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ビッグデータによる捜査

先日黒子のバスケ事件との量刑比較を行ってみたが、捜査面でも両事件は類似の話がある。
以下は産経新聞黒子のバスケ事件報道で、容疑者特定に43億5千万件のアクセス履歴が役立ったという内容になっている。関連して遠隔操作事件の方も90億件の履歴から共通IPアドレスによる事件関連サイトの閲覧が分かったと書いてある。
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ビッグデータが容疑者特定に寄与 キーワード絞り込み「鍵」”
<(黒子のバスケ脅迫の)一連の事件では昨年10月以降、関連イベントの運営会社などに約400通の脅迫文が送られたことが確認された。警視庁捜査1課は犯人側が事前に会社のサイトを下見したとみて、約70社から計約43億5千万件に上るIPアドレス(ネット上の住所)のアクセス履歴の提供を受けて分析した。
 今月上旬になり、共通項として浮かんだのが、大阪市内の複数のネットカフェのパソコン(PC)が利用されていたこと。捜査関係者は「イベント日程などの確認のため運営会社にアクセスするにしても、会場の運営会社まで同じPCからアクセスがあるのはおかしいと感じた」と指摘する。>

<遠隔操作ウイルス事件では、脅迫メールが送付された自治体・企業のサイトやネット掲示板の約90億件の履歴を解析。事件発覚前に横浜市や都内の幼稚園、芸能事務所などのサイトを共通のIPアドレスで閲覧していたことが分かった。
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しかし、遠隔操作事件の方は共通IPアドレスから犯人(片山氏)を割り出せておらず、江ノ島カメラで特定に至ったはずである。
ただし、片山氏は事件関連サイトを生IPでアクセスしていたというのが検察側の大きな証拠になっている。(生IPはスマホや10月からの派遣先、或いは自宅か)
そうなると共通IPで片山氏に辿りつけた可能性は充分あるということにもなってくる。

だが特別弁護人の野間氏は、「したらば掲示板」から辿りつけていたのではないかと述べていたが、その際に関係先閲覧履歴のことには言及していなかった。
また、片山氏は関連先の共通アクセスで前科時の逮捕に至っているという事情があり、再度しっぽを掴まれるのが分かっていることをやっていたとも考えにくい。
結果的に警察と片山氏の両方に謎があることになる。
 (1)警察…共通IPアドレスでの閲覧履歴が掴めていて、何故犯行予告の前科もある片山氏に辿り着けていなかったのか。
 (2)片山氏…何故前科時の経験があるのに又生IPで証拠(履歴)を残してしまったのか。(履歴で特定できたかどうかは別にしても生IP履歴残すのがまずいことは当然知っている)

産経新聞自体も昨年逮捕後に以下の記事を出している。
<一連の遠隔操作ウイルス事件で、殺害・襲撃予告が書き込まれたネット掲示板やHPには、利用者が接続した記録が90億件以上残されていたが、合同捜査本部は被疑者の“監視”を継続するのと同時並行で、被疑者が契約していたプロバイダー(接続業者)のIPアドレス(ネット上の住所)と照合し、接続履歴を積み上げていき、逮捕にこぎ着けたのだった。>
これは今となっては誤報だったと考えられるような記事であるが、こちらにも同じく90億件が出ている。
それで冒頭掲載記事の遠隔操作事件に関する内容も正しいのかどうか不安あり。
(逮捕後の記事の方は消えているようで魚拓に残っていた)

やはり分かりにくいところが多い事件である。

以上
[追記]
次回公判は7月9日午後ということであり、新たな情報が出てくるまで、明日からは又不定期掲載になります。
追記以上