事実関係]
(1)頂上到着時刻…10:40頃ということであるが、出来るだけ正確に云うと何時何分か?また、時刻は腕時計やスマホなど、何で確認したか?
(2)頂上での人の存在…到着時には本当に他に人はいなかったのか?少なくともB氏が10:38と10:41に三角点の写真を撮っており、三角点周囲にいたのは確実。さらにB氏によれば10:37に5人程度の人がいたというのだから、10:40頃にB氏も含めて全く人がいなかったことは考えにくいのではないか。
(3)kokohore2撮影時刻…穴を掘り終わってkokohore2を撮った時刻は? Exif情報の時刻は消しているが、その時刻は記憶していないか? 詳細記憶なくても大体で言える撮影時刻は?
(4)三角点への腰掛け…10:40頃から5分ぐらいの間で穴を掘り、人が来たので三角点に腰掛けて穴を隠し、USBメモリを埋めるタイミングを待ったとすると、10:51写真で三角点から離れているのは辻褄が合わないのではないか? 実際は人が来た後に、穴をそのままにして一旦三角点から離れていたのか?
(5)10:51における穴の存在…10:51写真の側面A下部に穴は有るのか無いのか? 有る場合は写真をよく見ると見えたりするのか?(少なくとも当方には見えなかった) 
(6)10:51より後で穴を掘った場合の時刻…10:51までには掘ってなかった場合、実際に掘った時刻は? 
(ただし、10:51写真で片山氏以外に少なくとも5人写っているのが見える。更に、撮影者C氏は雪が降って来るまで滞在し、画角外にも登山者がいた可能性も充分ある。結果的に10:51以降は他に人がいない状態でkokohore2を撮るのは困難と思われる。しかも10:08頃からは雪になりkokohore2のように陽射しがある写真は撮れない)
(7)片山氏版「ここほれ」写真の撮影時刻…雪が写っていたというが撮った時刻は?
(8)下山時刻…下山開始は何時頃か?

[証言意図]
(9)埋めた場所と三角点に腰掛けた位置…側面B写真欄外という事実と相違する証言の理由は何か?
(10)途中で会った人…「七ツ石小屋管理人以外には人に会わなかった」というのも事実ではないと思われるが、そう証言した理由は何か?
(11)山頂到着時刻真偽…もし今回証言の到着時刻が真実ではない場合、その理由は何か?(既述のように到着時に他に人がいなかったとは考えにくいので、もし本当に人がいなかったのなら、到着時刻の方が真実ではない可能性が出てくる…ただし、それでも当日10時台に5分ぐらいも人がいない時間帯があったとはなかなか考えにくい)
(12)山頂の雪…公判証言ではないが、江川氏のインタビューで「山頂に着いた時は粉雪」と述べたのは何故か?
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せっかく弁護側は詳細な被告人質問で真相を明らかにしておくという重要な取組をされているのだから、雲取山もきっちり解明しておくためにも上記項目等の確認を望みたい。

以上