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2chの「祭り」から考えられること

この所検討してきた雲取山は、現状ではまだ山頂到着時刻さえ特定できなかった。
片山氏が時刻まで述べていたら、それから検証できるのだが「雪が降っていた」とか「(到着時に)他に誰もいなかった」などの証言はあるが、時刻は無い。
しかも、弁護側の被告人質問で触れてないだけでなく、rec*lde**des*さんや江川氏の傍聴メモにある検察調書の内容朗読でも今のところ時刻が明らかにされていないようである。
裁判にはあまり関係ないということなのかもしれないが、外野から見ていると非常にフラストレーションが溜まる状況である(笑)

雲取山以外にも不明点は多々あって、その中で今まで殆ど取り上げられていないと思う点を本日は書いてみたい。
それは1月1日謹賀新年メールと1月5日延長戦メールによる2ch祭りへの片山氏の参加有無である。
まず第12回公判の被告人質問で、以下のやりとりがあった。
< ――のまねこ事件は? 
のまねこ問題で、祭状態になって、いろんな書き込みがあった。そこに「燃料投下」と言われる行為をした。祭をさらに大きくしてやろうという気持ちです。 
――本件でも「燃料投下」を言える行為があったか 
一連の事件では、10月に遠隔操作だと言われ始めたところに、(犯行声明の)メールを送った。> 

2chの醍醐味の最大のものは「祭り」であろう。「祭り」に関してネットで以下の様な説明例がある。
巨大掲示板2ちゃんねる内で、あるスレッドが爆発的に盛り上がっている状態」
掲示板にリアルタイムで次々と書込みが殺到する。
謹賀新年・延長戦メールでも祭りと言ってよい状態になっていた。当方はリアルタイムでは見ていないが、過去ログで確認していて、深夜から早朝にかけて、またその後もずっと盛り上がっていた。

片山氏も当然これを見ていたと想定してきた。自分が起こした祭りを見ないということはないと思ったからである。しかもリアルタイム性に醍醐味があるから、後で見たのでは面白さが下がるので本来見逃すはずがない。

これが何故重要かというと、特に5日未明の延長戦メールでは片山氏は3日に江ノ島に行ったばかりということになる。神奈川新聞が4日でも、犯人ではない人がたまたま3日に江ノ島に行っていて、祭りで話題になっている猫に触っていたら物凄い興味が湧くのは当然。
時間が経っていないから記憶も鮮明で、写真も撮っているから、その時使ったスマホやカメラ等に該当猫の写真があるかすぐ確認する。
3日の江ノ島と猫の状況や写真を2chに投稿すれば、一躍祭りの重要人物になること間違いなし。片山氏が祭りを見ていてしかも犯人でなければ、元々2chのヘビーユーザーなのだから情報を書き込まないことはまず考えられない。

よって、取調べを行っていれば1月1日の祭りも併せて、例えば以下の様な手順で片山氏の供述の矛盾を暴き出せたのである。
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 (1)まず、「1月1日の2ch祭り状態を見ていたか?」と聞く。
 (2)もし「見ていない」と答えても、「すぐ後で知ったのではないか?」と聞く。
 (3)「知らなかった」と答えたら、「TVニュースや2ch、yahooなどネットで知ったのではないか?」と畳み掛ける。
 (4)それでも「知らなかった」と答えたら、その前年から遠隔操作事件について「yahooのヘッドラインなどで見て知っていた」という証言をしているのだから、1月1日はともかく、それが報道された後の1月5日の祭りの件も知らないというのはおかしいとすぐ分かる。
 (5)「祭りを知っていた」、或いは「見ていた」と答えたら、「何故自分が3日の情報を持っていたのに書き込まなかったのか?」と問えば良い。「装着が4日だから書き込まなかった」などという陳腐な答だったら虚偽とすぐ分かる。(特に2chユーザーは分かる)
 (6)「江ノ島で該当猫の写真を撮ったかどうか分からない」という曖昧な話を逮捕後しているが、余りにも不自然。祭りがあって、たかだか1日半ぐらい前の記憶を思い出して再確認できているのだから、後になっても当然覚えている。検察側は取調べを行った上でこの矛盾をリークすれば、世論も変わっていた。(当初DorpboxやFBIなどのリークがあったが、もっと身近な「祭りを見ていたかどうか」という情報の方がよほど重要と思う)
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また、両日の祭りに際して、片山氏がそこに全く知らん顔をして何か書き込んでいた可能性もあると当方は推測している。その際にはTorでは書き込めないから、自宅回線かスマホIPアドレス2chサーバー履歴に残る。
警察は2chからログ押収しているから、祭りに関連するスレは沢山あったが、IPアドレス照合するのは容易なはずである。片山氏の書込みの有無を警察・検察は調べていないのか。
また日常的にも、片山氏の2chの利用状況を聞いて確認すれば、祭りを知っていたかどうかなど、すぐに分かる話。多分毎日見ていたというような状況ではないか。それを「殆ど見ていなかった」というようなことを言っても、長年に渡ることだから書込み履歴などから矛盾を示せるだろう。

このように調査のやり方は色いろあるのだが、全くそういう話が出てきていないと思う。
そして、「片山氏の嘘を証明する」というスタンスで検察が取調べをやっていたら、供述の矛盾を突いてまず間違いなく落ちていたと当方は推測している。その際には証拠として録音(録画)があったほうが証明しやすいから、録音(録画)取調は検察側の方に有利だったぐらいであろう。

先日も書いたが、検察側は<あなたに言い分を聞いていると、1から10まで警察がお見通しでないと、捜査は失敗だという理論に聞こえる。>のような言い方をしてるとのことで、警察を含めて「100%ではないがちゃんとやっていた」という印象を与えようとしているかのようである。
しかし、前述のように祭りに関する情報だけでも相当追い込めたと考えられるし、実際には例えば以前にも指摘した川崎駅の件など取調べで追い詰めるネタには事欠かず合せ技にも出来る。警察・検察とも取調べを行わなかったということは、及第点よりはるかに下の捜査レベル。つまり、如何にエリートらしい詭弁を弄そうとも、明らかに失敗していたということである。
取調べで必ず落とせたし、落とせなかったら技量不足ということになるだけである。片山氏自身も能力のある取調官だったら言い逃れできたかどうか分からないと言っている。
片山氏の真犯人メールによるあっけない発覚で、弁護側が警察・検察側の問題点を追求しにくくなったのは、捜査の問題点を見なおしてもらう機会を失うことになった面もある。

以上