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雲取山証言(その6)台座下削れ方、掘った方向

(1)台座下の削れ方
第7回公判後記者会見で佐藤氏は次のように述べている。
平成24年の12月12日には特別報奨金の対象事件になって犯人逮捕に結びつく情報に最高300万円の賞金が懸けられた。
それで雲取山USBメモリが見つからなかったということが報じられた後ですけども、何人もの人が雲取山山頂で掘ってみることをしてた訳です。
今日証人が認めたんだけども1月1日の時より更に掘られて、5月16日の時にはすでに台座から16cmはもう削られていた。
わずか3cmを○○(聞き取れず)なった土を調べてみたら見つかったと言っている>

当ブログの昨年記事でデータ検証を行ってみているが、12月1日の台座下は深いところではすでに16cm程度掘れていた。
雲取山データ検証” 2013/10/19
イメージ 1

また、更に詳細に調べたら約14cmという結果も得られた。
”土台直下の位置推定(暫定)”2013/10/20
イメージ 2

直接測定したわけではないから完全に正確ではないが、差は2cmぐらいで、土台下地面には凸凹があるので誤差範囲とも思える。
5月16日は16cmとのことだが、これも誤差範囲と考えると、1月1日より5月16日の方が顕著に削れていたということが言えるかどうか疑問がある。
(「1月1日は支柱(鉄筋)が見えておらず5月16日は見えていた」という話に対しても、先日記事で12月段階でも鉄筋が見えていた写真を掲載済み)

(2)証人による掘り方の説明
江川氏記事で以下のように書かれている。
”第7回公判傍聴メモ 2014年4月23日
[証人F巡査部長の証言]
元日にみつからなかったのは、台座から数センチ離れた地面を真下に掘ったため。5月16日は、台座の真下、上から見ると隠れる位置を中心方向に斜めに向かって掘った。>

つまり警察官の証人は、「1月1日は真下(垂直)に掘った」と証言している。
佐藤氏は「1月1日の掘り方が不十分(或いは不徹底)だったと証言した」と説明していたが、それだけでなく江川氏は「真下」と明確に言ったのを聞いたことになる。

これは驚きの話で、それでは以下の様な点はどうなのかということになる。
 ・斜めでなく垂直ということは検察側にも伝わって、理解されているのか?
 ・警察は当初から検察側に垂直に掘ったと説明していたのか?
 ・説明していたとしたら、検察側はそれでも間違った図の印象で斜めと勝手に思い込んだのか?
 ・警察は1月1日捜索時から垂直(真下)に掘ったという認識だったのか?
 ・最初から垂直と認識していた場合は、何故斜めに掘ったという話が出てきたのか?
 ・警察も最初は斜めと勘違いしていたとすると、それは何故か?
 ・途中で間違いと気づいたとすると、それはいつ頃か?何故気がついたか?
 ・図は何故これほど不正確なのか?上司のチェック等は行われたのか?
弁護側はこれらをきっちり問いただすべきと思う。

なお、以下に資料として昨年7月と12月の公判前整理手続後会見記録を添付する。
抜粋した部分の内容を見ると、やはり検察側からの説明は「斜めに掘り下げた」ということであった。
それと、間違った説明が公判前整理手続の時間を相当無駄にして、更に弁護側立証方針にも混乱を与えた可能性があることは大きな問題であり、誰が責任を取るのだろうか。
誰も責任を問われないとしたら、刑事裁判は緊張感の無いものだと云うことになるだろう。

雲取山USBメモリの謎”江川 紹子 2013年7月18日 
発見後に作成された報告書で、1月に未発見だった理由が絵入りで解説されているそうだが、斜めに掘ってしまったために発見できなかったという趣旨の説明には、佐藤弁護士は「どうやったらツルハシを使ってそういう掘り方になるんでしょうね」と皮肉たっぷり。

”2013/12/20 記者会見要点書きおこし”
< 1月1日と5月16日の捜索場所が明らかに異なったことを証明する客観的な証拠(写真)はなく、「ほぼ同じ場所を捜索したのに1月1日に発見できなかったのは、地面を斜めに掘り下げてしまったからであり、垂直ならば発見できた」とする図による説明のみ。1月1日、警察は用意したスコップでは掘り下げることはできず、雲取山山荘からツルハシを借りたのであり、ツルハシでは斜めに掘り下げることは不可能である。>

以上