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コメント返信(心理面等)

rec*lde**des*さんから昨日記事にコメントを頂いた。色々重要な示唆を受けたので考察を記す。
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< 殺害予告などの書込み行為が「抗しがたい快感」をもたらすものかどうか?の観点が必要と思います。>
これはあり。本事件で調べてみて、思いつきのイタズラの場合が多いが、常習になっている人も確実にいる。
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< 快感を伴う犯罪行為に思考が捕らわれてしまい、本業の仕事があるとストレスとなり、さらに現実逃避のために犯罪行為にのめり込む。そのため詰の甘さが散見されているのかも知れません。>
片山氏の場合で考えてみる。
大学4年の時にPCゲームに熱中して退学したそうである。
実際は他にも複合的な理由があると思われるが、考えやすくするために本事件をこれに当てはめてみる

 (1)本業である学業を疎かにして、PCゲームにのめり込んだ (上段大学時・・・以下同様)
  →本業である業務開発を疎かにして、犯行予告にのめり込んだ (下段本事件・・・以下同様)

ただし、CSRFやトロイはそれを使う前に開発が必要で、云ってみれば自分好みのPCゲームをやるために、自分で新たにPCゲームを開発するような状況ではないだろうか。それは以下になる。

 (2)本業である学業を疎かにして、PCゲーム開発にのめり込んだ 
  →本業である業務開発を疎かにして、CSRFやトロイ開発にのめり込んだ

PCゲームにおいて、プレイするのと開発するのでは全く違う作業。
無線LAN乗っ取り等での犯行予告と、CSRFやトロイも同じ関係。
開発はハードルが高いし、出来上がるまでは使えないから快楽も得られないという面倒臭さがある。
加えて本事件では派遣先で隠れて開発するという更に高いハードルがある。これは以下になるだろう。

 (3)本業である学業を疎かにして、PCゲーム開発を教室でやった 
  →本業である業務開発を疎かにして、CSRFやトロイ開発を派遣先の職場でやった

ここまで来ると到底有り得ないのではないかと思えてしまう。
PCゲーム開発を自宅に篭ってやったら開発していることは分かりにくい。しかし、教室でやったら明らかに目立つ。
CSRFやトロイを開発するのも、職場でやっていたら隣の席の同僚などに気付かれないようにするのは困難ではないか。
しかも、1ヶ月や2ヶ月という長期間では無理がありすぎるだろう。(更に心療内科受診という状態がある)
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それでも開発していたのかどうか、以下のような確認は非常に重要と思う。
< 特に7月26日から8月8日までの業務ソフトの成果物や進捗状況を確認する必要があると思います。この期間における進捗・成果物の有無は非常に重要と考えます。>
更にこの期間を重点にするにしても、他の期間も詳細調査する必要もあるだろう。
本来警察はすぐ調査出来たと思えるが、本当にやっていないのだろうか。(もしかして都合悪いことがあって出せない?)

また、ネットで見ると片山氏が遠隔操作されていた可能性を疑問視する人の中には、「遠隔操作でも画面に出ることが避けられない操作があるから、PCを使っている人に分かってしまうのではないか」という趣旨を述べる人もいる。
しかし、それだと遠隔操作ではない開発においても画面に出るということになるだろう。
もし片山氏が開発していたのなら同僚に見られる可能性がある。
仮に同僚がその時は余り気にしなくても後で思い返せば、「あの時の変わった様子や画面は開発していたのかも」というような証言が複数出てきてもおかしくない。

また、スランプで心療内科に通う状態だと、隠そうとしても顔色や言動で調子が悪いことは同僚らには薄々でも分かってしまうだろう。
それなのにPCに集中して開発している様子というのは、違和感があって記憶に残りやすいと思われる(開発しているのはCSRFやトロイ)。
1フロアだけの約16mx10mというさほど大きくない事務所で、開発者は殆ど皆同じソフト(不動産関係)を分担して開発していると考えられる中で、全く気付かれずに別ジャンルの開発を月単位でやり続けるのは当方には想像できない状況。
今後派遣先関係者の証言は注目。
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< 犯人は思いついたことはすぐに実行しないと気が済まない性格でないかと感じます。>
この視点も重要と思う。本事件が「犯行予告行為と技術的興味の複合」による愉快犯で行われたとすると、慎重にやったつもりが色々抜けがあって、偶然の重なりでたまたま上手く行ったという可能性はあるかも知れない。
しかし、それが片山氏だとすると、今は人生をかけたゲームになっていることになる。
昨年からそういう可能性も言及してきたが、保釈されて片山氏がネットに出演している姿や語っているところを見ると程遠いという気もする(可能性がゼロとは云えないが)。
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< 盗撮、痴漢、覚せい剤、愉快犯などの犯罪者は、通常の生活において問題のない人間達が殆どだと思います。そして本人達もいけないことと認識している。だけど止められない。悩む。
逮捕されてから「まさかあの人が?」ということになります。>
これに関しては、逮捕前は全く分からなかった場合でも、逮捕後に詳細に長期間の行動を調べて全く兆候もないという例はどれぐらいあるのだろうかと思う。
そして、今回は兆候が発見できなかったのだろうか。
検察側はクロの証拠にならないことは出さないだろうが、本来は裁判官が自分が正しい判断するための資料として検察側に調査結果を出させるべき内容ではないかと思う。警察・検察がやってなかったら職権で調査を命じるべき。そうでないと真っ当な判決が書けないと思う。
しかし、それでも当事者主義を重く見すぎて裁判官が動かないとしたら、当事者主義も良し悪しである。

以上

[追記]
その後nobonoboさんからもコメントを頂いている。
< 個人的には甘さどころじゃなく、Tor使えば足がつかないところで使わないとか自分の個人情報に紐付けできる内容をバラす等捕まえてくれと言わんばかり。その上で直接的な証拠は残さないという点を説明するのには被告が犯人でないほうがしっくりくるんですが・・・ >
これ又重要な視点と思う。
refererや警察接触可能性の問題より、Tor無しでの検索などの行為は確かにレベルが違うと云える。
うっかりミスや安直な考えなどではなく、明らかに自らの情報が残ることが分かってやっている。或いはそれを意図していたかも知れない。
ただし、何故そんなことをしたかは検察・警察側は未だに全く解明できていない。

ここまで矛盾が多いと真相は最終的には犯人しかわからないとは思う。
だからといって刑事訴訟法第一条に定められた「事案の真相を明らかにする」為には、心理面や動機の検討を疎かにして良いはずがない。
現在までの検察・警察の取組みは、余りにも心理面や動機の問題に向き合っていない。
本文の最後でも述べたが、裁判官が指摘して検証させるべき事態ではないかと思う。

追記以上