予定主張記載書面に関して
gygygさんから以下の内容をコメントで頂いた。
「佐藤弁護士は被疑者が嵌められた説をとっていたような気がしますが。
弁護側は、被疑者が遠隔操作されていたとしか主張できないでしょう。」
コメントは弁護側の主張に関するものであるが、実は弁護側はどういうことを主張するか明らかにするために
正式に「予定主張記載書面」というものを提出済みである。
これについてもどこかで言及しようと考えていたので、調度良いタイミングのため次のような事実を載せておく。
5月28日記者会見にて佐藤弁護士が「予定主張記載書面」について以下のように述べている。
「通常は検察側が「証明予定事実記載書面」を出してから弁護側が出す「予定主張記載書面」を先行して4月30日提出済みである。
内容は例えば、
・C#でプログラム書けない
・マルウェアに関心を持ったことはない
・iesys.exeを作ったことはない
・江ノ島に行ったことはあるし、猫に接したことはあるが、猫に首輪は付けていない
・(プログラムが読めない書けないという)スランプだった
というようなものである」
上記は予定主張の全部では無いと思われるが、会見では基本的に主要な項目を挙げられたと思うので、少なくともその中には”被疑者が嵌められた説”に相当する内容は無かった。
それで当方としては、佐藤弁護士が事件のストーリーに関連するような発言しておられるのは、
本来検察が強烈な先制パンチとして明確なストーリーと証拠を提出して来るはずが全くと言っていいほど出てこないので、
ガードだけ固める検察側に対して弁護側からのジャブとして幾つかの可能性のストーリーを述べているものと考えている。
結局は明日21日の第二回公判前整理手続で、検察側がどういう姿勢でどういうものを出してくるかにかかっていると思われる。
なお、「公判前整理手続における証拠開示制度について」という表題の法務省法制審議会関連資料があって、
「証明予定事実記載書面」から「予定主張記載書面」への本来の流れについて簡潔に説明されているので参考に以下添付する。
見て頂ければ分かるように、今回は②が5月17日で⑦が4月30日となって逆転している。
(当初から検察は証拠開示に消極的と見抜いて、先手を打つための佐藤弁護士主導の作戦と思われる)