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ラストメッセージ3(全体的心理状態考察)

<今回の検証は「犯人は捕まりたかった」、前は「多重人格」、その関係性は?>と云う趣旨のコメントを頂いた。
説明が足りなかったかも知れない。コメント頂くとその辺が自分でも分かるので助かっている。

当方の見解は変わってなくて、まずラストメッセージを見ると特徴的なのが「私は壊れている」以外に、<一連の事件は、私が「負け犬」から復帰するためのリベンジと言えます >とある。
そして、「ここまで神経症・偏執狂とも言えるまでに厳重な注意を払って動いてきました」と犯行隠蔽もきっちりやったと言っている。

”警察・検察に挑戦し、リベンジを果たして負け犬から脱して再出発する。捕まらないように厳重な注意も払ってきた。” そんなメッセージを犯人は公表しようとした。
しかし、書いてあることとは裏腹に、全く必然性もないリアルに出てきて、人に見られる危険性のある雲取山にメッセージのキーファイルを埋めた。
たまたま警察の捜索ミスで上手くいかなかったら、いきなりもっと大幅に目撃されやすくなる江ノ島猫を急遽選択。
捕まれば負け犬人生脱出どころか服役だし、ネットなら逃げ切れるのにわざわざリアルに出て来て証拠を残しやすい手法を選んだ。

これが正常な一人の人の判断とはとても思えない。
多重人格とも考えたが、その時その時で人格が入れ替わって出てくるというより、「一人の人の中で多重な性質が混沌としている」、こう考えた方が妥当ではないかと今は思っている。
(当方としては、今まで行ってきた心理状態考察にラストメッセージ雲取山再検討がパズルのピースのように収まったと感じている。なお、敢えて混沌を演じて内実は冷静という可能性は無くはないが極めて低いと考える)

繰り返しになるが、ラストメッセージで言ってることと、リアルに出てきた行動が余りにも不一致である。
昨日記事はラストメッセージに関して述べた後、リアルの方の評価として「犯人は捕まりたかった」ということぐらいしか考えられないという見解を述べて締めくくった。
これが冒頭のコメントに対する回答になる。

「私は壊れている」の方は、精神が壊れたらそう容易に復活できるものじゃない。
「警察・検察・世間が騒いであたふたしたら嬉しいな、自分の溜飲が下がる、それだけでした。」と犯人は書いているが、そんな溜飲レベルで戻るものでもないだろう。
ただ、「自分が壊れている」と自覚できることは特筆すべきこと。
そのような自覚が出来るということで、被疑者が犯人の場合、精神的不調状態でも自分がやりたい開発のための頭脳は充分働いて、トロイ作成や遠隔操作をやってのけられたのかもしれない。

しかし、基本的には相反する発想の数々が混沌としてギリギリ一人の中に収まっているような複雑な精神状態と想定する。
よって犯人からの各種メールやメッセージ及び逮捕後の証言などで、一つ一つの言動をそのまま受け取らないほうが良いのではないか。
つまり「虚実入り混じっている」と考えたほうが適切ではないかと思う。

そして客観的な現実としては、江ノ島猫の時間帯の事実は大きい。これを崩すとしたら、真犯人からのメールぐらいしか無いと思える。
よって今は被疑者が犯人と仮定せざるを得ないし、そうなると7月からの精神的不調も事実なのは間違いないわけで、
その状態でこれだけの不整合な言動が続いているのは精神の病の領域に達していると想定せざるを得ない。
これが従来からの当方の予測に、「ラストメッセージ」と「雲取山再検討」を付け加えて得た現在の結論。
個人的には、現段階ではこれしか説明が付けられる見方がないので、これで仮定してやっていこうと思っている。
今後新たな事実が出てくれば更に再検討していくことにする。
それでも裁判では証拠不十分で勝つ可能性があるので、それにまつわるポイントは今後検証予定。

なお、これまで心理状態考察1~8をやってきたが、今回ラストメッセージの情報を付け加えても殆ど変わりがなかった。
以下に心理状態考察1~8の各回のポイントを以下に①~⑧として示す。(各回記事毎のポイント抽出のため記述の重なりあり)
ラストメッセージ全文が出てきても、考察の要点は変える必要がなかったことは、考察の補強になったと捉えている。

①被疑者が犯人と仮定すると、例えば”7月初めから精神的不調で通院しているのに、6月末~7月末の約一ヶ月で初回用トロイ開発できた”、”江ノ島で人が大勢いて目撃や撮影されるのを分かってて首輪付けたのに、逮捕されたら全面否認”などの相反する行動が多いために、それを理解するにはかなり特殊な「心の病」と考えるしか無いと見る。

