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隣人13号との心理面関連性他

・境遇重ね合わせ
犯人は「予告犯」に関しては以下のように書いている。
<「予告犯」という漫画を読んで、とても共感を覚えました。 
特に、登場人物の犯人グループの一人である「ゲイツ」君の境遇には自分と重ね合わせできるものがありました。>

隣人13号」の方にはそのような共感や思い入れのような記述はなく、以下のように書かれている。
<殺し屋であるゴルゴ13、「こち亀」に登場したパロディキャラ「後流悟十三」、あと昔読んだ「隣人13号」の主人公の「村崎十三」、そのあたりのキャラクターをイメージし、「じゅうぞう」という読みに決め、「銃蔵」と当て字にして完成。 
それほど深く考えて決めたわけでもない、30秒ぐらいで決めた名前です。>

これを見ると「ゴルゴ13」、「こち亀」と並べて「隣人13号」が出ている。
前二つの知名度は抜群であるが、「隣人13号」は映画化もされたとはいえ知名度は大きく下がる。
「深く考えずに決めた」と書いているし、別に前二つからの連想だけで説明的には十分なのに、なぜ三つ目に「隣人13号」を加えたか。
しかもこれだけには「昔読んだ」と短いながら前置きを付けている。
やはり何か印象に残るものがあったのではないか。
それが「境遇の重なり」である可能性はあり得ると当方は感じる。(これに関しては確信ではないが)

なお、「隣人13号」で境遇の重なりがあった場合、なぜ「予告犯」のようにそれを書かなかったか。
この答えは簡単で、「予告犯」の主人公のゲイツ君はカッコよくて、村崎十三の方は情けないキャラなので関連性は悟られたくないというのは十分考えられる心理。
更に、ゴルゴ13と並べるなら本来のイメージは別人格の「隣人13号」の方なのに、「村崎十三」の方を出しているのもこちらの方に共感があることを暗示しているようにも思える。
以上の考察は、憶測として読んでおいていただきたい。

被疑者の前科のときの裁判で、弁護士は回避性人格障害を主張したとのこと。
”第2回公判” (本事件でよく引用される阿曽山大噴火氏の傍聴記録)
「これぞプロの裁判官、感動の被告人質問」

回避性人格障害」は「回避性パーソナリティ障害」としてwikiに以下の記述がある。
<通常、成人期早期に自覚され、子どもの頃に、親、または(複数の)友人から排除されたことと結びつけて考えられている。>

それに対して「隣人13号」で題材となっている解離性同一性障害(いわゆる「多重人格」障害)wikiで以下のように書かれている。
解離性障害は本人にとって堪えられない状況を、離人症のようにそれは自分のことではないと感じたり、あるいは解離性健忘などのようにその時期の感情や記憶を切り離して、それを思い出せなくすることで心のダメージを回避しようとすることから引き起こされる障害であるが、解離性同一性障害は、その中でもっとも重く、切り離した感情や記憶が成長して、別の人格となって表に現れるものである。>

この二つの記述を見ると、イジメが原因で回避性人格障害の傾向が出て閉じこもりがちになり、一人で悩んでいるうちに耐え切れなくなって「解離性同一性人格障害」(ただし隣人13号的な重度のものではなくもっと軽度な状態をイメージ)に進んだというようなストーリーは考えられそうな内容である。
ただし、これも当方の憶測の範疇である。

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「隣人13号」との関連性の本日考察は以上であるが、憶測が続いたので更に前から気になっている件の当方憶測をこの機会に記しておこうと思う。
内容は被疑者が受けたイジメとそれに関する被疑者証言についてである。

・イジメの内容
前記の阿曽山氏の傍聴記録に次の一節がある。
 弁護士「中学時代のイジメは、どんなことされたんですか?」
  被告人「暴力を受けていました。殴られたり蹴られたり、ノコギリで頭を切られたり」
先日も書いたが「ノコギリで頭を切られた」というのは、余りにも無理がありすぎるのではないか。
これが本当なら、イジメではなく「傷害事件」になってしまう。

・いじめの環境
以下のような一節もある。
 弁護士「中高ともにイジメを受けてた、と。大学に入ったら友達できましたか?」
 被告人「サークルに入って飲み会などに参加したんですが『空気が読めない。ノリが変だ』と周りに言われて友達はできませんでした」
大学の方はイジメというより、よくある「友達が出来にくいタイプ」というレベルの話とも受け取れる。
しかし、前述のように中学では「殴られたり蹴られたり、ノコギリで頭を切られたり」という暴力的なイジメを受けていたということで、中学生の場合はイジメた側が未熟で最初は軽いイジメがエスカレートしてそうなった。
こう考えれば、一見つじつまが合いそうにも思えてしまう。(高校でのイジメ内容は書かれていない)

しかし、ここで注目すべきは被疑者が中高時代に通っていたのは、日本でも有数(或いは随一)のハイソサエティ校と目される学校である
とは云っても子供は子供であり、少し前も皇族の御子女が同校小学校でイジメに遭ったという話が流れたりしたが、これは本格的なイジメと云えるようなものだったかどうかは分からない。
だが、被疑者の証言したイジメは暴力をふるわれて、果てはノコギリで頭を切られたというもので、相当悪質なイジメということになる。

暴力を使った悪質なイジメがあのハイソな学校で本当に行われて、その時は特に問題にならなかったのか。
どうもおかしい、というか明らかにおかしな感じを当方は受ける。
「あの学校で、ノコギリで頭を切られるようなイジメが本当にあったのか」という疑問について、憶測だけでなく被疑者の法廷での証言という事実もあるのにマスコミも全く突っ込まない。
被疑者がどういう人物であるかを知る重要なポイントでもあると思われるのに、ずっと追いかけている週刊現代などもこの点には突っ込みがない。
(調べれば被疑者が虚偽証言をしていたのかどうか、学校関係者や友人などから分かる可能性がある。そして被疑者が法廷という場においても虚偽証言つまり嘘を言えた人物かどうかは本事件の推測にも大きく影響する)

本事件は長く報道されて来ているのに、このように大きな突込み不足が様々あるように感じている。
明日はラストメッセージにおいても余り突っ込まれていないと思われる点があるので考えてみたい。

以上