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雲取山の逆証明

皆さんからIWJのインタビューの情報を頂いた。
まだ冒頭ぐらいしか見れてないが、それでも本人自身から語られる言葉で色々見えてくるものがある。
その中でも3月6日記事「保釈後記者会見」にも書いた雲取山の件の強い自信が印象的。

任意で聴取をして冷静に話せば証拠上色々矛盾があること、例えばDNAが一致しないだとか、例えば雲取山に埋めることは出来ないだとか、そういう矛盾点は話せば幾らでも分かることだったと思うんですね。

雲取山に関しては弁護団も以前から無罪立証の柱としていて、以下の指摘を行っていた。
  (ⅰ)犯人からの写真で「kokohore2.jpg」も偽造である。
   (ⅱ)1月1日には埋められてなかった。
   (ⅲ)12月1日も地面が凍っていた可能性があり、固くて埋められなかったのではないか。

ただ、これらは指摘としては可能性があるが、証明も出来ないことが課題であったと思う。
それが本人の証言で次のような具体的な事実が出てきた。(IWJ会見での雲取山詳細発言部分はまだ聞けていないので江川氏記事などから抜粋)
   (ⅳ)山頂には他の登山者がいて、滞在していた30~40分で一人になったことはない。
      少ない時で3人、多い時で6~7人の他の登山者がいた。
    (ⅴ)それなりに交流もあって、「どちらからおこしですか?」程度の軽い会話やカメラのシャッター押しを頼まれたりもした。
    (ⅵ)鍋を出して調理している人もいて、その横でザックザックと掘ってるようなことをしてたら絶対に目立つ。
    (ⅶ)自分はコンビニおにぎりで食事を済ませた。
    (ⅷ)山頂の土は多くの人が訪れて踏み固められた状態だった。

これらはヤマレコの写真や投稿した人を探しだして証言を得れば証明可能なものが出てくる。また、投稿した人は登山記録として投稿分以外にも多数の写真を撮っていることは間違いなく、更に詳細な証明ができる可能性も高い。

そうすると、(ⅰ)~(ⅲ)の証明できない事項を前提にしなくても、「埋めていない」ことが立証できてしまうことになる。
これは公判上も非常に影響が大きいと考えられる。

振り返って考えてみると、雲取山登山は片山氏が疑われる大きな理由になった。
しかし、それは江ノ島で猫に触ったことが事実であるように、少なくとも「埋めたことが疑われる振る舞い」などが確認されて、「完全に埋めたかどうかは分からなくても埋めたことが推認できる」ことを暗黙の前提にしていたと思う。(或いは山頂に他の登山者がいない時間帯があって、埋めた/埋めてない両方の主張が可能な状態)

それに対して、本人の具体的証言が出て来て、他の登山者の証言や写真でそれが証明できると、逆に雲取山は「犯人ではない」という決定的証拠になる。
検察側は「iesys作成・遠隔操作・4通のメール」などを同一犯人の仕業と主張していて、謹賀新年メールでの雲取山が否定されると主張全体が崩れるからである。
これが題名に書いた「雲取山の逆証明」となって、検察側を窮地に追い込む要因になる可能性がでてくる。

そして、「埋めていない」という証明は、例えば当ブログ昨年11月12日記事「雲取山山頂タイムライン分析」で示したようなやり方でも詳細分析可能。
イメージ 1

特に三角点の写真を2度も撮っている人(B氏)がいたのは大きい。その人が三角点付近にいた時間帯は埋められない。
さらに本人証言で、「登山者と交流した」とか「おにぎりを食べた」などもあって、その間も作業できない。
本人証言の全ては証明できなくても、証明できたものだけでもタイムラインに追加していけば実際に埋めることが出来たかどうか見えてくる。
また想定タイムラインを示して、検察側に「どの時刻付近で埋めたと主張するのか明示してもらいたい」と要求するのも効果的。これは裁判官にも分かりやすいと思う。

また、地面の固さの件も重要である。
当方は穴掘り実験を実際にやってみて昨年10月19日記事「雲取山データ検証」で書いたが、柔らかい土でも似たような穴を掘るのに4分ぐらいかかった。
しかもkokohore2が本物だと穴の横にUSBメモリ入りの袋をセットして撮影もしたことになる(更に袋の違いもあるが、検討が広がりすぎるので今回は置いておく)。
これだけでも目立つだろうし、固い土では掘るのにもっと時間がかかり、目撃証言が出て来る可能性が高くなる。

この件に関しては、昨年12月1日近辺で検察・警察が「埋める実験」をやった上で、「埋めることは可能だった」としているかどうかも重要である。
2度掘り返してあるとはいえ、似たような気温や天候の日に実験しに行くことは可能だし、必ずやっておくべきことである。
もしやってないとすると、公判が5月までの予定で延びても夏には終わるだろうから、12月1日前後での実験は不可能となって、実験もせずに主張しているのかと言うことになる。

なお、雲取山重要度アップにともなって、弁護側はもう既にやっている可能性も高いが、検察側が証言を取ったであろう他の登山者から再度事情を聞くなりして、「埋めることは出来なかった」という本人主張を更に裏付けしていくと強力な無罪主張の論拠になると思う。

警察が片山氏と思われる人物が写った写真を撮ったC氏から聴取を行ったことは、当ブログ昨年10月22日記事「ヤマレコからの調査」でも紹介済み。
更にB氏から証言や投稿分以外の写真提供も受けると有力な証拠になると思う。
(警察はB氏聴取も行っている可能性は大で、弁護側も改めて当時の様子を聞けるのではないか)
またB氏はラーメンを食べたということも書いていたので、鍋を出して調理をしていたのはB氏の可能性もある。(但し調理というほどではなくカップメンなので、B氏が鍋を使ったとしたらお湯を沸かしただけか)
 B氏ヤマレコ”粉雪舞う雲取山

以上