kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

心理面追加

本日は第14回公判が予定されている。前回公判から長谷川氏が弁護団の横に座ったとのことだが、前回公判後記者会見でも情状鑑定への質問が多く、マスコミも関心が高いと思われる。
当方も心理面を重視してきたが、更に気がついたことがあるので記す。

(1)真犯人メールとそれまでの犯行予告・メール等との作成時心理の違い
第11回公判の江川氏傍聴メモに次の片山氏証言がある。
――メールを作成した時の心境は? 
逮捕される前にメールやラストメッセージを書いた時は、愉快犯的な気持ちで警察や世間をバカにする気持ちで書いたが、今回の「真犯人メール」の時は、助かりたいという気持ちで必死になった。違う頭で書いたことが、文体が違うと言われた原因かと思う。> 
しかし、実際に考えてみると、真犯人メールの方が挑発的な長文タイトルやそれをすぐ否定する軽さ、顔文字や2ch用語使用、「肥溜め」や「奈良の鹿」まで出て来るなど、「愉快犯」的な気分で書かれているのは一般的な目から見れば明白。
それなのに片山氏は真逆の認識をしている
犯人の気持ちで愉快犯的な気分で書いたほうが、一部を除いて基本的に淡々とした書き方になるという逆転した思考形態を持っているということになりそう。
そして本人の地で書いたほうが「軽さ」という特徴が出てくる。。
片山氏と同世代の「キレる17歳世代」の人達とは軽さの度合いが大きく違うように思う。片山氏の述べている主たる動機が「腕試し」というのはそれを表していると云えよう。
つまり片山氏は他の人達と違うので、本事件の犯行や逮捕後の対応について、今まで類型と考えられる犯罪事例はあるのだろうか。もしかすると、従来例に無い、或いは海外では有るかも知れないが日本では殆ど無いような特異な心理状態で起こされたとは考えられないだろうか。
心理分析では、本事件後の専門家?のコメントでも、「何とか障害」という形で当てはめて語っている人が多かったと思う。しかし、その「何とか」の部分が色々あって定まらなかった。(つまり、余りあてにならないように個人的には感じた)
長谷川氏はどのように鑑定するだろうか。

(2)性的な面と攻撃性
真犯人メールのタイトルが異様なことはこれまで何度か言及している。
改めてその中の2つに注目してみた。(原文はsatoru氏ブログ等参照)
 A. 皇居にロケット砲を撃ち込んで*****を始末する
 B. ◯◯をXXして天皇制断絶
Aの方はイタズラの犯行予告の常套句のような感じがするが、Bはそれに性的な面につながる可能性があるXXが入っている。これと味方のようになっていた江川氏への酷い文も含めると、性的な傾向や妄想における攻撃性などが見えてくるかも知れない。
心理鑑定とは親和性が高い分野と言えるだろうから、今回や前科時の脅迫文などとも併せて心理解明の緒が見いだせるか。

(3)頭の良さと小児性
wamogaさんが指摘しておられて、当方も同感なのが河川敷に隠した理由の一つとして明かされた以下のこと。
上を通る高速道路の車から発信されたと見せかける」
実際に警察が騙されるかどうかは別として、自動車なら通り過ぎて行くから特定困難という発想はなかなかのものだと思う。
iesysの発想なども含めて思考能力は高いと考えられ、その点では小児的ではない。
しかし、CSRFも色々工夫して成功させたが、実際は肝心のReferer対策が抜けていて本来は容易に見抜かれるものであった。
やはり全体的に見ると頭の良さと同時に、佐藤氏が云う「広義の発達障害」のような面があるのも確かであろう。
「腕試し」というのもそうだろうし、(1)項で取り上げた真犯人メールの記述等からも伺える。
また、kokohore1がヤマレコ流用とバレた後も10月から仕込んだと強弁していたり、GPSデータ改ざんが判明した後で再度神奈川新聞を使ったことなども、極めて自己中心的で客観的に物事を考えることが必要な頭の良さからは乖離しているように思える。
総合して考えると、「何からの発達障害」の可能性はあるが、それだけでは無いように個人的には思える。この辺の不思議さを心理分析のプロが解き明かしてくれるか。
なお、本事件の不思議さは検察側の不可解な対応による面も大きく、そこはどう扱うかも重要と思う。長谷川氏の範疇ではないが、検察側の今回の対応の問題点に関しても、本来は何らかの形での詳細調査が必須。また、心理分析でも或る程度は検察側の対応による要因を取り上げる必要も出てくるだろう。

(4)前科時の通院
江川氏の第12回公判傍聴メモでは通院は以下のようになっている。
――平成16年(2004年)1月22日から3月15日までS病院に通っていたが、診断名は?
――S医師は回避性人格障害の疑いがある社会的引きこもりとしているが、そう診断されたことは?
ないです。
しかし、rec*lde**des*さんの傍聴メモによると以下の状況だったようである。(7月21日コメントより)
1年2ヶ月に亘り、約60数回通院している。医師の診断は、世の中の難しいことに対応できないことで陥りやすい回避性人格障害であり、精神病ではない
1年2ヶ月ということは、江川氏記述を「平成16年(2004年)1月22日~2005年3月15日」であったと考えると辻褄が合うので実際はこちらではないかと思う。(前科の事件は最初の仙台小学校が2005年9月)
1年2ヶ月で約60回というと、平均すると週1回程度の通院を1年2ヶ月も続けたことになる。
これは相当重度と云える範疇ではないか。初犯で実刑ということは、この精神状態は量刑で殆ど考慮されなかったのだろうか。
裁判長が服役で回避性人格障害が矯正されるかもしれないと見抜いて実刑にしたのなら凄い洞察力だが、そのようなことが有ったのか。判決の内容を知りたいものである。
また、当時の弁護士や両親が以下のように早々と控訴を諦めたのはどういう事情だったのだろうか。
――控訴しなかったのはなぜか。 
弁護士から控訴しても執行猶予がつく可能性は低いと言われた。両親からも、「長引かせるより早く服役した方がいい、(控訴審の)弁護士費用は出さない」と言われた> 

加えて、2012年に医師に掛かっていた時の以下の様な状態は心理分析ではどう認識されるだろうか。
仕事に集中できない。以前自分が書いたプログラムも読めなくなっていた」
旅行など趣味の部分は問題なくできるのに、仕事になるとダメ。事件に関することをやる時は調子がいい。自分で新型鬱と自己診断した
これらの発言からすると一応詐病ではなかったようなので、この様な都合の良い心理状態は現在の精神医学でどのような診断になるのだろうか。
(余談だがこのような人が増えてきたら、社会は持ちこたえられるのか)

以上