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7月18日弁護団記者会見(ウィルス作成経過、遠隔操作言及部詳細)

7月18日の弁護団記者会見で、ウィルス作成経過と遠隔操作の部分を見なおしてみた。
少しずつメモしながら聞いていたら、文字起こしのようになったので、本日は参考用にそれを記載。
全部が佐藤弁護士の発言で、発言内容はほぼそのまま書き起こされていると思う。()内は当方が追加。
出来るだけ分かりやすくするために、以下のように強調色分けしてみた。
 ・弁護側から検察に説明を求めた事項(今後検察は答えなければならない)・・・赤 
 ・検察側主張・・・青
 ・弁護側主張や説明・・・黒
なお、文字にしてみて佐藤弁護士の発言の密度の濃さに改めてびっくりした。考察は明日以降行う予定。

(ビデオ31分頃~)
警察にしてみれば、被疑者が気が付かないうちに逮捕された事件である。
それなのに逮捕してみても自宅から発見されたPC4台、被疑者によると10数個の記憶媒体から何も発見されていない。
この点について、証拠隠滅を行ったのかと検察官に聞いた。
というのは、被疑者は9月30日までは南青山の派遣先に行っていて、10月1日から休職する12月4日の間は別の派遣先にいた。
そこ(10月からの派遣先)のPCはネット上の検索では問題になっているが、ウィルス作成の関係では全然問題になっていない。
それは論理的にそうで、ウィルスを作成したのは大体8月末までだということになっていて、それは最初(9月まで)の派遣先のPC。
問題は、次のところ(10月からの派遣先)のPCは問題にならないんだけれども、自宅のPCを被疑者がウィルスの作成に用いなかったのは凄くおかしい。
それは一体どういうことなんだと検察側に説明を求めている。

それからもう一つは、したらば掲示板に指令を書き込んだ時間に、被疑者がどこにいてどのPCを使ったかは証明予定事実記載書には全く書いていない。
iesys.exeは定期的に「したらば掲示板」を覗きに行く機能があって、犯人は「したらば掲示板」に指令を書きこむ。iesys.exeはそれを読んで指令に基いて送信先に脅迫メールを送る。
起訴状に何月何日に被疑者がこういうことをやったと書かれているのは、実は全部「したらば掲示板」に指令が書き込まれた時間は特定されている。
それが彼が起訴された事実はウィルス供用罪を含めて10個あって、結局CSRFを使った事件を除く多分8つがiesys.exe使った犯行なんですけども、これが全部「したらば掲示板」への指令の書込。
その最初の第一の事件だけは日曜日なので、残りは全部被疑者が派遣先で勤務している時刻。
そうすると、被疑者が使えるのは勤務先のPCで居た場所も南青山の派遣先だということにならなければいけないのに、起訴状は全部(したらば掲示板への書込時刻は)何時何分まで書いて有るが、「東京都内又は周辺において」、使ったPCは「インターネットに接続したPC」としか書かれていない。
それはどういうことかというと、派遣先のPCから指令を書き込んだ痕跡がないということ
それで、したらば掲示板への指令書込は犯罪行為そのものなのに証拠はどうなってるのかと求めた。

検察官はiesys.exeは派遣先PCを使って、検察官の主張によると、遅くとも平成24年6月下旬頃から8月20日頃の約2ヶ月間に作成したと主張した。
iesys.exe作るのにどれぐらい時間がかかるかが問題になるが、沢山の機能が有していて、バージョンアップをしているので全部で15種類あり、私が被疑者と接見して(被疑者が)これぐらいはかかるんじゃないかと言ってるんだけれども、1日8時間掛けてもゆうに2ヶ月ぐらいかかるのではないかというふうに考えられる。
この想像は検察官も前提としているところでして、7月10日(の記者会見時)には言わなかったが、検察官は証明予定事実で「iesys.exeが開発されていた期間に被告人は派遣先の業務に殆ど従事していなかった」とハッキリ主張している。
どういうことかというと、「派遣先の仕事をサボってiesys.exeを開発作成した」というふうに検察官は堂々と言っている。

それでこの点に関しては私たちは4月30日に既に、被疑者は7月頃からスランプ状態に陥ってプログラマが時々陥る病気のようだけど、プログラムが読めない、書けない、書いてもバグがいっぱい出来る」ということで自分でスランプ状態になった。それが改善しなくて、夏に休み取って北海道旅行したり、気分転換を色々やったりしたが全然だめで、結論としては12月5日にとうとう「実は全然仕事がはかどっていません」ということ。
7月からずっとメンタルクリニックに通っていた。薬も処方してもらっていた。
最終的に12月5日に職場にいって1ヶ月間休ませてもらった。それで治らなくて更にもう1ヶ月延長した。
2月8日に久々に出勤して何とかやっていけそうだということで、2月11日は祝日だったため、2月12日から再出勤しようとしていた矢先の10日日曜日に逮捕された。

被疑者は7月からどんどん病気が重くなって2ヶ月休んだという状態である。
ところが検察官の主張によると、その間にiesys.exeというかなり手のこんだ開発を行なっていたと云うことになっていて、フル稼働ということ。
それはどういうことかというと、検察官は明示的には言ってないけれども、私達が予定主張で言ってた「彼はスランプ状態にあったということは、云わば噓で仮病だったというのか」と検察官に聞いた。
実は被疑者は逮捕された後抗鬱剤を処方されていて、今も飲んでいる。その事実と検察官の主張は全くそぐわない。
それで、7月からうつ病で、プログラムを読んだり書いたりすることが出来なかったというように私たちは主張してきた。
それは偽りだというのか?その根拠は何だ?と検察官に求めた。
その点については証明予定事実では(検察側は)何も言っていない。

私は会ってないが竹田弁護士は主治医の先生にも会って、被疑者の訴えていた症状やカルテも残っている。 
被疑者は、やがて逮捕されることを予想してうつ病を装っていたのか?犯人だとしても病気のことまで工作する必要など全くないではないか。
それなのに、検察官は派遣先PCを使ってもっぱら開発していたから仕事をサボって開発したと言っているわけだ。
私たちが言ってるのは、フルにやっても1日8時間としても約2ヶ月かかる計算になる。 
ついでに言うと、8月20日の直前、長めの休みをとって北海道に行っている。
確か9日間の休みを取っているので、検察官の言っている約2ヶ月はフルの2ヶ月ではない。

仮に派遣先の仕事の合間を縫ってウィルス開発していたとしても、遅くとも8時頃には仕事を終えて、9時頃には家に帰っている。
平日でも食事した後10時ぐらいからとしても、寝るまでの時間はPCに向かうことが出来る。
勤務はカレンダー通りだから土日及び祝日もフルに自宅PCに向かうことが出来る。
職場のPC使って開発していたとしても、当然自宅のPCも使って作業を続けなければいけないと私は思うが、その痕跡が全くない。

また問題は職場のPCと自宅のPCをどうやって結んだのか。
方法は二つあって、USBメモリなどの記憶媒体クラウドを使うだろうが、どちらにしても何らかの履歴は残る。

しかし派遣先のPCからiesys.exeの痕跡は見つかるが、記憶媒体クラウド具体的にはDoropbox、自宅PCから何も発見されていない。
これはどう考えてもおかしいので、検察官は派遣先PCのことばかりを言っているが、それ以外の記憶媒体Dropbox、自宅PCに関しては一体どういう検査結果になっているのか明らかにしてくれと求めた。

以上