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真実1(真犯人メールの正体)

被告人が無罪主張を完全に翻し、全部自らの犯行であると認めて、本事件の様相が一変した。
ただ、そうなると振り子が逆に振れすぎて、真実から遠ざかる部分が出てきているように感じる。

その中で本日は22日会見の最後の方で佐藤氏が述べていた以下の件。
「河川敷に埋めたことが分からなかったならば、完全犯罪が成立した可能性があるんですから」
更にこれには報道などでの「保釈後2ヶ月半に渡る執念の捜査」とか、「河川敷の行動を見逃さなかった捜査員は立派だった」というような評価が加わる。

こういう最早まとまってしまったような話に異論を唱えると、空気が読めないと言われそうである(笑)
しかし、当方が見ている真実を書いておこうと思う。

まず結論から言うと、河川敷に埋めたことが分からなくても、あのメールはおかしいということが迅速に判明していた
5月19日当ブログ記事「メールヘッダー解析(satoru氏)」でご紹介したように、satoru氏が自分のところに来たメールのヘッダーを解析して、Androidからの遅延メールである可能性を以下のように指摘していた。
  ■Message-ID:に[@email.android.com]の文字。Andoroid携帯から送信か?
  ■Message-IDにメール到着の前日[2014/05/15 17:34:48]のタイムスタンプらしき数値

この解析は実質的には5月18日(日)までに行われていて、河川敷での目撃とスマホ発見で片山氏が観念するという急展開が無かったとしても、どんどん真相に迫って行けていたのである。
もちろん警察も解析して同じ見方に達する。
遅延メールで実際には前日夕方にセットされたことがヘッダーで分かると、出廷のアリバイは意味が無いことがすぐに判明する。
前日夕方の該当時刻に片山氏のアリバイがあれば良いが、それは無い。
(ただし、遅延メールなので前日にはメール送信してないが、同じ場所でonigorishijuzo2にアクセスしたとのことなので、その通信時刻でのアリバイ有無が検証できる)

また、真犯人が別にいる場合は、真犯人は遅延メールで出す必要はないから、更に片山氏への疑惑は高まる。
加えて、発信は携帯(スマホ)からだから、当該河川敷辺りから出されたことも基地局を調べて分かる。
片山氏が河川敷へ行く経路の例えばバスなどで目撃されていたりすれば、結び付きが推認が出来る。

更に、SonetのSIMカードによる新サービスのこともsatoru氏は掴んでいた。
(”Prepaid LTE SIM by Sonet” HPに販売場所有り http://www.so-net.ne.jp/prepaid/ )
警察もIPアドレスからすぐ把握出来るから、スマホSIMカードを使ったことも想定でき、しらみ潰しに入手経路を当たる。
両方共秋葉原購入のようだが、SIMは販売店に卸すときに番号管理をすることは当然なので、どの店でどの番号のSIMが売られたかは記録が残る(自販機購入では無いようだが、もし自販機でも同様)。

スマホは新品購入だと個人情報登録が必要で、片山氏が隠れて入手するとなると中古スマホになる。
中古販売にはスマホでも古物商登録が必要だろうから、機番等を控えている可能性が高い。
SIMによる番号だけでなく、本体の機番も携帯電話会社の通信ログに残ることが考えられる。
売店のPOSデータで販売時刻が正確に分かるから、片山氏の行動と照合できる。
風貌が知れてしまっていて特徴もあるから、サングラスぐらいの変装では隠しにくいと思われ、販売店秋葉原であれば各所にあると考えられる防犯カメラにも引っかかってくる。
駅の監視カメラなどもあるし、もちろん警察の尾行もある。

このように幾らでも片山氏の関与を推定する方法はあり、早晩トリックは見破られていたと思われる。(当方個人的には間違いなく見破られていたと思う)
警察は捜査手法を余り公開したくないから、河川敷での発見だけで被告人が自白した後は、それ以上の手法について言及する必要はないが、様々な手法を駆使して片山氏関与に迫れただろう。

なお、遅延メールが判明しても、片山氏も弁護団も諦めずに粘った可能性は充分考えられるが、裁判官には片山氏が自作自演したという推測の余地を与えて、クロの方向の有力な心証になり得たと当方は思う。
少なくとも「河川敷でスマホが発見されなかったらメールの真贋を調べる手がかりは無かった」という理解が有るとしたら、全く事実と違う。遅延メールが分かっただけで出廷のアリバイは消えて、すぐに被告人関与の調査が始まっていた。
このような真実がまともに取り上げられないまま、収束してしまいそうなのは本当に残念。

片山氏の心理状態についても書くことはまだ色々あるが、真実が取り上げられていない方の問題を明日も記す予定。

以上