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ラストメッセージ2(入手経路及び雲取山との関係)

昨日ラストメッセージ全文の入手は弁護団からの可能性が高いのではないかと書いたが、更に検証。
江川氏の記事に以下のような一節がある。

 ”「真犯人」からのラストメッセージ
 <後にアップする「ラストメッセージ全文」にそれ以外の誤字があれば、私の書き写しミスなのでご指摘ください>

「私の書き写しミス」となっていて、電子ファイルで貰ったものでは無いようである。
更に江川氏は、「全文の方に字下げを付け加えたのは読みやすくするための自分の判断」とツイッターで言っている。
そうなると、弁護団は証拠開示は紙ベースで貰っていると記者会見で言っていたから、江川氏は弁護団から入手したとすると辻褄が合う。

そして、江川氏の記事の日付は2013年8月10日。週刊現代のスクープ掲載号が8月5日発売で、記事の論調は弁護団寄り。
こういう筋書きだったのかと納得である。ただし、ラストメッセージはいつまでも秘匿しておくべきものではなく、他の事件でもよくスクープやリークはあり、今回は遅かったぐらいである。
弁護団good job!と賛辞を送りたい。

それにしても、全文がこんなにあっさり出るとは驚いた。
更に、重要なラストメッセージがようやく出てきたのに、週刊現代と江川氏以外はどのマスコミも記事にしていないようであることも驚きである。
もう風化はそこまで行っているのだろうか。

「他のメディアも入手しているが、黙殺して公開していないのではないか」という趣旨のコメントも早速頂いた。
これに関しては、週刊現代は「独占スクープ」とはっきり銘打っているので、あながち虚偽とは言いがたいと考えている。
もし他が出してきたら赤っ恥をかくことになる。
やはり弁護団と江川氏を含めた何らかのつながりがあるように推測するしかないように思う。
ただ、江川氏記事が出てからでも江川氏に取材したり、それを更に捜査関係者にぶつけてみたりして記事にすることは出来ると思われるので、それもやらないということは黙殺同然となる。

なお、週刊現代の記事も8月15日付でネットに公開されている。記事全文なので、当方が引用を遠慮した最後の部分も出ていて以下のようになっている。
また、全体の論調を見て頂ければ、弁護団寄りと云うのも分かっていただけると思う。

 ”独占スクープ入手 PCなりすまし事件 真犯人が送った「ラストメッセージ」”
 <最近、片山さんは母親に、このような内容の手紙を出したという。 
  「自分がもし刑務所に行くことになったら、その時には自殺します。しかし、自分には佐藤(博史)弁護士が付いているので、そういうことにはならないでしょう。
    僕が無罪になったら、国から賠償金が入るはずだから、どこか住みたい場所を考えておいてください」>

現在の被疑者の心境はどうなっているのかと心配になる。拘留している方はその辺のケアも行っているのであろうか。
国賠のことが書いてあるから、一見無邪気な手紙にも見えてしまうが、実際は精神的に相当きついのではないか。
腹を決めて、佐藤弁護士とともに国賠を取るつもりで意気軒昂なら良いのであるが。

なお、ラストメッセージ全文を見ないで当方は昨日午前まで記事を書いていたのだが、逆にそのために虚心坦懐でじっくり雲取山の件を調べることが出来た面があった。
雲取山江ノ島に比べて犯人特定への寄与度も低く、監視カメラのような明確な物証もないので、余り重きを置いてこなかった面があった。
しかし、雲取山の検討の後にラストメッセージを見ると印象が違ってきた。
どういうことかというと、「(警察の捜索ミスがなければ)雲取山でキーファイル入りのUSBメモリが発見されて、ラストメッセージも読めて、そこで終了だった」ということである。
つまり、江ノ島は偶然発生した状況であり、雲取山が犯人の意図した本来の最終場面だったのである。
その意味で雲取山は非常に重要なのである。ラストメッセージの公開でそれが更にクローズアップされる。

最終局面で「なぜリアルに出てきたか」「なぜ雲取山だったか」、これはまだ当方も不明である。犯人しかわからないことでもあるだろう。
ただ、先週雲取山の検討により、7月18日弁護団記者会見で述べられた「1月1日には埋まっていなかった可能性が高い」という主張については、疑問があることがわかった。
犯人の送ってきたUSBメモリを写した方の写真にある「地面の窪み」から、犯人は実際に昨年のうちに埋めた可能性が高いと考えられるからである。
記者会見の発言では、佐藤弁護士は三角点の写真がネットから取られているので、USBメモリが映っている写真も犯人が撮ったものではないとの推測のようである。
しかし、意識して掘らないとあのような窪みは出来ないので、犯人は場所を示すために少し掘ってから写真を撮ったと考えられる。

また、ネットからリアルに出てきて見つかる可能性も、江ノ島ほどではないが、雲取山でも相当危険性があったこともわかった。
登山道は一本道が多く人と出会うし、山頂の三角点付近は樹木もなく視界が開けている。
登り降りしているところ、埋めるところ、表面をカムフラージュしているところなどを見られる危険性は高いのである。

ラストメッセージは全体的には理路整然としていて、これでお終いと宣言している。
そのメッセージがTor経由メールなどで送られてネット上で完結していれば、警察がTor辿れないのは犯人自ら実証済みで、ラストメッセージの記述通りすんなり終われた。
だが、犯人はそれを容易に出来たはずなのに、敢えてリアルに出てきて、しかも見つかる危険を犯している。
肝心なところで理路整然としていないのである。

現時点でこの点がラストメッセージの一番の謎と考えているが、それに対する答えとして今考えられるのは、
「犯人は最終的に捕まることを意図していたのではないか」ということぐらいである。

以上