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第5回公判前整理手続後弁護団記者会見4(ポータブルアプリ補足)

昨日記事の考察で、今回の「ポータブルアプリケーション」の件のポイントを以下のように記した。

<今回検察が反証を出してくる前に先手を打って、被疑者と弁護側から複数PC感染の具体的な手法想定を提出したのは非常に大きい。>

佐藤弁護士発言で以下の部分がある。
<今回検察官が云うのは「派遣先のPCだけでなく、自宅のPC或いは被疑者の携帯電話の中にも犯人ではないかと疑われるようなものが残っていた」ということなんです。
 被疑者もそれはちょっと説明しなければいけないだろうと考えて、今日そのUSBメモリにインスト-ルしたポータブルアプリケーションというのを自分は使っていたということを初めて明らかにしました。>

また江川氏記事の【被疑者の意見書全文】には以下のようになっている。
<検察の証明予定事実には、全く覚えのない検索履歴や、ダウンロード・起動した覚えのないソフトウェアの記録について言及されています。
 それが1ヶ所1台のみのPCからではなく、私の職場、自宅から出ていて、またネットカフェからの通信記録もあるとのこと。
 ○○(被疑者名)が触ったPC複数がそう都合よく同じ犯人に利用されるわけがない、だから○○が犯人だ、というニュアンスが、検察主張からは読み取れます。>

これからすると被疑者曰く「ニュアンスが検察主張からは読み取れます。」ということで、
検察はまだ「複数PCがそう都合よく遠隔操作されるわけがないから、遠隔操作されていたことはあり得ない」という直接的な主張はしていないと受け取れる。
それで、やはり今の段階で被疑者&弁護側の方から、検察が主張してくる可能性の高い論点(複数PCの遠隔操作)に対して先手を打ったのは効果が高いと思われる。

ここまでは昨日の考察が補強できたということなのだが、気になる点も見つかった。
佐藤氏発言でも被疑者意見書でも「自宅PC」にも何らかの記録が残っていたということが言及されている。

 佐藤氏・・・「自宅のPC或いは被疑者の携帯電話の中にも犯人ではないかと疑われるようなものが残っていた」
 被疑者・・・「それが1ヶ所1台のみのPCからではなく、私の職場、自宅から出ていて、またネットカフェからの通信記録もあるとのこと。」

今まで自宅PCからは何も発見されていないということで来ていたと思うが、いきなり「自宅PC」の話がここで両者から出てきた。
検察の証明予定事実には自宅PCにどんな記録が残っていたと書かれているのだろうか。
それと、被疑者意見書の方には「ネットカフェからの通信記録」の話もある。

まだまだ色々な展開が考えられそうだ。
それにしても検察側も色々主張や証拠は持っているのだから、弁護側に対抗するぐらいの記者会見などをやるべきだと強く思う。
杓子定規に公判前にはまったく明らかにできないとだけ考えるのでは、余りにも状況が読めていない。
少なくとも弁護側が公開姿勢で来る時には、それに合わせて対抗していけるぐらいの能力を持ってもらわないと現代の情報公開重視の社会に付いていけない。

以上