②心の病に進行性が感じられるので、今後何があるかわからない。出来るだけ早くこういう事例にも対処出来そうな専門家を探して診てもらう必要があると思う。

③犯人の心境吐露であるメールやメッセージを順に見ていくと、悪い方への進行性が感じられる。

④前科の裁判の際の母親証言で、中学生の頃からいじめが原因で「表情も無くなった」とのこと。精神の異常は表情に出やすいから丁度当てはまる。更に「自分のことを何も話さなくなり、対人関係も上手く行かず」ということで、充分回避性人格障害か、それに類したような障害と考えても良いのではないか。ただ、今回の事件になると、精神的不調とソフト開発能力好調が同時に出ているので、当てはまる病気はなかなか見当たらない。それだけにもし被疑者が犯人であるなら、早くこの症例が理解できるような専門家を探して診てもらう必要が有るだろう。

⑤被疑者が犯人とすると、ラストメッセージになって明らかな噓(巻き込まれた事件はサイバー関連では無い、刑務所には行っていない等)が複数出現。更に、逮捕されてから弁護団への説明は「実刑も良い面があったということで、恨みなどには思っていない」と、相手を信用させて騙すようなレベルアップした嘘が出てくることになる。被疑者が犯人としたら、やはり心の動きに時系列で悪い方へのエスカレートがあるのではないだろうか。

江ノ島猫の首輪装着時間帯の件だけでも無罪とはしにくいし、かといって直接犯行行為である遠隔操作の証拠が出て来なければ有罪にするのも容易では無い。最高裁までもつれる要素は充分ある。(大胆に言うと)最終的に真相は明らかにならないのではないか。

⑦同じマンション住人証言で「エレベータで乗り合わせると、何階ですかと声をかけてくれた。優しい人という印象だった」。しかし、ドコモショップ犯行予告ではリアルタイムで凶暴なレスを書いている。
被疑者が犯人とすると言動に正邪相反する事例が多くあって、全体を合せて俯瞰すると多重人格のようなことが思い浮かんでしまう。

⑧前科の事件で2005年10月から約5ヶ月以上も判決まで拘束されていた。この間に取り調べも含めて相当なストレスがあって、心の傷が残ったことは考えられなくはない。

以上
[追記]
昨日書いたラストメッセージの入手経路の推測だが、「週刊現代と江川氏にしか渡っていないとする根拠は?」という質問を頂いた。
これに関して、以下の毎日新聞記事(社説)にあるように、「検察が開示する証拠の目的外使用は禁じられている」ということがある。
裁判員制度の導入を見据えて2004年に刑事訴訟法が改正されて証拠開示制度が導入された際に、目的外使用禁止も追加された)
今回も検察から弁護団に警告が出されたこともある。
それで弁護団から流してたとしてもこの規定抵触回避のために、多くに流すことは出来ないと思われる。

 ”法廷証拠と報道 懲戒請求は行き過ぎだ” 毎日新聞 2013年06月23日
 「法廷に証拠として提出された取り調べの録画映像を弁護士がNHKに提供したとして、大阪地検大阪弁護士会懲戒請求をした問題」
 「2004年の刑事訴訟法改正で、検察が開示する証拠の目的外使用を禁じた。
  公正な刑事手続きのため、被告や弁護人が裁判手続きやその準備以外の用途で証拠のコピーなどを提供できないと明文化した」

週刊現代不定期だがずっとこの事件を追ってきた。江川氏は御存知の通り佐藤弁護士とパイプがあるのは明らか。
この辺りを勘案して佐藤弁護士中心に判断したものと推測される。(他にも多少は流しているかもしれないが)
また、弁護側は記者会見の際に開示証拠をある程度明かしているが、「弁護側主張の一環として必要だから証拠を引用している」というようなスタンスと思われる。
ラストメッセージは弁護側主張が入らないので開示証拠そのものとなる。また、上記の懲戒請求は法廷では上映済みの映像であったにも係わらず行われており、今回は公判前だからもっと危ない。
目的外使用禁止の厳格運用には上記社説などのように批判はあるが、現実に懲戒請求も出ているから、リスクも勘案して少数のメディアや信頼出来るジャーナリストに提供して、後は「取材源の秘匿」でガードしてもらうという慎重な作戦を取ったものと推測。

追記以上