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ウィルス作成経過考察1

昨日文字起こしを記載した、ウィルス作成経過に関して考察。

まず開発期間とその頃の被疑者の状況であるが、検察側は以下のように主張していることになる。
”開発期間としては、「iesys.exeは派遣先PCを使って、遅くとも平成24年6月下旬頃から8月20日頃の約2ヶ月間に作成した」。
 開発状況としては、「iesys.exeが開発されていた期間に、被告人は派遣先の業務に殆ど従事していなかった」。
 つまり、「派遣先の仕事をサボってiesys.exeを開発作成した」というふうに検察官は主張”

この主張についての裏付け証拠に関しては、佐藤弁護士からは特に言及はなかった。
証拠として考えられるのは、同僚の証言や開発進捗会議などの議事録(被疑者担当分が進んでいないことが書いてあるかも知れない)等が考えられる。
検察側も根拠なしにこのような重大な主張はしないと思われるので、基本的には何らかの裏付けは持っていると推察される。

ただし、整理手続は今のところ非公開で検察も情報を殆ど出さないので、今得られる情報は殆ど弁護団の記者会見からのものである。
そのような状況下で、佐藤弁護士は記者団とのやりとりで以下のように言っている。
「ざっくばらんに言うと、云わば論争だから検察官の弱点をえぐっている」。
そして、その後に”自分たちの弱点になるようなことはあまり持ち出さない”ということを示唆している。
つまり、検察側の証拠がどのようなものであるか、弁護側から全部説明があるとは限らないという観点は重要である。

よって、「業務にほとんど従事していなかった」という点に関しても、検察が有力な証拠を持っているかどうか現時点では不明である。
その意味で検察側も積極的な記者会見等で対応する必要があると思われる。
昨日頂いたコメントの中に「東京地検といえば日本のトップエリート」というご指摘もあったが、全くその通りで実質日本の検察の中枢組織であるから、情報公開で堂々と対抗して貰いたいと思う。

さて、もう少しこの「業務に殆ど従事していなかった」という状況を考えてみる。
7月8月、おそらく9月もということで約3ヶ月も業務をしていなくて、気が付かれないものであろうか。
だが、当方も以前他の開発請負会社の事例で、クライアントから請け負った仕事を担当者が4~5ヶ月も全くやってなかったことが発覚したという話を聞いたことを思い出した。
その担当者は正社員だったが、その人一人だけに任せていたのでクライアントが発見するまで社内では気が付かなかったとのこと。
派遣先だと定期報告を求められたりしてもっと気づかれやすい気もするが、派遣先も任せきりだったのかもしれない。

ただ、当方の聞いた事例の方では発覚後当然大問題になって、小さな会社だったのでリカバリの損害は大きく、その担当者は結局退社に至ったとのこと。
被疑者の場合も仮にそんな状態を続けていたら、発覚するまでの間は周囲に分からなかったり、隠せたりしたかもしれないが、何らかのキッカケで発覚した後は大きなペナルテイとなる。
よって、7月20日の記事にも書いたが、警察が9月までの派遣先(南青山)を聴取すればそのような事実はすぐ出てくるし、その時の本人ヒヤリングなどの記録も残っていると考えられる。
それが証拠として今後どのように明らかになってくるか注目。証拠が出せなければ検察の方がアウト。
(参考としてテレビ東京の報道で「派遣先でトラブルがあった」という以下の様な話あり。ただし、トラブル内容不明、又テレ東以外ではこのような報道は見ていないので、どれぐらい関係性があるかは定かではない。
 「容疑者は、事件のあった去年8月、派遣先の会社でオークションサイトの設計を任されたが、仕事をめぐりトラブルとなっていた。 その後、派遣先を変わるなどし、去年12月から休職」  NEWSアンサー:テレビ東京


なお、「被疑者は鬱状態で仕事ができず誤魔化して日報書いてた」と云う話があることも別途ご指摘いただいて調べてみたら、10月からの派遣先で12月から休職する前の11月頃にこういうことがあって、それが理由となって休職に至ったという経過があった。もしかすると、南青山の派遣先でもこのような状態だったのかもしれない。
ただ、10月からの派遣先で11月に発覚したとすると、すぐ12月から休職ということになり、又休職に至った経過も出てきているのに、南青山の方では2~3ヶ月も業務を行なっていない状態が続いて、しかも派遣先変更の経緯も明らかでないのはやはり不思議である。

本日は以上であるが、被疑者の勤務状況は当方考察で非常に重要と考えているので明日以降も引き続きシリーズで検討予定。

なお、上記の話とは直接関係ないが、記者会見ビデオで今後の予定について説明があったので参考に記す。

次回(第4回)公判前整理手続は8月22日(木)10時~。(公開かどうか、又公開申請しているかは言及なし)
その前の8月16日(金)までに、弁護側が述べた主張に対して、検察官の主張を明らかにする書面を提出するよう、裁判長から検察側に要請があった。
(弁護側の主張というのは、4月30日提出済予定主張の未回答項目と7月18日に主張した分と思われる)
そのため弁護側は、一週間後(7月25日?)に弁護側主張を書面化して、裁判所と記者団に提出する。
それに対する反論が8月16日までに検察から書面で明らかにされて、次回の公判前整理手続きに進む。

以上