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「黒子のバスケ事件」との再比較

以前記事で量刑比較を行ってみた「黒子のバスケ事件」も公判が進んでいて、6月27日(金)に第4回公判が行われ、その傍聴メモがあったのでご紹介。非常に詳細で情報量が多い。
”■「黒子のバスケ」脅迫事件第4回公判”

本事件との比較で当方がポイントと考える事項を傍聴メモから抽出してみた。
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(1)(いじめの内容は別にして)いじめが影響しているのは共通である。
【弁】今の時点の認識での動機の説明を。
【被】私は子供の頃からいじめられていて、自分自身が存在していなかったような感じだった。自分自身を騙すような設定があった。

(2)反省・謝罪の念に関して、黒子の被告人は一切反省しないとのことであるが、片山氏は現状で反省しないのではなく、どうすれば良いかまだ気持ちの整理がつかない状態と考えられる。今後反省・謝罪をしっかり行うことも十分期待されるだろう。
【弁】今回の事件について、「反省は一切しない」と言っているが?
【被】今でも変わらない。

(3)リアルでの犯行では、黒子の方は硫化水素と毒物(薄いニコチン)混入があるが、片山氏はメールはあるがリアルでの犯行はない。黒子の方も実際には人に危害は与えていないとはいえ、単なる犯行予告だけでなくリアルでの犯行行為が入ると、世間に与える脅威は大きくなると考えられる。
また、黒子の方は以下のようにその後の対応まで考えていたということで、悪質性が高くなる。
【検】そのために、どんなことをしようかと考えていたのか?
【被】例えば、本屋にガソリンだけ撒いて火を付けずに逃亡して、「黒子のバスケ」の単行本を売るのを止めないと次は火を付けるぞと言うとか考えていた。

(4)服役後の対応で、黒子の方は自殺を公言しているが、片山氏は社会復帰をするつもりでそれがうまく出来るか心配している。
【裁】最後の質問だが、今回の事件で法の報いを与えなければならない。いつかあなたは社会に戻らなければならない。そのときどうするのか?
【被】名残を惜しんだら首をつるつもりである。首をつる場所も決めてある。
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これらの比較は全体のごく一部であるが、当方の印象としては本事件の量刑を推定するにあたって黒子の事件は重要であると改めて感じた。
情状において、片山氏の方がマイナスなのは再犯ということが大きいが、黒子の方は上記のように「一切反省しない姿勢」、「リアルでの犯行行為」、「服役後の自殺公言」などで非常に心証が悪くなると想定できるだろう。

よって両方の事件を比較すると、量刑的には黒子の方が初犯であることを考慮しても同じぐらいか、或いは重くなっても不思議ではないように当方には思える。
本事件には「ハイジャック防止法」という重罪適用があるが、以前の量刑比較検討記事でも示したように黒子の方も起訴はされていないとはいえ、最長刑が10年と同じである「毒物混入防止法」の適用が検討された経過もある。(硫化水素の方も障害未遂などの可能性も有ったかもしれない)

こういう状況で、黒子の方は併合罪適用でも4.5年(4年6月)求刑が最長である。
黒子の方が結審も早く、報道によると7月18日に論告弁論が行われるということで、その際に求刑も行われると想定される。
検察側がどのような求刑にするか注目したい。

以上
[追記]
黒子の方は被害額も大きく総額3億円にもなるのではないかという話もある。
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黒子のバスケの脅迫事件の被害額が半端じゃない、傍聴者による被害額のレポート”
ということで、今日の追起訴関連分だけで、被害額は1億五千万円超。第一回公判の上智大学セブンイレブン分(誰か被害額ご存知?)、次の第三回公判(おそらくスタジオYOUとコミケットの検察側立証)分を合わせると、総被害額は、3億円にはなるのではないかと。
2014年4月30日 3:04 PM
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本事件でもJAL機引き返しの被害額が大きいと想定されるが、それでも全体としては黒子の方が大きいのではないかと推測される。(黒子の方も賠償の意思と能力無しは同様)

追記以上