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雲取山考察続き

雲取山考察の続きを記す。

①紅葉の時期
丁度「ゆうちゃん」さんからもコメントを頂いている紅葉の時期に関して、
現地情報として佐藤弁護士も気温データを引用していた「雲取山」のHPに紅葉の時期の記載がある。
”紅葉は例年10月中旬から11月中旬頃です”

やはり「紅葉の初めごろ」は、HP記載紅葉時期の前半に当たる10月中旬~下旬を指すと考えて良いのではないかと思う。
仮に犯人の見る目がずれているなどで11月上旬も無理やり入れたとしても上旬だと11月10日までとなる。
当方の推測は雲取山行は11月13日の自殺予告メールの後と見ているから、これにご賛同いただく場合は「紅葉の初めごろ」には全く該当しなくなる。

参考に2013年11月3日(土)4日(日)のヤマレコ記録も少しご紹介。
<紅葉は下のほうが色付いてました。(写真のコメントに「上の方は終わっていた」と書いてある、当然紅葉は上から始まり上から終わっていくので段々終わりかけている時期となる、中間あたりは盛りの時期か)
奥多摩湖付近はまだであと1,2週間後くらいでしょうか。(麓の方はまだ)>

これも同日ほぼ同ルート。
<紅葉もきれいでよい感じでした~> 

②謹賀新年メールの記述
<さて 新しいゲームのご案内ですよーーー
 10月から仕込んでおいたのをようやくお披露目です。
 添付のパズルを解くと、先着1名様限定で・・・>

パズルは10月から仕込んだような内容ではないから、雲取山に埋めたUSBメモリを探し出してラストメッセージ他を入手するゲームとして10月から仕込んだと解される。
そうなると犯人も「紅葉の初めごろ」は10月内を指すことが分かっていて、謹賀新年メールとラストメッセージの両方で10月の雲取山行を示唆しようとしたものと推測できる。

雲取山行時期の切り分け
昨日も記したように11月13日の自殺予告メールの前か後かという分析が出来る。
自殺予告メールの新聞紙の使い方は<「予告犯」の手口を少しだけ真似た>と犯人がラストメッセージで自ら告白しており、自殺予告メールは単行本を読んでから出されたものということは間違いない。(タイムスタンプという使い方も一致)

それで犯人が「少しだけ真似た」と書いているように、まず自殺予告メールで「予告犯」の第一話の軽い手口を参考にしてみた。
次にもっと核心の単行本第一巻ラストのエピソードを下敷きにして、雲取山USBメモリを発想して実行した。
こう考えたほうが当方は筋が繋がりやすいと思えるので、雲取山行は自殺予告メールより後と想定するのである。
(もし興味がおありの方は「予告犯」単行本第一巻を電子書籍ででも購入してみていただくと、ラストのページに山頂から見える日の出と思われる光景をバックに主人公ゲイツ君がUSBメモリそっくりのOTPトークンを持って立ち、「俺に考えがある」とつぶやく印象的シーンがある。
これを見ずに犯人が雲取山USBメモリを偶然の一致で考えて10月頃埋めた後に、11月になって初めて「予告犯」を読んだという展開は少なくとも当方は全く想定できない)

④検察が「12月1日頃」と曖昧にする理由は?
山頂写真例を示す。(撮影時期は不明、左側に赤い屋根が見えるのは雲取山荘ではなく頂上すぐ下にある無人の避難小屋でその方向から山頂への道が続く)
イメージ 1


山頂に他の人がいるときに例え20cmでも穴を掘って埋めるというような行動をしたら、不審行動として周囲の人の目を引くような場所である。(矢印の辺りが埋めた位置)
避難小屋方向から登ってくる人たちにも見られやすそうな場所でもある。
そして12月1日には山頂で被疑者らしき人を見かけたという目撃証言があるようで他に人がいたことになる。

更に今まで余り考えなかったが、人里離れた山頂でそこにいる限られた人の話し声や足音ぐらいしか音がしない場所で、小さなスコップとしても金属物を使って穴を掘ったら音がして目立つ可能性が高い(特に石に当たったりすると金属音が発生して響く)。
上記写真ではたまたま人々は大体反対側の山(富士山が見える)の方を見ているが、周囲の人のそのような隙を狙って埋めようとしても音で気づかれる可能性がある。
手で掘るには20cmは結構深く時間もかかり、目に付きやすくなる。
また、少し掘ってからUSBメモリを横において写真をとり、それから20cmぐらい掘って埋めるという丁寧で時間のかかりそうな手順でやっている。

ということで仮定になるが、警察が調べて被疑者が埋めたという目撃証言が取れなかったのではないだろうか。
或いは、「埋めたりしたらすぐ気がつきましたよ、でもそんな素振りは見なかった」などと山頂で被疑者を見た人から言われたかもしれない。
それで「情を知らない第三者又は共犯者」の可能性を持ち出したのかもしれない。
こう考えると一見辻褄が合いそうだ。

しかし、検察は今まで遠隔操作の場所も曖昧な主張しかしていないし、江ノ島猫首輪も装着した場面の映像や画像は持っていない。
雲取山も山頂にいたことまでは確認できているのだから「周囲の人の目を盗んで余り音も立てない何らかの方法で埋めた」とでも主張して、他の証拠で有罪立証する方針で臨めばいいわけである。
それをいきなり事件の構図を一変させるような共犯者や第三者の可能性を持ち出すなど、本来有り得ない動きと思う。
やはり謎というしかなく、今後検察の主張が更に明らかになるのを待つしかないと考えている。

⑤今回の考察から見た有利不利の推測
 ・弁護側は「紅葉の初めごろ」と云える10月中旬~10月下旬(精々11月上旬まで)の雲取山行の可能性がなくなると、12月1日の被疑者登山が改めて注目されて不利になる方向。
 ・検察側はラストメッセージを最初から入手していて、警察も含めて当方と似たような分析を行って12月1日に埋めたことを想定できるから有利なはずだが、それでも「複数説」を持ち出したということで何らかの相当不利な事実が雲取山にあるのだろうか。
 ・事件全体に関係することとしては、情報量の多い「ラストメッセージの信憑性」という問題がある。
  「紅葉の初めごろに登った」という記述が虚偽ならラストメッセージ全体も信憑性は大きく低下する。
   更に「ゆうちゃん」さんのコメントにあるように、時期の問題だけでなくそもそも登っていない場合も虚偽記載となり信憑性は毀損する。
   信憑性がなぜ重要かというと、例えば「8月17日・24日合併号週刊現代」記事で以下のような記者の記述がある。
  <ラストメッセージを読むと、真犯人が○○(被疑者名)さんとは異なる境遇にいたことが浮かび上がる。真犯人はある事件で起訴されたものの、「刑務所に行かずにに済んだ」と書いているが、○○さんには刑務所で服役した前科がある。・・・
  この文書(ラストメッセージ)が○○さんのものだとするとするには、内容に矛盾が存在する>

  ラストメッセージの信憑性が問題になれば、このような論理も成立しにくくなる。
  新聞紙の使い方のように別の角度からの事実で証明された事柄以外の記述は、信頼性に欠けて立証どころか推論にも使いにくくなる。
  これは弁護側、検察側双方にとって重要なポイントになると思われるため、当方としてもラストメッセージ記述の真偽検証につながる考察を重視しているという次第。

以上