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ラストメッセージ再考察1

ラストメッセージも公表されて早2ヶ月。
色々なことが分かってきたが、それでもまだ余り突っ込まれていない点があるので考察。
まずは昨日記事でも題材にしたいわゆる「多重人格」に関連すると思われる箇所。

ラストメッセージの冒頭には「私は紅葉のはじめの頃に行ったので快適でしたが、雪が積もった山は大変だったと思います。 」と書いてあり、謹賀新年メールでは「10月から仕込んでおいたのをようやくお披露目です。」となっている。
両方とも10月ごろの雲取山行きを示唆しているが、当方の見方は自殺予告メールの11月13日以降、実際の被疑者登山は12月1日、そして検察主張は12月1日頃となっている。
いずれにしても10月~12月上旬が対象になってくると思われるが、この期間は丁度被疑者が休職に至る時期と重なる。
7月ごろから精神的不調だったが、更に悪化して仕事が出来なくなり最終的に12月5日に休職となったという経過と考えられる(10月の派遣先変更も影響したかも知れない)。

被疑者が犯人とすると、このような時期に雲取山USBメモリを発想し、自殺予告メールも送り、実際に雲取山に登ってUSBメモリを埋めたことになる。
検察追加主張で埋めたのは「情を知らない第三者や共犯者」の可能性が出てきているが、時期は「12月1日ごろ」で被疑者は無関係ではないという主張でもあるから、被疑者がこの時期に何らかの関与をしていると仮定して考えてみる。

注目すべきは、仮に12月1日に埋めたとしても、掘り出させるのは早くとも1月1日で一ヶ月先である。
それぐらい先を読んでストーリーを作ってから埋めたことになる。
更に12月中旬からはタイ旅行に行き、帰ってきてから当初計画に沿ってラストメッセージを作成し、添付して謹賀新年メールを送った。その間パズルも作っている。

休職するほどの重度の精神的不調でこのようなことが出来るのだろうか。
そのような状態では目の前のこともなかなか出来ないのが普通だろうに、一ヶ月、準備期間も考えればもっと先のことを考えて周到に計画を進めるなど、一番想定できない行動ではないだろうか。

ただ、12月5日か6日から休職に入った後は、精神的にもある程度回復してラストメッセージやパズルも作成できたかも知れない。
それでも、計画を立てたのは休職前であるし、休職を申し出る直前で一番状態が悪かったと考えられる11月中旬に自殺予告メールでGPSデータ改ざんして操作撹乱を行ったというのも注目すべき行動である。

このような経過を考えると、2重人格的な状況に陥っていた可能性もあり得るのではないか。
多重人格と言うとおどろおどろしいイメージを持たれるかもしれないが、このような状況を表す適切な言葉が思いつかないだけなので「多重人格的精神状態」とでもすれば良いのかもしれない。

裁判においても、6月下旬~8月下旬と検察が見ているトロイ作成期間も併せて、医者にかかるまでの精神的不調で本事件に関連する一連の行動が出来たのか、検察は被疑者が受診した医者や精神医療関係者の協力も得てある程度合理的な説明を求められると思う。
裁判所もその辺の心理状態についての説明無しに、検察主張をはいそうですかと呑んで有罪判決とは行きにくいと思う。
本日は以上であるが、今後更にラストメッセージを検討する予定。
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なお、ラストメッセージでは10月6日記事に「 val*gar*y 」さんから以下のコメントを頂いてる。
<『・・・・記憶媒体は全部、とっくに完全消去の後、スクラップにして燃えないゴミに出してしまいました。
現在うちにあるシステムや外部記憶媒体全部、どんな高度な復元やフォレンジックを行おうと関係ありそうなものは何も出ません。 
令状なしで来ても「どうぞどうぞ」と見せてあげますよ。』 
と断言しているのに、雲取山でUSBが発見されないと、すぐにマイクロSDを作成した。
つまり、この時点ではまだ iesys.exe を持っていたことになる。
警察に isys.exe を渡し、自分の中からは完全にファイルを消去し、ラストメッセージを読んでもらう。
これをもって、"ゲームセット" と自分で決めていたが、肝心の警察が発見してくれなかった。
わからないのは、なぜ、「記憶媒体」で警察に渡したかったのか。
それと、現在は警察・検察以外に、本当にiesys.exe は存在しないのか。>

犯人はラストメッセージの他の部分でも「偏執的なまでに注意を払っています。 」と書いているのに、雲取山江ノ島でわざわざ物理媒体にキーファイルを入れて発見させようとした。
これも2重人格的な要素が感じられる行動である。

ただ、iesys.exeやその他の作成資料などを全部消去したかという点については、当方も一応ソフトを作る技術者として、果たしてそんなすぐに全消去をするかという疑問がある。
本人は苦労して作ったのだから残しておきたいと思うのが人情である。
ただ、残すと足がつくというなら、思い切って消してしまうことも考えられる。

しかし、ソフトウェアや若干の説明書などは、テキストファイルで良いのである。
Visualstudioのプロジェクトファイルとして作成しても、今回のトロイのようにGUI部分が少なければ、メインのプログラムをテキストファイルで保存しておけば容易に復元可能。
そしてテキストファイルをネット上に隠しておけば良いのである(実際はプロジェクトファイルでも画像ファイルでも何でも隠せるが、テキストファイルは一番シンプルなので仮にテキストファイルとして考える)

具体的方法例としては、犯人はTorを使ってフリーメールアドレスを取れるのであるから、又別のアカウントを取ってテキストファイルの内容をメール本文に入れても良いし、添付ファイルでも良いから、メールを作成して下書きフォルダにでも入れておく。或いは、そのアカウントに自己送信しておいても良い。
更に何らかの暗号化でもしておけば完璧である。

これでずっとアカウントは残っているから、必要になったら取り出せばよい。
(データ保管サービスでは保管期限が問題になる可能性があるからこの方法を考えてみたが、無期限をうたっているのもあるようなのでそれでも同じことが出来る。ただ、そのものずばりのデータ保管よりフリーメールの方が盲点ではあると思う)
Torを日本の警察が追えないことは今回の事件ではっきりしているし、この方法ならどのアカウントを使ったか犯人にしか分かりようがないから、絶対見つからないと考えられる。
犯人が実際にこのような方法を取ったかは別にして、ソフトウェアは特に隠し場所には困らないというのが当方推測になる。

以上