kensyou_jikenboのブログ

yahoo!ブログの同名ブログを移行しました

検察の証明に関して(検証1)

江川氏の記事以外に産経その他新聞のネット記事を見てみたが、「猫 首輪」などの検索記録の話が多い。
これに関しては今朝の記事に書いたように、監視カメラ画像と同様に弁護側が被疑者に示して、被疑者からどういう反応があるか見てから考えれば良いと思う。

昨日の江川氏のツイッター第一報で「物的証拠なし」とのことであったので、「公判維持」も難しくなるのではないかと予測したが、監視カメラ画像は不鮮明とはいえ「物的証拠」と言えるものではある。
午後2:54~3:16とのことで、その間22分。仮に被疑者が3時に触って首輪が付いてなかったとすると、真犯人がいて首輪を付けられる時間は残り約16分以下まで狭まる。被疑者にとっては非常に厳しい状況になる。
実際「弁護人が見たところ、この間に5,6人が猫に接触していた」ということで周囲にいた人数も限られてくるので、重大な物的証拠と言って良いだろう。
そのため、これだけでも公判維持は十分可能で、このまま公判前手続が設定されている10月ぐらいまで行くのかもしれない。

ただ、監視カメラ画像によって、装着の確証は無くても確率的にクロの可能性大になるとすると、一旦被疑者クロと仮定して考えることも出来る。
だが犯人であるとしたら途端に、遠隔操作による数多くの「したらば掲示板」アクセス、メール5通(10月犯行声明メールは2回)、代行依頼書込7通、その他Dorpboxアクセスなど、数多くのアクセスを行なっているのにアクセスログが残っていないことの具体的な説明と証明を検察は求められる。
なお、「無いことの証明」と云ってもこの場合は「悪魔の証明」ではなく、派遣先のファイヤウォールやプロキシサーバ及び契約プロバイダなどにログが残らない仕組みになっていた、或いは保存期間切れで消えていたなどの証明が求められる。残っていたら開示求められ弁護側も解析できる。

また、今後弁護側はアリバイ立証も本格的に行うと思われ、例えば元旦メールのアリバイなどを検察は崩す必要がある。この辺が出来ないと、監視カメラ画像も確実に装着の場面を捉えていないから、証拠効果が相殺されてしまうことが考えられる。
そして、監視カメラ画像以外の有力証拠が検索ワードや関連サイトのアクセス、開発環境のインストール痕跡、派遣先社員の被疑者C#使用目撃情報などなら、前述のように被疑者確認を行なってから、初めて有効な検証が始まる。

なぜ、このような被疑者への確認が必要な情況証拠が多いのに、検察は取調を行おうとしなかったのか。穿った見方をすれば、真犯人からのメールが来ないのを確かめるために、時間を取ったということは考えられるかもしれない。或いは観光客の撮ったという写真で時間帯が絞れた模様だが、そういう写真を出来るだけ時間掛けて探そうとしたのか。(C#使用目撃情報の調書も6/15らしいが)

ただ、昨年の誤認逮捕の教訓で、シロにする捜査も考えたら、可視化拒否にこだわりすぎないで、監視カメラ映像は逮捕当時からあったのだから被疑者に示して弁明を求めるべきだった。結局クロにする捜査しか考えてないということは明らかで、余りにも硬直的であったと思う。教訓を活かすなら、否認事件は白黒を中立的に考えて、本当の真実追求の姿勢が必要であろう。

現在の考察は以上。

なお、本日分のコメントを頂いているので、こちらの方で返信させて頂こうと思う。

>江の島のビデオ出ましたね。首輪の写真の位置で片山氏が猫に接触しているらしい。写真の位置で再現も行ったらしいですね。
>その時間帯に猫に接触した他の数人を特定できていれば、片山氏はかなりあやしいですね。
→前述のように相当疑いが強まったことは否めないので、被疑者が犯人と仮定して更に検証を続ける必要性を考慮。
  猫の写真の角度については、犯人からの写真は「正面」「横」「ベンチ背もたれの上」と3枚とも角度的に大きく違うため、
  「検察は、警察の行った再現実験から、片山氏がいる位置から猫を撮影すると、犯人が送りつけたのと同じ角度の写真となると主張している。」
 (江川氏記事)と云う話はどういうことなのか疑問あり。(画像は鮮明ではないそうだが3種類の写真が撮れたような動きが確認できたのだろうか)

>しかし、情報セキュリティーの専門家らは、一連の犯行に「高いプログラミングスキルは必要ない」と口をそろえる。 
>ウイルスのプログラミング構成やその作動の仕方を子細に分析すると、初歩的なミスが目立つためだ。 
>「どうも犯人は、ウイルス作成にさほど慣れていないのではないか」。 
>検体を解析したラックサイバーセキュリティ研究所の中津留勇氏はこう指摘する
→今回のトロイが、一般的に云う「ウィルス」とは違うことはご存知の上で書いておられると思う。
  便宜的に広義のウィルスに含めることはあり得るが、本来はマルウェア(悪意あるソフトウェア)の中にウィルスもトロイも含まれるという考え方になると思われる。
 それで上記のセキュリテイソフトの専門家と思われる方のご指摘に関してだが、ロボットの例で考えてみたい。
 ロボットにも色々種類がある。アシモのような人間型ロボット、米軍が開発しているような例えば4足歩行ロボットなどの最先端ロボットが有り、基本的には自律型である。
 日本が誇る産業用ロボット分野もあり、こちらはプログラミングして動作を制御する。 他には、人間が操作するタイプが有り、NHKで放送される「ロボコン」でお馴染みである。
 このように多種類のロボットがあるが、最先端の自律型ロボットを開発している人から見れば、人の操縦部分が多いロボコンタイプは眼中にさえないだろう。
 また、産業用ロボットをやってる人から見れば、信頼性の点でもロボコンタイプなど論外となるだろう。
 (つまり、自律型や産業用ロボットが、セキュリティソフト専門家の方が考える一般的なウィルスとするなら、今回のトロイはロボコンタイプではないか)
 しかし、ロボコンもTVで放映され、毎年参加校も多く継続している。見る人ごとの評価はどうであれ、ちゃんと成り立っている。
 それを、自律型をやってる人から見て単に「レベルが低い」とコメントしてもらっても、余り意味が無いのではないか。こんなことを考えている。
  (専門家の話には得てしてこういう面があるので、長くなったが記してみた)
 そして今回のトロイは例えてみればロボコンタイプの中では、相当上位に来るようなものだと個人的には考えている。
 ロボコンでも上位に入るには高い能力が必要で、その作成者ともなれば普段から周囲の評価も高いであろう。その点で被疑者はどうだったのだろうか。
 被疑者の技術的能力に関する証言は現在C#使用を目撃したという調書一通とのことで、今後他の同僚や関係者からの証言も待ちたいと思う。

以上