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第14回公判6(埋めた場所の証言)

今回公判の雲取山証言に疑問が多いということで取り上げてきたが、更に大きな驚きの証言をご紹介する。

当方は今回の公判を傍聴した。ただし、メモ取りは上手くないので、江川氏のまとめられた傍聴メモを元に雲取山証言を考察してきたが、江川氏メモにも取り上げられていない証言があった。
それは”USBメモリを埋めた場所と、穴を隠すために三角点に腰掛けていた位置”に関するものである。
被告人質問において、弁護人(竹田氏)が10:51写真を使って片山氏に埋めた場所の提示を求め、廷内に写真の画像が大きく映し出された状態で証言があった。このような状況の説明は文章だけではやりにくいから、江川氏も省略したのではないかと思われる。

大体再現してみると以下のようになる。弁護人が片山氏に対して、まずUSBメモリを埋めた場所を「X」、次に腰掛けた位置を「△」で証言台の片山氏手元にある写真に印するように求めたものである。
イメージ 1

片山氏が印した「X」と「△」の位置は、側面Bの写真の外側(欄外)だった。(「△」の位置は「X」の上方になる)
しかし、kokohore2は側面Bでなく側面Aを撮ったものであることは明白。
(側面AとBの位置関係は後掲写真で詳細解説)

今まで当ブログを見られて来た方は上掲写真で一目瞭然と思うが、更に分かりやすくするために、埋めたのは側面Bではない理由を2点あげて以下の拡大写真にも記入する。
 (1)側面Bは影になっているので、kokohore2でくっきり見える金属ボルトの影は出来ない。
 (2)側面Bの向かって右側の下部は土で埋まっており、kokohore2で見える土台下の隙間は無い。
イメージ 2

更に、片山氏は位置の印をした後に、「写真が右にずれていたら穴が写っていた」という証言までしていた。ちょっとした勘違いや印の付け間違いなどではなく、明確に側面Bと認識していることになる。
当方も法廷で聞いた時に驚いて、その後も一体どういう意味があるのか考えても分からない。それで、いきなり紹介すると当方も皆さんも混乱しかねないと思い、雲取山証言では他にもタイムラインなどで大きな矛盾が多々あることを示してから、最終的にこの証言を紹介することにした次第である。

弁護側の被告人質問での証言であるから、当然事前打ち合わせをしていたと考えられる。つまり、被告人・弁護団とも側面Bの位置で納得していることになる。また、検察側も映しだされた画像に印が付いて位置がすぐ分かる状態なのに全く異議を唱えなかった。
ただし、弁護団はkokohore2との比較より片山氏の話を基に10:51写真での埋めた位置を認識していると考えることも出来るだろう。検察側は位置が違うのが分かっていてもその場ではスルーしたのかも知れない。
しかし、片山氏本人はkokohore2が側面Aであることを当然分かっている。掘っただけでなくkokohore2を撮り、その後も穴の上の三角点土台に腰掛けて埋めるタイミングを待っていたというのだから、間違えることなど有り得ない。
イメージ 4

加えて、kokohore1で「このへん」と指示された位置は明らかに側面Aである。側面Cの後方に棒があり、その反対側が側面Aになるのですぐ分かる(三角点の影でも分かる)。
イメージ 3

結果的にkokohore1、kokohore2とも矛盾なく側面Aを示しているのに、自供した後の法廷で側面Bと明確に証言しているのは大きな謎である。また、kokohore1の「このへん」位置は弁護団も容易に気づくと思われるので、弁護団が知っていて側面Bと証言させたとしたら、その理由も不明。
異議を唱えなかった検察側はどう考えているのか分からないので、まずは弁護団から片山氏に再確認してもらうしか無いと思う。

なお、当方として概略の考察を行ってみると、側面Bが間違いであることは明白だから、考えられるのは以下の様な可能性になる。
 (1)片山氏が虚偽証言をしている
 (2)片山氏が単に記憶違いをしている
 (3)片山氏は単なる記憶違いではなく、何故か本当に側面Bと思い込んでいる

→(2)は前述のようにとても考えられない。しかし、(1)も今更そんなことをして何の得になるのかということになる。そのため本来有り得ないと思われる(3)を追加してみたが、この場合は片山氏の精神状態を考えてみる必要が出てくるだろう。

いずれにしても、埋めた場所という重要事項について、全くの間違いとすぐ分かる証言が堂々と公式に行われている。心理分析の前にまず雲取山証言における他の疑問証言も含めて、真偽を確認しておく必要があると思う。
また、”片山氏は本当は埋めていないのではないか?”という論議も当然出てくるだろう。当方は片山氏犯人で間違いないと現在も考えている(雲取山以外の証拠は片山氏犯人の方が辻褄合うものが多い)。しかし、雲取山だけは片山氏が登ったのは写真から確実だが、証言の裏付け検証からは”埋めたとするには辻褄が合わないことが多い”というのが率直な今の見解である。

更に上記の(2)は考えにくく、精神状態として(3)も無いとしたら、(1)になって何らかの理由により虚偽証言をしている可能性が高いと想定せざるを得なくなる。そこまで行くと「埋めた」という根本証言も疑ってみる必要が出てきてしまう。その先は「実際には誰が埋めたのか? その動機や経過などは?」ということにもなってくる。
検察側当初主張の12月1日「頃」という曖昧さや、公判前整理手続で持ちだしたという「情を知らない第三者」の話も、検察側として実際に何か可能性を考えていたのか?という思いもよぎる。
しかし、ここまで来て片山氏が埋めていないという大どんでん返しが本当にあるのか、という疑念も当然あり、今後も色々な角度からじっくり検討したいと考えている。

なお、wamogaさんは以前から「片山氏が犯人ではない」という観点から検討をされておられるが、皆さんもこれだけの矛盾に関して、ご見解が様々出てくると思うのでコメントありましたらよろしく。

以上
[追記]
側面Bに関して前から気になっていたことがあった。2013年1月20日にC氏が警察の聴取を受けた際の写真に記されたコメントで、「このあたり」となっているのが丁度側面B付近になる。今回証言と何かつながりがあるのだろうか。
憶測になるが、例えば警察で<元写真の右端に写っている人物(片山氏)が後で「このあたり」に座らなかったか?とか、「このあたり」に穴がなかったか?>などを聞かれた際に写真に書込みが入れられたかも知れない。ただ、そうなると警察も側面Bを意識していた事になるが、その理由は今のところ推測できていない。
イメージ 5

なお、これも憶測になるが片山氏が側面Bに埋めたように誘導しようとしていると仮定してみると、その意図として「10:51写真の側面A下側には穴がないことを隠す」という目的が考えられるかも知れない。そして、側面Bの写真外側の部分に穴があるということにすれば、実際には穴がなくても辻褄が合わせられる。つまり、10:51にはまだ穴が掘られてなかったという推測が出来てくる。

ただし、その場合も何故まだ隠そうとするのか理由が分からないし、実際は何時頃に掘られたのか? 別の日に埋められたり、他者の関与があったのか?と云うところまで疑問が拡大する。
また、弁護団に本来側面Aであることを気づかれる可能性があるのに、仮に片山氏が虚偽見え見えで側面Bに誘導しているとすると、その心理も謎になる。
(もし弁護団を信用させられても、そこから更に何かシロにつながる虚偽などに持って行こうとしたら、検察側が当然気づく)

埋めた場所や時系列は重要な事項であるから、是非弁護団の方々は次回公判後記者会見などで片山氏への再確認結果を明らかにしていただきたいと思う。

追記以上