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雲取山証言(その5)どこに虚偽が有るか

佐藤氏は第7回公判後記者会見の最初の方で以下のように述べている.

<1月20日には片山氏が12月1日に雲取山に登ってることを警察側は掌握していた。
ところが非常に不思議な話なんだけども、検察のストーリーによると5月16日に見つかったUSBメモリは1月1日に埋まっていたということが今のストーリーです。
ところが(本日公判で掘り方が不徹底だったと警察官が)証言したんですけども、その時点でもう一度雲取山の頂上を捜索してみようという話は全く起きなかったと。
片山さんの逮捕後、「雑談の所でもう少し暖かくなってから行ってみようと思って行ってみたら見つかりました」ということを証言したんです。
しかし、どこかに嘘があると私達は考えています。

「どこかに嘘がある」という見立ては、このところ検証してきた結果で正しいと云える。
ただし、佐藤氏が考えているような「嘘」では無かったという点がポイントと思う。

警察については、まず佐藤氏説明に有る「その時点でもう一度捜索しようという話は全く起きなかった」が、少なくとも半分嘘(虚偽)。
1月1日の捜索写真をkokohore1写真と見比べて、一目瞭然で間違った位置を掘ったのがすぐにわかった人が必ずいたと推測できる。
ただ、犯人が捕まっていなかったし、SDカードが実際にあった江ノ島などからの捜査を優先し、間違った捜索は恥になるので敢えて言い出せなかった。

続いて「雑談の所でもう少し暖かくなってから行ってみよう」も虚偽。
片山氏が雲取山に登っていたことが1月下旬に把握され、更に逮捕が行われて、「やはり埋まっているのではないか、再捜索しなければいけない」と警察幹部自らが思って雑談に出していた。
しかし、再捜索で出てくれば大失態が明らかになり責任問題になるので、なかなか踏ん切りがつかずに、とうとう公判前整理手続開始の前日に行った。
このような経緯は証人の「見つかるのは五分五分と思っていた」発言などですぐ想定つく。

ただ、掘り方の図の方は、「斜めに掘った」という虚偽説明で見当違いのところを掘った大チョンボを隠蔽しようとしたのか、単なる図作成のミスなのかは不明。
ただ単純ミスでも酷すぎることは当然である。

検察側は、斜めに掘られたように見える図によって、「斜めだから見つからなかった」と信じこんだと考えられる。
警察も図を渡したのだから最初は斜めと説明して、後で密かにはしごを外したのかも知れない。
もし検察も途中で気づいていて、それでも斜めで押し通しているなら検察も虚偽になる。

このように、警察は虚偽と隠蔽と図の間違いが有り、検察には間違った図による思い込みがあった。
そのためにストーリに無理が生じて、そこから佐藤氏は「どこかに嘘が有るのではないか」と見抜いて、実際にそれは正しかった。
また、「ツルハシでは斜めには掘れない」という指摘も的確だった。

ただし、「嘘」があるという正しい読みに立脚して佐藤氏が立てた以下の推論の方は、上記の警察と検察の問題点があったからといって証明されるものでもないように思う。
  (1)kokohore2は偽装
  (2)1月1日には埋まっていなかった
  (3)5月16日に発見されたUSBメモリは真犯人が雪が溶けてから埋めたもの

ということで結局はっきりしない状態であるが、警察と検察には虚偽・隠蔽や誤った思い込みが有ることは明白になったと思う。
そして、それが弁護側の立証方針にも影響するから被告人の防御権侵害にもなるが、そのことは指摘されることもなく見逃されようとしているようだ。

以上