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検察の対応予想2

以下の内容に関する考察の第2回。
”起訴している裁判は死にものぐるいで戦ってくると思いますが、
証拠もないのにどうするつもりだろうとも思います。
その辺に関しての見解をお聞かせください”

第1回で前提として、「今回の事件では警察と検察の思惑が大きく違う」という当方認識を書いた。
それに基いて、今後の検察の出方を予想する。

端的に言って、以下の3つの場合になる。
 ①当たり障りのない証拠だけ小出しに開示しつつ、公判前整理手続を続行する。
 ②捜査中を盾にほとんど証拠を開示しない今の状態を続ける。
 ③通常の公判前整理手続のように争点整理と証拠開示を行なっていく。

③は今までの流れから考えてあり得ないだろう。
①と②では、6月13日記事「第二回公判前整理手続に向かっての進行」において、
①の可能性が高いのではないかと書いた。
しかし、その後「警察と検察の思惑が違う」ことに気がついたことから、②もあり得るかも知れないと思うようになった。

では②の場合証拠を殆ど出さないで、検察はどうするつもりなのであろうか?
当方の大胆予測は、”検察は裁判所に事件を潰してもらうつもりではないか”というものである。
検察は是が非でも立件したい警察からの送検を受けて、有罪に出来るような証拠は警察から送付されて来ないし、
その状態で検察が冤罪を創出したと後で批判されたくないので、八方塞がりで「何もしない」と云う手に出ているのではないか。
そうしておいて、「裁判所が何らかの判断を下してくれる」、「裁判所の判断や命令ならそれに従う」という姿勢ではないかということである。

参考になるのが江川氏がインタビューした元裁判官の弁護士原田氏の発言。
 江川:なぜ事件をつぶすことをそんなに気にするんですか?
 原田:自分が嫌だからですよ。ちゃんと有罪か無罪か決めようと思ってるのに・・・
裁判官が勾留を認めず、その結果保釈されて罪証隠滅されたり、逃亡されたりして事件がつぶれると、
裁判官の誤判断になるから途中で潰すことは避けてとにかく公判まで持っていきたいという心理。
当然検察も潰したくないから、裁判官心理に訴えて検察は裁判所に勾留を殆ど認めさせてきた。
今回はそれを逆手に取って、検察としてはもはや潰したいのであるが自らの手で潰した形にはしたくないので、
裁判所が潰すように仕向けているのではないかという推定である。

ただ、検察もまだ裁判所に全部委ねるのは早いと考えて、①と②の中間ぐらいの対応はあるかも知れない。
例えば、前にも書いた「監視カメラの映像や雲取山の写真は出すのではないか」という想定である。
特に監視カメラ映像は被疑者割り出しにつながった重要な証拠であり、これだけでも出てくれば随分違う。
当ブログの「江ノ島の写真」で監視カメラ画角の検討を行なったが、これはどれぐらい鮮明に映っているかを予測検証するためであり、
元々監視カメラ映像から被疑者が浮かんだのだから、首輪付けたところは映ってなくても猫の周辺にいた被疑者の映像があることは間違いない。
また被疑者自身が勾留理由開示での発言で、猫に触ったことは認めている。
このような監視カメラ映像ぐらいは検察も出せないとおかしい。

もし、監視カメラ映像も6月21日の第二回公判前整理手続までに出て来ないようであれば、本格的に②の可能性が出てくる。
そうなった時は弁護側は公訴棄却や整理手続打切・公判期日設定などを再度求めるのは確実であるから、いよいよ裁判所の判断によることになる。

これがご質問への当方の現在の見解となる。
ご質問内容に出来るだけ合せて答えれば、「検察は、後々冤罪を生み出したと批判されることを避けるのが今や第一の目的となっていて、
そのためには自分たちでなく裁判所(と弁護側)に事件を潰して貰うよう、警察から送られて来ているであろう犯人性につながる曖昧な証拠(何とかの痕跡など)の数々を出さないようにしているのではないか」ということになる。

日本の司法の信頼性を守るためにはこういう事態は起きてほしくはないが、検察の内部で「王様は裸だ」と身内から言うのは難しいだろうから、
一応外部組織である裁判所に委ねるという手ぐらいしか残って無いのではないか。
それほど確実な証拠が無さすぎて、曖昧なものを除いてしまうと出せるような証拠が無いと云う事態になっていることが考えられる。(そこまで考えないと今の異常事態は説明が付かないぐらい凄いものと思う)

以上